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ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

オーハンブシーその2

2011年03月26日 | 飲食:食べ物(料理)

 鍋料理でも可

 季節変化に乏しい沖縄ではあるが、それでも、3月から5月の初めまでが春。その後、6月下旬まで梅雨。梅雨時はジメジメして涼しかったり、蒸し暑かったりと春とも夏とも言えない時期。梅雨明けから9月一杯までは夏。10月から12月中頃までが秋。それから2月一杯までが冬と、私は概ねそう感じている。
 この時期(12月上旬)は晩秋となる。もそろそろ冬支度をしようかという頃となる。先週末、土鍋を出し、今期初の鍋料理をする。魚貝と野菜の鍋は独り鍋。何かのコマーシャルに「淋しくは無い」なんて子供がつぶやくのがあるが、独りの子供はやはり淋しそうである。オジサンは違う。独り鍋も全然淋しくない。酒が友達。

 私の父は野菜嫌いで、サラダのような生野菜はほとんど食べない。であるが、父の大好きな野菜料理がある。オーハンブシーという沖縄料理。オーハというのは葉野菜のこと。おそらく青葉といった意味ではないかと思う。山東菜、大根葉、島菜(からし菜)など。ンブシーは料理名で、蒸し煮のようなもの。葉野菜の蒸し煮ということ。
 父の好きなオーハンブシーは、鍋に鰹のだし汁と脂身のついた豚肉を入れ煮る。十分煮立ったら、豆腐と一緒にたっぷりの葉野菜を入れる。「たっぷり」は、これでもかと思うほどに「たっぷり」で、鍋は葉っぱで埋まる。実際は煮ているのだが、見た目で蒸している感じになる。豚肉を入れずに、アンダカシー(豚ばら肉からラードを採った残りかす)を入れる場合もある。味付けは味噌。具が非常にたっぷりの味噌汁みたいになる。

  オーハンブシーは私も今は好きで、鍋料理の際はたいてい作っている。鍋に水を入れ、昆布だしをとり、魚貝と白菜、白ネギ、豆腐を入れ、味はつけずポン酢で食う。これを食い終わった後、まあ、2、3日後のことになるが、鍋はいろいろに変化する。おでんの具材をを入れ、おでんの味付けにしたり、鶏肉や豚肉を入れ、醤油や味噌で味付けして、鳥鍋、または寄せ鍋風にしたりする。さらに、これを食い終わった後、これもまた、2、3日後のことになるが、そうやって、いろんな具材で味クーター(出汁が濃いという意味のウチナーグチ)になったところで、たっぷりの葉野菜を入れる。これが私のオーハンブシーとなる。塩味、醤油味、味噌味とその時々で変わるが、いずれにしても美味い。
 

 記:ガジ丸 2006.12.5 →沖縄の飲食目次

 参考文献
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行


2011年03月26日 | 飲食:食べ物(材料)

 古古古米のせいで

 翌朝のご飯は前の晩に米を研いで、タイマーをセットしている。2006年10月29日の夜、いつものようにそうしようとしたら、部屋に米が無い。
 私は特にご飯好きというわけでも無い(米を加工して液体状にした香り高きものは大好き)ので、米が無くても困るということは無いのだが、その日は既に納豆、糠漬け、チリメンジャコ、豆腐などといったご飯に合うものばかりを買っていた。じつは、買い物するちょっと前までは、米が切れているということは頭にあり、買わなければと思っていた。買い物している間に忘れてしまったのであった。
 
 その2ヶ月前にトウサン米5キログラム入りを実家から貰った。トウサン米といっても潰れた会社の倒産米では無い。父ちゃんが好きな父さん米でも無い。島産米のこと。普通は、島米(しまぐみ)と呼ぶ。で、この2ヶ月間、いつもの玄米は消えていた。明日からは久々の玄米だと思っていたのに、忘れた。・・・衰えた脳である。
 愛用の玄米はちょっと離れたスーパーにしか置いていない。で、致し方なく、近くのスーパーで白米2キログラムを買う。5キロを消費するのにほぼ2ヶ月を費やしたので、さらに4週間近くは白米食 となる。しかしながら、白米といっても私の場合、ただの白米とはならない。私の父は白米大好きで、お中元お歳暮などで頂く白米以外の穀物を食べないので、それらのほとんどは私のものとなる。玄米、黒米、五穀米などが私の元にくる。よって、このところ私は白米となっているが、多くはその中に黒米が入っている。

 私がさほどご飯好きでは無い、というのには訳がある。子供の頃からずーっと食べていた米が美味しい米では無かったのである。今でもあるのかどうか知らないが、我が家では流通米というものを食 べていた。流通米は良い匂いがしなかった。甘い味もしなかった。それはたぶん新米では無く、古米、それも古が2つ3つ付く古米ではなかったか。
 大学進学で東京に出て、そこで初めて美味しいご飯を食べたことを覚えている。ご飯とは良い匂いがするのであるか、甘いものであるのかと初めて感じた。
 家で食べる古古古米でも、美味しいものがあった。私がごく小さい子供の頃は炊飯器では無く、羽釜でご飯を炊いていた。炊飯器を購入した後でも、祖母はたまに羽釜でご飯を炊いてくれた。羽釜で炊いたご飯の”おこげ”が私は好きだった。

 ※羽釜とは「周囲に鍔(羽という)のついた炊飯用の釜。」(広辞苑)のこと。
 
 
 
 

 記:ガジ丸 2006.11.19 →沖縄の飲食目次