ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

足りないソフト

2006年05月04日 | 通信-社会・生活

 私のパソコンに必要なソフトは、ワープロ、表計算、CAD(製図)、インターネットブラウザ、メール、ウイルスチェック、写真加工、ホームページ作成などがある。これらのうち、インターネットブラウザ、メール、ウイルスチェックの3つはお膳立てされたもので、それらを使って何か創造的なことをしているわけではない。残りのソフトは仕事で使い、趣味でも使っている。これは、まあ、創造的なことをやったりしている。
 パソコンには他に、パソコンを管理するソフト、映像や音声のソフトなどがあらかじめ組み込まれていて、上記のソフトと共にパソコンに必要なソフトとして存在している。基本ソフトやシステム関連のソフトも含め、必要なソフトというのは50もあれば十分なのだと思う。私のパソコンにはその必要十分のソフトが組み込まれている。ちょっとトロいけれど、まあまあ良く働いてくれる。足りないソフトは今のところ無い。

 2、3日前だったか、集団で万引きする少年たちのニュースがテレビであった。「店員が気弱そうだったからやった」との犯行動機であった。幼児を投げ落としたり、子供の首を絞めたり、集団で浮浪者を殴り殺したりなどなど、自分より弱いものに対する少年たちの暴挙は、いったいどういう精神構造からくるのだろうか。彼らの心の中に、何か大切な、無くてはならないソフトが不足しているのではないだろうか。

 フジテレビで万引き少年団のニュースを観た同じ日だったか、TBSのニュース23では水俣病の特集をやっていた。
 ミナマタビョウが水俣病と書くこと、有機水銀中毒であること、悲惨な病気であること、有機水銀に汚染された魚介類を食べたために罹ったこと、有機水銀は工場から海に流されたこと、などを私は知っている。ところが、それらは水俣病の、目次のほんの一部にしか過ぎなかったのである。病気が発生してから60年余りが過ぎたというのに、患者たちの戦いは今なお続いているということなどを含め、番組で紹介された内容は、私の知らないことばかりであった。TBSの特集は夜遅い時間であったが、観た。
 対岸の火事的感覚で観ている暢気なウチナーンチュのオジサンではあるが、少なからず心を痛めた。心を痛め、憤りを感じた。憤りは国に対して。
 国が今もってその責任(水銀垂れ流しを放置した責任は当然、国にある)を認めていないということに驚く。当然、その責任を果たしていないということにも驚く。悪いことやっても、「いや、俺は知らねぇよ」と言っているみたいだ。この国の心にこそ何か、とても大切な「足りないソフト」があるのかもしれない。そんな国が、「子供の教育がどーのこーの」なんて言ったってさ、聴く耳持たねぇぜ、と少年たちは思うぜ、きっと。

 記:2006.5.4 ガジ丸