ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

進化した恐竜

2006年10月06日 | 通信-科学・空想

 先月、脳を研究しているという大学教授KRさんと会食した。日頃思っている脳に関することを、私は文章にまとめて、その日それを話題にした。 
 その中の一つ『脳の退化』は、「人間の脳は人類が誕生して以来進化していないのではないか?むしろ、体を動かさなくなった現代人の脳は昔の人に比べて退化しているのではないか?」ということ。自然を相手にして体を動かす、例えば猟をしていると、次の場面にどんなことが起こり得るかを想像する。自分以外の生き物の行動を命懸けで想像し、行動する。それが脳の力となる。その力を現代人の多くが失っているのではないか。指先だけで扱うゲームではその力はつかないのではないかということである。
 KRさんにその話をしたら、「運動不足で脳が退化するかどうかは判らないが、少なくとも自然淘汰しない人類はとっくの昔から退化している」とのことであった。

 コンピューターゲームは指を単純に動かすだけだが、狩猟の道具を作ったり、その道具をいろいろ工夫しながら使ったりすることは、あれこれ想像しながら手先を器用に動かすということである。その運動がまた、脳の発達に大きく寄与したのではないかとも私は考えた。それについては、「どうでしょうかね。」と、ちょっと疑問の答え。脳が十分に発達したからこそ、手を器用に動かせることができるようになったとも言えるとのこと。それでも私は、直立二足歩行するようになって、手が自由になって、道具を作り、それを使いこなして、そうやって人類はどんどん頭が良くなっていったに違いないという考えを捨てきれない。ロープを結び、解くという作業だけでも脳はエライ働きをしているのだ。

 KRさんによれば、人類が直立二足歩行になったきっかけは、森から草原へと生活の場が変わったからということであるが、それについても私は違う意見をもっている。手を使って作業をする機会が増えるにつれて、後ろ足だけで立って、移動することがラクチンであるということに人類が気付いたのだと考えている。

 「二足歩行は人類が最初ではないですよね。」とKRさんが言う。
 「あっ、そうか、恐竜がいましたね。すると、地球に隕石がぶつかることなく、あのまま恐竜が進化していったら、人類のような知能を持ったということですか。」
 「そういうことになりますね。」
 「ティラノザウルスはあんまり短くて、さほど役には立ちそうにない手ですが、小さい恐竜の中には腕が十分長いのもいたでしょうね。そいつらは突然変異や、自然淘汰を繰り返して、何万年もの間進化を続ければ、人間並みの知能を持ったでしょうね。」
 「手の器用さで知能が発達するかはともかく、そういうことになるでしょうね。」

  もしも、恐竜が生き残って進化していれば、隣の住人が恐竜人だったりする。彼らはみな筋肉質で、腕力が強い。戦えば人類は負ける。しかし、彼らは人類を襲わない。それどころか、彼らの多くが人間をパートナーにしている。寒い時期には人間と添い寝をし、体を温める。彼らは変温動物だからである。進化した恐竜は可愛い奴なのである。
          

 記:2006.10.6 ガジ丸