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ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

洋酒

2011年03月26日 | 飲食:飲物・嗜好品

 部屋の洋酒たち

 先方は私のことをちょっと親切な足短かオジサンとしか思っていないかもしれないが、私は彼女のことを親しい友達と思っている22歳の可愛いAが、今年の正月、我が家へやってきた。正月二日の夕方のこと。
 Aはただいまバーテン修行中。将来は自分の店を持ちたいとのことで頑張っている。そんな彼女に私が持っている美味しい酒を味見させてやろうと思って招待した。若い美女を一人、部屋の中に入れるのは危険かもしれないと思い、彼女の母親もついでに招待した。

  私の部屋には酒がいっぱいある。Aが来た時点で、日本酒が1升瓶1本と別種のものが少々、泡盛が3種、焼酎が2種、ワインが10本、ブランデーが2種、スコッチウィスキーが3種、バーボンが1種、そして、シェリー酒がある。シェリー酒以外のものはたいてい常備してある。シェリー酒は、ジン、ラム、ウォッカなどと代わる代わるに時々置いてある。その他、自作のシークヮーサー酒、アロエ酒なども常備している。
 それらたくさんある酒の中から、今回はワイン1種と洋酒6種をAに味見させた。「バーテン修行は酒の味を知るところから」と足短かオジサンは思ったのである。

 ブランデーの1種はレミーマルタンのXO。これは値段が高いだけあってさすがに美味い。Aも、その母親のKも「美味しい、甘い、まろやか」という感想。もう1種は、私も飲んだことが無い、今回口切したMENUET(ムニュと読むのだろうか)という名前のコニャック。知人のKさんが「とても美味しい」といって譲ってくれたもの。美味い酒である。AとKはでも、レミーの方が好みとのこと。甘さが、レミーの方が勝っている。
 スコッチウィスキーはバレンタインの12年と、同じくバレンタインだが、それのずっと格上である30年。そして、残りの1種は酒屋ではあまり見かけない酒、ずいぶん前にアメリカ旅行の帰りの機内で購入したもの。GLENDRONACHという名前。これは私のお気に入りなのだが、もう手に入れることができない。よって、ちびりちびり飲んでいる。ちびりちびりで長年経過して、今はもうほんの少ししか残っていない。
 バレンタインの30年は、レミーマルタンのXO同様、値段が高い。レミーより高いかもしれない。アメリカで買って3万円ほど(レミーは貰い物なので不明)した。3万円もすりゃあ、もう美味いに決まっている。Aも肯く。バレンタインの12年はそう高いものでは無い。それなりの味。30年を飲んだ後なので、Aは「酒の味だ」という感想。
 シェリーはティオペペという銘柄のものであるが、これには二人とも口をちょっと付けただけ。まあ、他の酒に比べれば「美味しい」とは遠く離れている。私もシェリーはほとんど飲まない。これは主に料理に使っている。
      
  A嬢のバーテン修行の一環である「酒の味を知る会」であったが、やはり、22歳という若さではまだ、「酒が旨い」と思うまでには道は遠いようであった。「私、向いていないかもしれない」と、却って自信を失くしてしまいそうな感じとなった。いやいや、まだ初めの1歩なのである。最初から「酒が解る」なんてことは無いのである。サントリーレッドやトリス、ホワイトニッカやサントリーホワイトなども飲んで、いろいろな酒の味を舌に経験させれば、そのうち、酒の味が解るというものである。少女よ、道は長い。
      
 記:ガジ丸 2007.1.3 →沖縄の飲食目次

 参考文献
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行


ワイン

2011年03月26日 | 飲食:飲物・嗜好品

 愛のワイン

 先方は私のことをちょっと親切な足短かオジサンとしか思っていないかもしれないが、私は彼女のことを親しい友達と思っている22歳の可愛いAが、今年の正月、我が家へやってきた。正月二日の夕方のこと。
 Aはただいまバーテン修行中。将来は自分の店を持ちたいとのことで頑張っている。そんな彼女に私が持っている美味しい酒を味見させてやろうと思って招待した。若い美女を一人、部屋の中に入れるのは危険かもしれないと思い、彼女の母親もついでに招待した。
  いや、オバサンを招待したのは、じつは、全くの”ついで”ということでは無い。Aに美味い酒を飲んでもらうということが第一ではあったが、私の部屋にある最も古いワインを、Aの母親であるKに飲んでもらうことも、もう一つの目的としてあった。
 私の部屋には常時、7~9本のワインがストックされている。台所の流し台の下に棚を設けて、そこにそれらのワインをストックしてある。日常用の安いワインが2~3本、料理に使い、たまには飲みもする白ワインが1本、ワインに合う旨い肴が手に入った時などに飲む2000~3000円クラスのワインが2~3本、そして今、姉からの貰い物であるとても(私にすれば)高いワインが2本、その棚に眠っている。
      
