ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

老後を楽しむ足腰

2014年10月03日 | 通信-社会・生活

 「甲斐性無しの息子は家土地を失いましたお詫び行脚の旅」の初日は9月26日、先ずは東京。その日は府中に住む従兄と飲む約束をしていて、宿は京王線府中駅の近くにし、夕方までは若い頃(35年ほど前)住んでいた吉祥寺駅近辺を散策した。ノスタルジーを味わいに若い頃よく飲みに行っていた焼き鳥屋、居酒屋、ライブハウスなどを探した。しかし、どれ一つ見つからなかった。廃業したのか、私が探せなかったのかは不明。
  その後、井の頭公園を散策した。ここもよく遊んだ場所だ。高校の頃から仲が良く、私が東京に出てからは文通(死語かな?)していたM女が東京へ来た際、デートしたこともある場所、懐かしの井之頭公園、ところが、どの景色にも覚えがない。ボートを漕いだ記憶は残っているが、「こんなボートだったっけ?」とその姿には覚えがない。青春の想い出なのに頭の中の映像と一致する景色が無い。ちょっと寂しい気分になった。
          

 井之頭公園や吉祥寺駅前を数時間歩き回り、4時頃には府中に着いてホテルにチェックインし、荷物を軽くしてホテル周辺を散策。6時に従兄Hと落ち合って飲み屋へ。
 翌日は朝9時過ぎ、沖縄在の従妹N(父方、Hも父方)と離れて暮らし(仲が悪いのではない)ている彼女の亭主Aと会って、しばらくおしゃべり。その日は午後3時に母方の叔父Tと会うことになっていた。待ち合わせ場所は西八王子。それまでたっぷり時間があるのでどうするか?と考えていたが、Aの勧めで高尾山へ行くことにした。
 高尾山、途中まではケーブルカーで行ったが、それでも山頂までの往復でたっぷり歩いた。沖縄ほどではないが東京も暑くて、たっぷり汗もかいた。途中途中、立ち止まって写真を撮ったりしたが、山頂でも腰掛けることなく歩き続け、たっぷり疲れた。

 28日、府中から静岡へ向かう。静岡市で駿府城とその周辺を散策し、掛川市で掛川城とその周辺を散策し、たっぷり歩いて、たっぷり汗をかいて、夕方6時には美女K女史がホテルに迎えに来てくれて飲みに行く。K女史とは久々、10年ぶりくらいに会う。相変わらずイイ女で楽しかった。が、ホテルに戻ると、体はたっぷり疲れていた。
 29日、ホテルをチェックアウトし、荷物を背負って浜松へ、荷物を背負ったまま浜松城とその周辺を散策する。昼前には浜松を出て岐阜県関ケ原にある父方の伯母Tの家へ向かう。電車に慣れないウチナーンチュは乗り換えにあれこれ手間取って、関ヶ原に着いたのは午後3時過ぎとなった。伯母の家でたっぷりおしゃべりし、カレーライスを御馳走になり、1時間ほど周辺を散策する。関ヶ原合戦で家康が本陣を構えた場所などがあり、写真を撮りつつ歩き回った。伯母の家に戻ってお別れの挨拶をし、弁当(伯母の世話をしている従姉Eは料理上手)を頂いてホテルを予約している岐阜へ。
  夕方6時にはホテルへ着く。たっぷり歩いたせいで足裏と膝と腰が痛い。近くのスーパーでビールと酒を買い、従姉Eの弁当を肴に部屋飲みをして早めに寝た。
 30日、金崋山へ登り、岐阜城見学、ここでもたっぷり歩く。その後、犬山へ行き、犬山城見学、ここでもたっぷり歩く。夕方には名古屋のホテルにチェックインしたが、体はクタクタになっていた。旅の初めからの「たっぷり歩き」のせいだ。10年程前までの旅ならさほど疲れなかったと覚えている。老化だと思った。歩きたいのに歩けないというのは楽しくない。老後を楽しむためにはタフな足腰が必要だ、鍛えなきゃと思った。
          

 記:2014.10.3 島乃ガジ丸


チャバネヒメクロバエ

2014年10月03日 | 動物:昆虫-双翅目(ハエ他)

 フェーはフェー

 私は子供の頃、昆虫少年だった経験は無い。以降もオジサン後期の今に至るまでずっと昆虫を好きになった経験は無い。オジサン前期の頃に植物に興味を持つようになって、ガジ丸HPで沖縄の植物を紹介するようになって、植物と深い関わりのある昆虫にも興味を持つようになったが、興味はあっても「好き」になったとは言えない。
  昆虫を見つけると写真を撮り、図鑑と照らし合わせ、何者か判明させ、それを紹介する文を書き、HPで紹介する、などということをもう10年近くやってきたが、昆虫が好きとは言えない私なので、自ら紹介しておきながら、その多くを脳の記憶から失くしてしまっている。紹介者としての責任を果たしていない、と言える。
 であるが、言い訳させて貰えば、私がウチナーンチュ(沖縄人)の性質を正しく受け継いでいるから、テーゲー(大概:だいたいといった意)性質を正しく受け継いでいるからだ。誇りに思っていいことなのだ・・・か?
 
