ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

手練の女優

2006年08月18日 | 通信-音楽・映画

 今月の模合(女房も文句を言えない飲み会)は先週の土曜日、12日にあった。模合はほぼ毎回場所が変わる。今回は、国際通りから少し入った久茂地にある居酒屋さん。
 国際通りへ行くならば、そのついでに桜坂劇場で映画を観ようと決め、桜坂劇場から送られてきたスケジュールの載っているパンフレットを手に取る。パンフレットは数ページあるが、その表紙に紹介されている映画を観ることにした。『かもめ食堂』。
 監督は荻上直子とあったが、私は知らない。原作は群ようこ、これは知っているが、ファンというわけではないのでその作品も1、2冊読んだくらい。主演は小林聡美、片桐はいり、もたいまさこの三人。私はテレビドラマをほとんど観ない。ここ10年で観たドラマは、NHKの『ちゅらさんパート2』、『ちゅらさんパート3』、明石家さんま主演の『さとうきび畑』くらいであろうか。そんな私なので、小林聡美、片桐はいり、もたいまさこの三人についての知識もほとんど持っていない。片桐はいりはその外見上の際立った特徴から、「あーこの人『笑っていいとも』のゲストに出ていた」とすぐに名前が浮かんだが、後の二人は、特に小林聡美については何も浮かばなかった。もちろん、女優であることは知っており、映画かテレビでその顔は何度か見ているとは思う。
 ”手練”とは「てだれ」と読み、「熟練して技芸などのすぐれていること。また、その人」(広辞苑)のことを言うが、小林聡美はまさに手練の女優。あとの二人も上手いと感じたが、この映画では小林聡美の魅力に、私はズンズンと引き込まれてしまった。『かもめ食堂』、不思議な空気でもって観客を飽きさせない。とても良い映画でした。

 話は続くようで、まったく変わる。私は、好きな女優はいくらでもいるが、嫌いな女優というのは少ない。少ないというか、今あの人この人思い出して考えてみても、誰も思いつかない。で、架空の話として、私は小林聡美が大嫌いということにしておこう。
 友人の部屋に入ると、小林聡美のポスターが何枚も貼ってある。彼は小林聡美の大ファンなのである。私はポスターだろうが、その顔を見るのも嫌である。ではあっても、友人に、「こんなポスター剥がしちまえ!」なんてことは言えない。個人の感性である。それは尊重しなければいけない。濃い墨総理が靖国参拝するのは彼の感性である。個人としての感性は、それが個人の立場であるならば、もちろん尊重されなければならない。他人がとやかく言うことでは無い。
 もしも私が、オウム真理教に大切な人を殺された人間としたならば、浅墓焼香を信奉する人間を好きになれない。付き合いたくないと思う。そんな人が身近にいたならば、文句の一つでも言いたくなるに違いない。そういう立場に立ったなら、中国や韓国の人が濃い墨総理靖国参拝を嫌う気持ちも理解できる。彼らの多くはそういう教育を受けてきたのである。そして、濃い墨には濃い墨の思惑があり、中国や韓国の政府には政府の戦略としての思惑もあるだろう。ではあるが・・・。
 お互いがお互いの感性を認めず、「参拝するのは俺の勝手だ」、「それを嫌うのは俺の勝手だ」などとやり合っていては、いつまでたっても仲良くできないがね。

  記:2006.8.18 ガジ丸