 現在、棚には9本のワインがあるが、棚以外の場所に1本、別のワインがあった。そのワインが私の部屋にある最も古いワインで、押入れの中に、古新聞でくるまれたまま長い間忘れられていたもの。22歳の可愛いAがバーテンになるということを聞いて、バーテンからソムリエを連想し、Aの母親のKが頭に浮かび、その昔、Kから貰ったワインが押入れにあることを思い出したのである。
 そのワインはポルトガルのもの。ラベルにはDAOと書かれてあり、それが品名であろうと想像できるが、どうもポルトガル語のようなので、他の文字は読めない。ただ、1985という数字があって、それが製造年であろうということは判る。作られてから21年ほど経っている。Aより1つだけ年下のワインということである。
  1985年に、まだ1歳のAを放ったらかしてKはヨーロッパ旅行へ出かけた。ワインはその時の私への土産である。実家から現在のアパートに引越しする際、持ってきて、押入れの奥にしまいこんで、すっかり忘れてしまったワイン。ワインを包んでいた新聞紙から、私が引っ越した日が判明した。1994年の12月30日。私は私でまた、引っ越したばかりの部屋を放ったらかして、翌日からアメリカ旅行へ出かけた。
      
 そんなこんなの思い出を思い出しながら、1985年のワインを飲む。Aは1杯だけ飲み、Kはグラスに半分を残した。「変な味がする」とのことであった。しかし、私にすれば、いつも飲んでいる安いワインよりは美味しいものであった。ただ、ワインというものは古ければ良いというものでは無いな、という感想を持った。21年の月日が経っていても、1000円か2000円で買えるチリワインとドッコイドッコイなのであった。
      
 記:ガジ丸 2007.1.3 →沖縄の飲食目次

 参考文献
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行


生ハムとモッツアレラ

2011年03月26日 | 飲食:飲物・嗜好品

 ワインの肴

 去年のボージョレヌーボーが美味しかったもんだから、今年も買った。11月17日のこと。飲んだのは19日。去年より200円ほど高かったのに、今年のものは良くなかった。荒い味がした。今年も出来は良いとニュースでやっていたのに、詐欺だと思った。
 いやいや、買った銘柄がたまたまそうだったのだと考え直し、2週間後の12月1日に別の銘柄、前のより100円安いものを買った。3日の夜に飲んだ。これもしかし、良くなかった。同じく荒い味がした。2度も騙されてしまった。

  ボージョレヌーボーについては去年、沖縄の飲食『ボージョレヌーボー』で紹介している。ワインは好き(他のアルコールも好きだが)なのでよく飲む。ヌーボーとは別に、私の部屋には常時7、8本のワインがストックされている。そういったことも含めワインの話もいずれはしようと思っているが、今回はその肴の方。

 嫌いな食べ物の少ない私は、酒の肴に困らない。日本酒だとあれやこれやあり、ウィスキーでもウォッカでも泡盛でも芋焼酎でもワインでもあれやこれやの肴を用意できる。日本酒には和食、ワインには洋食と概ね分けているが、和食も洋食もそれぞれにあれやこれやあるのである。よって、いつも決まってこれ、っていうものは無い。
 決まっているものは無いが、たびたび出てくる肴はいくつかある。それらは大好物であるとか、作り方が簡単だからなどという理由があって、たびたび出てくるのであるが、たとえば、日本酒の時の刺身や漬物などは大好物で作り方が簡単という2つの理由を併せ持っている。ワインの肴ではチーズとソーセージ、またはハムがそれに当たる。
  ワインの肴としてたびたび登場するものに、生ハムとモッツアレラチーズとトマトのサラダがある。トマトをスライスしてイタリアンドレッシングをかけ、モッツアレラチーズをスライスしてその上に乗せ、さらにその上に生ハムを乗せる。食べるときはトマトとチーズを生ハムで巻いて一緒に口に入れる。粒マスタード、またはカラシを少々つけることもある。これは、渋みのある赤ワインにはとても相性が良い。