 テーゲー性質によると、フェー(ハエの沖縄語)はフェーで良し。細かい違いはどうでもよい。なので、私が今回チャバネヒメクロバエを紹介しても、後日、「ねぇオジサン、このハエは何ていう名前?」と子供達に訊かれた際、「フェーはフェーだ」と答えたとしても、それはウチナーンチュだからしょうがないと許して貰いたい。
 チャバネヒメクロバエ、「翅は淡黄褐色を帯びる部分があり」という特徴を持っているが、テーゲー性質の人間にとって記憶に残るほどの特徴では無い。

 
 チャバネヒメクロバエ(茶翅姫黒蠅):双翅目の昆虫
 イエバエ科 日本、南西諸島、朝鮮、中国、他に分布 方言名:フェー(ハエの総称)
 名前の由来は『沖縄昆虫野外観察図鑑』に「翅は淡黄褐色を帯びる部分があり、和名はそれに由来する」とあった。ということでチャバネ(茶翅)。クロバエというのはクロバエ科のハエの総称であるが、本種はクロバエ科では無い。体が黒色なのでクロとなり、体長10ミリほどあるクロバエに比べると小さいのでヒメがついてヒメクロバエ。
 沖縄では平地や山地でも普通に見られ、成虫は5~6月に最も多いとのこと。草木の葉の上に止まっているのを見かけるが、動物の死体によく集まるようである。幼虫は動物の死体や動物の糞の他、ゴミ捨て場などにも発生する。
 体長は5.5ミリ内外。成虫の出現時期は周年。
 
 前から

 記:2014.9.25 ガジ丸 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行
 『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行
 『いちむし』アクアコーラル企画発行
 『学研生物図鑑』本間三郎編、株式会社学習研究社発行
 『昆虫の図鑑 採集と標本の作り方』福田春夫、他著、株式会社南方新社社発行


マダラアシナガヤセバエ

2014年10月03日 | 動物:昆虫-双翅目(ハエ他)

 手を摺る足を摺る

 「やれ打つな ハエが手を摺る 足を摺る」は確か、小林一茶の句だと覚えている。その辺のハエが手を摺ろうが脚を摺ろうが、一茶には遥かに及ばない感性の持ち主である私は何も感じず、もしも邪魔であればハエ叩きで叩き潰すであろう。
  ではあるが、年取って少し憐れを理解できるようになってからは、ハエを叩き潰すこともなくなった。少なくとも畑では、彼らはそう悪さをしない。悪さをしないのに殺されては理不尽というもの。もちろん、悪さをする蚊は躊躇なく叩き潰している。

 今回紹介するマダラアシナガヤセバエは、私の畑には多く生息していて、しかも、人を恐れず、小屋前のテーブルによくやってくるのでほぼ毎日会っている。
 彼らは、私のすぐ目の前で手を摺り足を摺りしている。その様子は、なかなか可愛く、 叩き潰す気は微塵も起きない。悪さをすることも無いようだ。
 今週、別項で紹介しているチャバネヒメクロバエに比べると、マダラアシナガヤセバエはテーゲー(大概:だいたいといった意)性質の私でも覚えやすい見た目をしている。体長10ミリ内外と文献にあったが、脚がとても長いのでもっと大きく見える。
 その長い手の先が白い。ハエ如きに飛躍する想像だと思われるかもしれないが、白い手袋を嵌めた貴婦人のようにも見える。貴婦人に私は知合いがいない、全く無縁だが、もしも貴婦人が手を合わせ「お願い、私を抱いて」と言われたなら、私はもちろん、躊躇なく首を大きく縦に振る。100回くらいは「うん、うん、うん・・・」するはず。

 
 マダラアシナガヤセバエ(斑脚長痩蝿):双翅目の昆虫
 ナガズヤセバエ科 沖縄島、八重山諸島に分布 方言名:不詳
 名前の由来は『沖縄昆虫野外観察図鑑』に「体長よりも脚が長いハエである。種名は不明であるが、腹部や脚の斑紋に特徴があり、それにより和名を与えた」とあり、同書の著者(複数)による新称のようである。「腹部や脚の斑紋」からマダラ、「体長よりも脚が長い」からアシナガということ。ヤセは体が細いことからであろう。
 同書に「写真のように交尾時の前脚の位置は特徴的である」とあり、交尾時の写真が紹介されているが、雄は手の平を合わせるようにして雌の後頭部に前脚を置いている。私の写真でもその癖は見られる。前脚だけでなく後脚もこすったりする。
 体長は10ミリ内外、出現は3月から11月。『沖縄昆虫野外観察図鑑』によると「何を食べているかなどは不明のようである」が、私の畑では木の葉上の鳥の糞に集まっていた。私の畑では私の目によく止まる。多くいるのか、または、人懐こい数匹がいる。
 
 横から

 記:2014.9.25 ガジ丸 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行
 『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行
 『いちむし』アクアコーラル企画発行
 『学研生物図鑑』本間三郎編、株式会社学習研究社発行
 『昆虫の図鑑 採集と標本の作り方』福田春夫、他著、株式会社南方新社社発行