ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

雑味の旨さ

2014年08月01日 | 通信-社会・生活

 もう15年以上も前から、私は白糖を買っていない。甥の嫁から貰ったどこぞのお土産のハローキティーだったか何かの袋入り白糖があったが、料理に使う砂糖は粉の黒糖であり、コーヒーや紅茶に砂糖を使うことは高校生の頃から無い。
 もう10年以上も前から、私は白米も買っていない。白米を辞め玄米を食っていた。数年前からはイモを主食に加えている。イモを主食にしているということを聞いて哀れに思ったか、叔父や従姉から3年前の夏以降、お中元やお歳暮に白米を頂くことが増えて、その頃から玄米食が無くなった。貧乏になったので白米でもあれば食わなきゃならない。少しずつ消費はしているが、まだ部屋の中に12、3キロの白米が残っている。
 学生の頃、東京に住んでいて、その間を除けば、私は専売公社(なるものが昔あった)が販売する精製塩なるものを買った記憶が無い。私が料理に使う塩は島マースと呼ばれる沖縄産の塩である。島マースは昔からあったと思うが、塩の専売がなくなって製造販売が自由化された1997年以降は、いろんな塩が、美味しそうな塩が出てきた。沖縄産の美味しそうな塩も多くあって、いろいろ楽しめるようになった。

 7月18日付のガジ丸通信『テキトーな科学』で、「塩は体に必要な物、精製塩は良くないが、海水から採れた塩は血圧を上げるものでは無い」について、それは確かかどうかを調べるため友人のIさんからそれに関する本を借りて読んだ。その本を信じればそれは確かであった。私の体の感覚が正しかったと証明された。
 白糖より黒糖、白米より玄米、精製塩より自然塩が体に良いと常々思っているが、それについて先日、近所の先輩農夫Nさんに話したら、「それらは3白と呼ばれ、日本人の体を悪くしたものと言われている」ということを教えられた。私が何となく感じていたことは世間でもよく知られていることのようであった。世間の噂がラジオや新聞などから私の耳に入り、それを何となく信じ、で、私の体が3白嫌いになったのであろう。
  であるかもしれないが、私は「体に良いから」という理由だけで白糖より黒糖、白米より玄米、精製塩より自然塩を選んでいるわけではない。黒糖や玄米や自然塩には苦味とかいった雑味が含まれている。その雑味を、私は旨いと感じている。
          

 前に住んでいたアパートは首里石嶺にあり、その近くに私好みのパンを置いてあるパン屋さんがあって、時々通っていた。私好みのパンはライ麦パン、硬いパン。そのパン屋のレシートには「ハード系」と書かれてあるパン。それが食いたくて、今でもたまに(2ヶ月に1回くらい)買いに行っている。そのパン、ワインの肴として最高。
  ライ麦パン、硬めであることも私好みであるが、何よりも食べて美味しい。玄米と同じようによく噛む必要があるが、玄米と同じく、よく噛むことを私はちっとも苦痛に感じないし、玄米と同じく、噛むほどに味が出てきて、旨さが口に広がる。
 この冬、私は日本酒を自作した。叔父からお歳暮かお中元に頂いた白米を使った。できた酒は、色が市販のほとんどの日本酒のような透明ではなく、少し黄色がかっていた。そして私の日本酒には雑味があった。私はそれを「旨い」と感じた。その後しばらくして、私が作ったのと同じく、米を削らずに作った日本酒をある自然食品店で見つけ購入した。飲むと、それは私の酒と同じ味がし、旨かった。「雑味の旨さ」だと思った。
          

 記:2014.8.1 島乃ガジ丸


アオムネスジタマムシ

2014年08月01日 | 動物:昆虫-甲虫目

 梅雨時の客

  6月になって、それまで毎日のように顔を見せていたウルマクロハムシダマシがいなくなり、老眼の目にも見える虫という範疇で、私の畑にいる数としてトップ3であったハイイロクチブトゾウムシ、オキナワイモサルハムシ、ツツサルハムシの数が少なくなり、6月下旬になると3種ともいなくなった。彼らは雨が嫌いなのかもしれない。
 雨が好きかどうかは知らないが、5月の下旬から6月にかけてちょくちょく顔を見せに来た虫がいる。アオムネスジタマムシ。体長20ミリ以上あり、金色をしているのでよく目立つ。人をあまり恐れないのか、私が座って いる畑小屋の周りにもやってくる。やってきて、あまり動かないので写真も撮りやすい。

 6月下旬、梅雨が明けるとセミの季節だ。アブラゼミが大合唱をし、7月になるとクマゼミがそれよりもさらに大きな声で大合唱をする。「煩せぇ奴らだ」と、私と同じように静かであることを好むのかどうか知らないが、アオムネスジタマムシは6月上旬に顔を見せて以来、私の畑にやってこない。避暑にでも行っているのだろうか?

 
 アオムネスジタマムシ(青胸筋玉虫):甲虫目の昆虫
 タマムシ科 奄美諸島以南、琉球列島、台湾、フィリピンなどに分布 方言名:不詳
 名前の由来は資料が無く不明。タマムシは広辞苑にあり、玉虫、または吉丁虫と漢字表記され「タマムシ科の甲虫の総称。また、その一種」とあり、その一種は「(体は)金属光沢のある金緑色で・・・美しい」とのこと。玉には「美しいもの」(広辞苑)という意があるのでタマムシという名前が付けられたのだと思われる。
 素人には昆虫のどこが胸で、どこが背中なんだか良く判らないが、本種は青い胸で、背中に筋(縦線)が入っていることからアオムネスジとつく。下品な私は筋をつい音読みしたくなってしまう。青い胸をしたキンタマ虫というものを想像してしまう。
 体長20~30ミリ内外。成虫の出現は6月~8月。寄主はモモタマナ。海岸近くの防風林に多いとのこと。私が最初に見たのは海岸から3、4キロメートルは離れた場所、私の畑なっぴばるも海岸から5、6キロメートルは離れている。
 
 横から

 記:ガジ丸 2006.11.28 →沖縄の動物目次
 2014.7.28訂正加筆

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行
 『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行
 『日本の甲虫』(株)北隆館発行