 モッツアレラチーズを初めて食べたのは、今のアパートに移り住んでからだから10年ほど前である。癖の無いその味は、以来ずっと私の好物となっている。
 生ハムを初めて食べたのは、沖縄の飲食『メロン』の頁でも書いたが、高校生の時、従姉の結婚式の際の「生ハムオンザメロン」(正式名は知らない)である。その時の印象があまり良くなかったので、その後、生ハムは私の食卓に出てこなかった。これもまた、今のアパートに住み始めた10年位前から食べるようになった。確認はしていないが、おそらく、その頃から生ハムが普通にスーパーに並ぶようになったのかもしれない。生ハムのちょっと癖のある味がモッツアレラチーズと相性が良く、以来、好物となっている。
      
 生ハムは、普通のハムを作成する際に、火を通すことをしないものであろうということは想像できる。モッツアレラチーズについては、それがどういうものか知らないまま私は食べている。水に浸かって売られている。もちもちした食感がある。などといった特徴から、原材料そのものが普通のチーズと異なるのではないかと想像していた。例えば羊や山羊の乳とか。あるいは、馬の乳とか。・・・いうことで、今回調べてみた。

 モッツァレッラはイタリア語で、 Mozzarellaと表記する。イタリアのチーズである。原料は、元々は水牛の乳らしいが、牛の乳でも作るらしい。ということは、普通のチーズと原料は一緒ということになる。製法が違うとのこと。ついでに、
 生ハム
 塩漬にした豚のもも肉を乾燥させながら熟成させた、加熱していないハム。

 ボージョレ・ヌーボー(Beaujolais nouveau)
 フランス・ボージョレ地方の当年産の赤ワイン、とのこと。
      
 記:ガジ丸 2006.12.15 →沖縄の飲食目次

 参考文献
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行


チマグー

2011年03月26日 | 飲食:食べ物(材料)

 蹄の料理

 チマグーとはウチナーグチ(沖縄口)であるが、チマグーと聞いて、それが食べ物であるということを、ウチナーンチュでも、若い人には知らない人が多いかもしれない。
 チマグを沖縄語辞典でみると、「蹄(ひづめ)」とある。ただそれだけである。おそらく、つまり、牛、馬などの蹄のことである。「牛、馬などの蹄」と書いたが、牛の蹄と馬の蹄は違う。牛はウシ目で、その中にはウシ科、シカ科、カバ科、キリン科、そして、来年の干支であるイノシシ科などが含まれる。馬はウマ目で、ウマ科、サイ科、バク科が含まれている。ウシ目は偶蹄類で、ウマ目は奇蹄類となっている。

 ウチナーンチュは、ウシ目イノシシ科イノシシを家畜化したと言われている豚のチマグーを食べる。「豚の蹄を食う?」のでは無い。チマグー(友人のE子(首里生まれ)はチマグと発音するが、私の両親はチマグーと語尾を伸ばす)は、沖縄語辞典に記載は無いけれど、豚の足のことも指す。脚では無く足。人間で言うと足首から先の部分。ということで、チマグーには蹄も含まれるのであるが、蹄の部分はきっと堅くて食えない。スーパーでもたいてい蹄は除かれて売られている。蹄は除かれているが、よく絵に描く豚の手のような形をしているのはその骨から想像できる。指を二つにした形。
 食に偏見を持つ方々は、そんな形を見て、気持ち悪いと感じるかもしれないが、しかしながら、豚のチマグーは、ちゃんと料理すればとても美味しいものである。

  有名な沖縄料理で、食堂などでよく見る足ティビチは、豚の足の料理である。この場合の足は、概ね(4本の)脚の部分を言っている。脚全部なのでチマグーを含んでいることが多い。ふくらはぎの部分は肉が多く、それが足先に向かうにつれて肉より骨の占める割合が多くなる。チマグーはよって、骨の占める割合が多い。なので、足ティビチにはチマグーを含めない場合もある。ということで、スーパーにはチマグーだけをパックにしたものも売られている。チマグーは豚の足の中でもちょっとは特別な存在なのである。
 豚の足(チマグーを含めて)は汁物、煮付、おでんなどの料理に使われるが、足ティビチというと概ね汁物(ティビチ汁、またはテビチ汁という)の事を指し、それにはチマグーの占める割合は少ない。煮付やおでんになると断然チマグーの方が多くなる。チマグーは煮込むほどに美味しいのである。骨と皮の間に赤肉と脂身が少しあって、それらがトロっとしている。ほとんどがゼラチンといっていい。骨の髄もまた美味しい。 
 
