ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

守礼の邦の政治家

2018年10月02日 | ガジ丸のお話

 「西へ行こうか北へ行こうか、どうしようかな?」と迷っていたらしき台風24号であったが、「よし、決めた」と、急に向きを変え宮古諸島を暴風圏に巻き込みつつ、沖縄諸島も直撃した。沖縄島は9月29日(土曜)未明から翌日曜日未明まで約24時間もの間暴風圏内にあった。台風24号は台風銀座と呼ばれている沖縄でも滅多にない本格的猛烈台風で、しかも、長時間暴風を吹き荒らし、多くの被害を与えた。
 久々の猛烈嵐の中、日曜日は沖縄県知事選、及び宜野湾市長選の投票があった。台風襲来が予想されたので、自治体によっては繰り上げ投票となり、そうでないところでも市民の多くが自主的に期日前投票をしたようで、投票率は前回知事選より僅かに下がった程度で済んだ。私も台風を心配し、初めての期日前投票なるものを経験した。
 知事選の結果については、私の支持する政治的立場の候補者が、現職官房長官がわざわざ応援しにくるほどに政府が力を入れた対立候補に大差をつけて勝利し、私としてはめでたしめでたし。であったが、当初はどちらが勝つか分からない接戦との予想だった。

 どちらが勝つか分からない接戦との予想を聞きつつも、私は勝利するであろうと楽観的観測を持っていた。ところが、埼玉から遊びに来ていた友人のKから「ネット上でデマが飛び交っている」と聞いて、数回前の沖縄県知事選挙でのことを思い出す。
 その選挙、大田昌秀氏と相手は誰だったか、稲嶺恵一氏だったか、その時に、大田に対するデマが流布され、従姉のMが怒って、そして心配していた。
 「デマ程度で・・・」と私が言うと、
 「こういうのを気にする人も多いのよ」とのこと。その選挙で大田昌秀は負けた。
 そのことを思い出し、ラジオから聞こえる「接戦」との予想もあり、「もしかしたら」と思う。「いや、ここで負けたら荒れ心臓総理が暴走する。沖縄は日本の危険物置き場となる、玉城デニー氏に何としてでも勝ってもらわなくてはならぬ」と強く願った。
 相手候補を誹謗中傷する、デマを流すなどは卑怯者のすることと私は思うのだが、事務員のM子によると「選挙なんて誹謗中傷合戦さぁ」とのこと。
 そうか、相手方だけでなくこちら側もそうしているのか・・・などということを考えていたら、昔のある出来事を思い出してしまった。長くなるけど以下。

    ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆ 

 もう20年近く前の話、2001年夏のこと。その頃私は首里石嶺にあるボロアパートに一人暮らし、会社に勤めていて、安かったけど一応給料を貰っていて、独身なので勝手に貯金ができ、年に2~3回は旅に出てのんびり生きていた頃。その5年ほど前に人妻に恋して振られ、人妻の2年後には若い美女に振られ、「えーいっ!もういい、俺は女がいなくても1人で生きていけるわい!」と結婚を諦めた頃。2001年の夏はまた、那覇市議選の選挙運動期間中でもあった。その頃書いた友人宛のメールを以下。
     

 投票日の1ヶ月ほど前の日曜日のこと、私は散歩を兼ねながら片道約20分のスーパーまで買物に行った。その途中、1人の爺さんに出会った。電柱があるせいで、人1人がやっと通れる幅しかない歩道で、もちろん私は、紳士の私は、年寄りを大事にする私は、爺さんに道を譲る心構えでいたのだが、爺さんに先を越された。電柱の前で爺さんが、私が通るのを待っていてくれたのだ。「すみません」と爺様に会釈をして、私は恐縮しつつその側を通り過ぎた。爺様は「いや」と帽子に軽く手をあてて、会釈を返した。
 沖縄は伝統的に年寄りを大事にしている。その伝統を私の遺伝子は正しく受け継いでいるので、私に対する爺さんの態度にはとても恐縮し、爺さんの寛大な心に「守礼の邦(琉球国の別称)ここにあり!」と、いたく感激し、幸せな気分になった。
 ところが、その幸せ気分はほんの30秒ほどで消し飛んだ。

 爺様の後にすぐ続いて、1人の中年女性と2人の若い男が並んで歩いてきた。ニコニコしながら歩いてくる3人は、並んでいるので歩道の幅をふさいでいる。当然、並んでいる3人の中の誰か1人が道を譲るであろうと思ったのだが、譲る気配は全く無い。しょうがなく、「まぁいいか俺が譲るか」と、爺様のお陰で気分のいい私は、寛大な気持ちで歩道の端に爪先立ちぐらいの窮屈な格好で立ち3人の通り過ぎるのを待った。「ありがとう」とまではいかなくとも、会釈のひとつくらいは少なくとも期待しつつ待っていた。
 若い男の中の1人が、「よろしくお願いします」と言いながら私にチラシを1枚手渡した。「よろしく」と、中年(遠慮して言っているのだ。私の率直な感覚では初老)の女性が名刺を1枚、私に手渡した。「すみません」も「ありがとう」も会釈も無し。
 チラシを見ると、初老の女は近くに迫った那覇市議選の候補者であった。つまり、公職選挙法では禁止されている公示前の選挙運動をしているのだった。いやいや、公示前の選挙運動ていどの公職選挙法違反に寛大な私が腹を立てるということはない。
 だがよ、オバサン。道を譲った者に対して「ありがとう」の一言も無しに自分の宣伝ばかりしていいのかヨ。守礼の邦の、古き良き伝統を誇りに思おうなんて那覇市議候補のアンタは心の片隅にも無いのかヨ。ゴミ拾いのボランティアならまだしも、選挙違反の運動じゃねぇか。そこのけそこのけという態度で、「よろしくお願いします」もなにもないもんだ。お願いされたって、知るか!つーんだ。と、私はいたく憤慨したので、今度の市議選、このオバサンだけにはぜーーーったい入れねぇぞ!と決めたのだった。
     

 半分程度端折った(それでも長いなぁ)が、以上がその時のメールの概ねの内容。
 そのメールの続きには結果として、「私はうっかりそのオバサンに投票して(政党で選んだので)おり、しかも、そのオバサンはトップ当選だった」とある。残念。
 その昔は守礼の邦と呼ばれた琉球、沖縄と名を変えて「守礼」も忘れ去られたのかもしれないが、今時の政治家に実直、真面目、正直を求めても、「正直にやっていては選挙に勝てねぇよ」となるのかもしれないが、沖縄の政治家には庶民の代表として庶民の模範となるような行動をして欲しいもの。瀬長亀次郎みたいな政治家を模範として。
 そういえば、昔の日本の、自民党社会党の時代には質実剛健という形容が似合う人もいたような気がする。実直、真面目、正直を身に着けた侍みたいな人、相手の誹謗中傷などはせず、正々堂々と自分の考えを主張する人、今はいないのかな?
     
     
 大きな被害を与えた台風24号が去って、台風の後始末も何とか済ませた・・・かと思ったら台風25号発生のニュース、しかも24号と同じような進路予想とのこと。台風に守礼を望むものではないが、「手加減してよ」と祈らざるを得ない。ホント。

 記:2018.10.2 島乃ガジ丸 →ガジ丸の生活目次

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