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ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

病中の飲食

2019年10月25日 | 通信-社会・生活

 点滴を外し、喉から食物を摂取するようになったのは10月10日のこと。舌が動かなくてモノを咀嚼できない私なので、もちろん初めは流動食。流動食は重湯が主食で、あとは味噌汁とかスープとかの汁物、そして、とろみのついたおかず風のもの。
 噛まない、咀嚼しない、ただただ飲み込むだけなので、1口1口を味わうなんてことはほとんどできない。味わうことはできないが、味には敏感に反応する。
 口にものを入れて、それを咀嚼して、喉を通して摂取するということを長いこと(約2ヶ月)やってこなかったものだから、舌癌が治りつつある舌を含め、口中全体が敏感になっているようだ。甘い、塩辛い、辛い、苦いなどの味が強いものは、舌を中心に口中全体が刺激を受け、時にビリビリと痛みも出て、「食ぇねぇよ」となる。
 病院給食の流動食は重湯(後にお粥)なので優しい味だが、汁物類もまぁまぁ大人しい味だが、おかずの類は味が濃い。デザートに位置しているであろうパック入り飲料もヨーグルト味やらコーヒー味やらいろいろあるが、どれにしても私の舌には激しく甘い。
 それらの病院食、初めの頃は半分食うのがやっとだったが、10日ほども経って、幾分慣れて来て、多少の我慢(不味くても栄養)はしているが、最近はほぼ完食している。

 運ばれてくるお盆にはいつも1枚のカードが置かれてあって、今回の料理名が書かれてある。そして、病人から食堂へメッセージが書ける空欄もある。私はほぼ毎回、少なくとも「ごちそう様」とは書いている。そしてしばしば、料理への感想などを書いている。
 料理の感想は、なるべく褒めようとは思うのだが、舌が思うように動かず、食べるのにあれこれ不都合のある私なので、また、普段から自分で料理をしていて、料理には少々煩い私なので、ついつい料理への注文となってしまう。「煩ぇ爺さんだ」と病院の厨房の人たちには思われているかもしれない。が、煩ぇ爺さんには良いことも起きる。
 給食への意見である私のコメントを読んで、沖縄病院の給食を管理している栄養士がたまに私のところを訪ねて来てくれる。栄養士は若い(アラサーか?)、スラッとした長身の色白美人。美人とユンタク(おしゃべり)するのはオジーとなった私でも嬉しい。
     

 10月19日、私の要望で病院食の主食が重湯からお粥(3分)に替わった。しかし、主食は変わっても副食は相変わらず。時には味噌汁も出るが、多くはトマトスープ、コーンスープなどの洋風汁物、ポテトムース、パンプキンムースなどの流動食がおかず。
 「そんなのお粥と合わねぇよ」と思うのだが、「和食が食べたい」と要望も書いたのだが、今のところ、まだ変化なし。今のところは、市販の梅干し、インスタント味噌汁などを買ってきて独自の副食としている。お粥と梅干と味噌汁。和風である。それに加えさらに、和食料理人のIさんに頼んで、Iさん手作りの佃煮やら練り梅、練り味噌など持って来て貰った。それらはとても美味しい。さっぱりしながらも、味ははっきりしていて「美味いぜ」と1口1口感じながら食べている。病床の私も大いに満足している。
     

 食事は、栄養補給のための餌というだけではない、食べて、美味しいと感じて、幸せを感じて、心にも栄養を与える生きるに必要なものと私は思う。Iさんの料理はまた、Iさんの愛情もたっぷり籠っている。その愛情も心の栄養になるものと思う。

 記:2019.10.26 島乃ガジ丸

 参考文献
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行