 
 
 
 
 

 記:ガジ丸 2006.12.13 →沖縄の飲食目次

 参考文献
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行


ラフテー

2011年03月26日 | 飲食:食べ物(料理)

 沖縄が好きになる味

 沖縄の味というと、ゴーヤーチャンプルー、沖縄ソバ、ミミガー、ソーキ汁などが一般的には思い浮かぶのであろうか。私は、沖縄の味に「美味しい」と形容詞をつけた場合には先ず、ラフテーが浮かぶ。ラフテーを初めて食べたのは子供の頃だと思うが、その頃の記憶はあまり無い。「あー、こんなに美味しい沖縄料理があったのか」と感激したのは、高校生の頃、親戚のキヨおばさんが作ったラフテーを食べた時である。

 キヨおばさんはウタサンシン(唄と三味線)の名手で、沖縄民謡界でちょっとは知られた人でもあったが、料理も上手であった。ある日、伯母(キヨさんの従妹)の家で、
 「鍋にラフテーがあるから切って食べなさい。」と言われ、鍋を覗くと、豚三枚肉(赤身と脂身と皮のついた肉)の塊(サーロインステーキの大きさで、厚みが8センチほど)があった。見た目でトロっとしているのが判った。
 「包丁は要らないからねー、箸で切れるからねー」と伯母の声。その通り箸で簡単に切れる。それどころか、上手く掬わないと脂身の方は箸から落ちてしまうほどトロトロ。そして、その味がまた絶品だったのである。
 「すごく美味しいね。伯母さんが作ったの?」と訊くと、
 「キヨが作ったものさー。キヨのラフテーは昔から評判だったよー。」とのこと。
 それまで、沖縄料理にたいしたものは無かろうと思っていた私は、キヨおばさんのラフテーで考えを改めた。ちょっと大げさに言うと、それまで沖縄の民俗文化にさえいくらか卑下した気分を持っていたのだが、あのラフテーで我が生まれ島沖縄が誇らしいものに思え、沖縄に深く興味を持ち、沖縄が大好きになったと言ってもいい。

 ラフテーは、
 豚肉を角切りにして、醤油、砂糖、泡盛で時間をかけて煮込んだ料理。
 長崎の角煮、中国の東坡肉(トンポーロー)と似ている。三枚肉が好まれる。
などと文献にある。また、「煮込むこと3時間」などと料理本には書かれている。「圧力鍋を使えば30分」などと書かれてある料理本もある。
 私の作るラフテーは、「豚肉を角切り」にはせず、キヨおばさんのもののように塊で煮込む。「煮込むこと3時間」では無く、浮いてきた脂を丁寧に掬いながら2時間ほど煮込む。そこで、日本酒、味醂、醤油、黒砂糖を加え、その日は終わる。翌日2時間煮込み、さらに3日目も2時間煮込んで、やっと出来上がりとなる。そうやって、肉の隅々にまで味が沁み込み、肉はトロトロになる。箸で掬えないほどとなる。
  自分で言うのもなんだが、私の作ったラフテーも十分美味しい。だが、これまで何度もラフテーは作っているが、あのキヨおばさんのラフテーにはならない。味が違う。もっとずっとまったりとしていて、深い味だったと記憶している。
 何年か前に、従姉と「キヨおばさんのラフテー」について話したことがある。従姉もまた、私が感激した同じ日に、同じラフテーを食べて感激していたのである。
 「何か隠し味みたいのがあるのかなあ」(私)
 「味噌が入っていたような気がするんだけど」(従姉)
ということで、何度か味噌を使ってラフテーを作ったこともあるが、あの味は出せなかった。私も作れていないが、従姉も作れていない。残念ながら、キヨおばさんは数年前に亡くなっており、何らかのヒントを知っていそうな伯母も今年亡くなった。
 

 記:ガジ丸 2006.12.9 →沖縄の飲食目次

 参考文献
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行