ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

受け継がれる土着音楽

2011年07月01日 | 通信-音楽・映画

 先週久々にサンシン(三味線)を触った。久々、今年になってからは初めてではないだろうか。去年も、それ以前の数年間もそう触っていなかったせいで、サンシンを持って、構えて、以前は弾けた曲を弾こうとしたが、ほとんど覚えていなかった。
 そこでクンクンシー(工工四:琉球民謡のサンシンの楽譜)を出す。楽譜を見ながらなら何とか思い出せるだろう、と思ったが、工工四も読めなくなっていた。
  工工四は、サンシンの指で押さえる個所を(抑えない解放弦の場合も)記号で書いてある。合、乙、老、四、上、中、尺、工、五、六、七などといったもの。大雑把に言うと、合は第一弦の解放、中は第二弦の中指が当たる辺り、六は第三弦の薬指が当たる辺り、などとなっている。これを覚えていないと押さえる場所が判らない。
 『安里屋ユンタ』は音をしっかり記憶しており、私が知っている民謡の中でも弾きやすいものだ。で、押さえ場所を思い出し思い出ししながら弾く。それを練習する。1時間ほど練習を続けるとだいたい音が出せるようになった。「音が出せる」であり、「弾ける」にはまだほど遠い。音程もリズムも全然安定しない。前途多難を感じる。
 翌日も1時間ほど練習する。他の曲、『上り口説』、『国頭ジントーヨー節』なども弾いてみる。それらも「弾ける」にはほど遠い。しかし、そんな中。今年の目標を決めた。年内に『ヒヤミカチ節』が弾けるようになること。山は高いが・・・。

 先週土曜日、琉球古典音楽演奏会を聴きに行った。以前から古典音楽に興味を持ってはいたが、なかなか生の演奏会を体験する機会を得なかった。これが私の、琉球古典音楽を生で聴く初体験となった。レコード(今はCDだが)やテレビラジオなどで聴き覚えのある曲が演奏された。しかし、生で聴く音はそれらとは異なっていた。リズムの変化や重なり合う音に「あっ!」と驚くことが何度かあった。レコードやテレビラジオで流れるのをボンヤリ聴いている限りでは気付かないことだったのかもしれない。
 「あっ!」と驚くことの他に、「ほう」と感心することもあった。観客の中に2、30人の若い人がいた。演奏者の中にも20代30代の若い人が10人以上はいた。聴くのも演じるのも年配の人がほとんどだろうと思っていたので、少し嬉しくなった。
 じつは、その演奏会に誘ってくれたのは東京から来たMAさん。前日が初対面の、倭人でありながら琉球民謡の唄三線の先生をしている女性。彼女によると、東京でも倭人でも沖縄民謡はまあまあ人気あるとのこと。これもちょっと嬉しい話だった。

 梅雨明けと同時に農夫は早起きしている。目覚ましを4時半にセットして、5時前には起きて、飯食って、雲子して、歯を磨き顔を洗って、遅くとも6時半までには畑に着く。畑に着くまでの20~25分の間、ラジオを聴いている。その時間は『あかちち(暁)でーびる』という番組をやっている。ウチナーグチ(沖縄口)がよく出て、流れる音楽は琉球民謡。午後3時になると『民謡でちゅううがなびら』を聴いている。また、終末のお昼後からは『民謡の花束』を聴いている。いずれも民謡番組だ。
 『暁でーびる』も『民謡の花束』もリスナーからの便り、リクエストなど紹介しているが、それらを聞くと、若い人のリスナーも多い。いやいや、なかなかもって、沖縄の土着音楽は若い人に受け継がれているようである。沖縄万歳!と叫びたくなる。
          

 記:2008.7.1