ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

ハシビロガモ

2011年06月17日 | 動物:鳥

 似たものがいないカモ

 首里城の施設の一つ、龍癉へ行くと水鳥を多く見ることができる。その多くはバリケンという種類。しかし、中には「カモかも」と思われるものもいる。確信が持てないのは、マガモに似たカルガモ、アイガモがいて、その区別が、違いの判らないオジサンには判らないからだ。味が同じであればどっちでもいいやと、オジサンは思っているし。
 沖縄市に県立の沖縄総合運動公園があり、そこにも池があって、水鳥が、龍癉ほど多くは無いが、泳いでいる。そこの水鳥たちには、たまたまそういう時期だったのか知らないが、龍癉では見かけないものもいた。バン、オオバン、アオクビアヒルがいた。その他にもう一種、名前の知らないものもいた。彼らはしかも、人慣れしているのか、池のほとりに立っていると近寄って来た。バンなんて、警戒心が強い鳥だと思っていたが、その池のバンは近寄ってきた。バンだけでなく、オオバンもアオクビアヒルも近寄ってきた。なわけで、いずれも近いところからじっくりと写真を撮ることができた。

  龍癉では見かけない名前の知らないもう一種もちゃんと写真が撮れていて、後日、図鑑で調べ、何者かが判明した。それはハシビロガモ。マガモとは見た目違っていたので、「カモかも」とは思わなかったのだが、それもまた、カモの仲間だった。
 「それはハシビロガモ」と確信が持てたのは、図鑑に載っている鳥に、他に似たようなものがいなかったからだ。似たものがいない、というのは、それが何者か調べる際に素人にはたいへん助かる。動物も植物も含め似たようなものは多くあって、これまで撮った写真の中には、「・・・かも」と思いつつ、確信の持てないものは山ほどある。

 
 ハシビロガモ(嘴広鴨)
 カモ目カモ科の野鳥 北半球に広く分布 方言名:不詳
 名前の由来は説明するまでもないと思ってか、どの文献にも書かれていない。説明するまでもないその由来は、「カモの仲間で、くちばしが広いから」で間違いなかろう。
 全長、雄51センチ、雌43.5センチの中型のカモ。名前の通り、カモの仲間の中ではくちばしが幅広く大きいのが特徴。マガモもそうだが、雌は地味で、雄は派手な体模様をしている。本種の雌は全体が褐色で地味だが、雄は頭は緑を帯び、胸は白、腹は赤褐色、上下の尾筒は黒味がかり白線が走っている。雌の嘴は黄褐色で、雄の嘴は黒い。
 「県内には、冬季に渡来し・・・数は少ない」とあって、そう簡単には見られないようだ。湖沼、海岸、河川などに生息するとのこと。
 鳴き声は『沖縄の野鳥』に「クェッ、クェッと続けて鳴く」とあった。北半球に広く分布し、本州以南に冬鳥として渡来、沖縄には11~2月に滞在。

 記:2011.4.23 ガジ丸 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野鳥』沖縄野鳥研究会編、(株)新報出版発行


自給自足の険しい道:飲食編

2011年06月17日 | 通信-社会・生活

 甘藷(サツマイモのこと、琉球から薩摩が奪ったのに何でサツマなんだと腑に落ちないので、私はサツマイモという名を使いたくない)さえあれば、食は概ね足りる。栄養分で足りないのは塩と蛋白質だけらしい。塩は海から採れる。蛋白質は、将来は魚釣りも念頭にあるが、当分は豆から採る。そのつもりで、私の畑にはウズラマメ、インゲンマメ、ラッカセイ、エダマメなどの豆類をその季節季節に植えている。
 芋だって、甘藷だけでは無い。ヤマイモも植えてあり、先日キャッサバ(タピオカが採れる)も植えた。さらにはタイモやサトイモなども植える予定でいる。それらの芋で、とりあえず腹を満たす。「腹を満たす」というのは気分の問題では無く、1日生きて行けるだけのエネルギーを摂取するという意味。余分には食わない。

 数年前から流行り出した地産地消、何で流行ったのかはっきり覚えていないが、地元のものを地元で消費すれば運搬する必要が無い、よって、ガソリンの節約になる、といったエコ運動の一つだったのではないか。地産地消は広辞苑にも載っているちゃんとした日本語。自産自消という言葉を時々私は使っているが、これは広辞苑に無い。たぶん流行ったことも無いし、昔からある言葉でも無い。「自分で生産したものを自分で消費すること」という意味。自給自足よりずっとハードルの低い言葉。ちなみに自給自足とは「自らの需要を自らの生産で満たすこと」(広辞苑)だが、自産自消は需要を満たさない。

  私は今、自産自消をしているが自給自足には至っていない。満たしていないものはたくさんある。ここに列挙するとページが埋まってしまうほどある。ので、満たしている方のものを挙げると甘藷とネギくらい。ネギも種は購入しているので厳密に言えば、自給自足できているいるのは甘藷だけとなる。去年から甘藷は他所で購入していない。
 しかしながら、「芋だけで生きていこうと思えば生きていけないことはない」かもしれないが、芋だけで生きていくのはきっと楽しくない。エダマメでビールを飲みたいし、焼きナスで日本酒を飲みたいし、冷えたトマトを齧りながらワインも飲みたい。
 ゴーヤーは天ぷらにしたい、ナーベーラー(ヘチマ)は味噌煮にしたい、キャベツはコールスローにしたい、トウモロコシはバター焼きにしたい、オクラはフライにしてケチャップをつけて食いたい、などなど、楽しく生きるためには甘藷以外の野菜も、ケチャップやマヨネーズ、味噌などの調味料も、ビールやワインなどの飲み物も必要。
          

  前回、生活の自給自足は難しいと書いたが、自分では作れない、あるいは作るのに手間と時間がかかるものが数多くあって、飲食に限っても自給自足は難しい。たとえ「味噌醤油なんて要らねぇ、塩だけでいい。酒は芋焼酎を自産する。芋と豆と野菜と芋焼酎だけで楽しく生きてやる」となっても、食料の自給自足にはなお障害が残っている。
 作物の出来不出来は自然環境に左右される。先だって沖縄島を襲った台風2号は久々の本格派で、豆もトウモロコシもピーマンもナスもオクラもトマトもやられた。甘藷は台風の被害を受けなかったが、いつも害虫にやられ、台風後は特にひどくやられている。他の野菜にも害虫はつき、キャベツやレタス、インゲン、ヘチマなどがやられた。自分が食う分でさえままならないのだ。農業で生活することの難しさを知る。
          

 記:2011.6.17 島乃ガジ丸