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ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

うっちん茶2

2015年10月09日 | 飲食:飲物・嗜好品

 うっちん茶については既に2013年2月12日に、『飲み物も自給を目指し』とサブタイトルを付けて紹介し、その記事の中で「お茶も買っているが、これも今月から自作している」、「(お茶の自作は)生活費を削減しなければならない、という貧乏からくる考えの一つ」などと書いているが、それから今日までの2年半、うっちん茶を自作したのはその時以来無い。老化した脳味噌はそのことをすっかり忘れていた。
 2年半も経ってうっちん茶作りを再開したのは「飲み物も自給しなきゃ」と思い出したからではない。ウコンは畑の果樹園の一角にあり、先日、果樹園を除草、整地している時に邪魔になっているウコンを4株ほど掘り採って、「これどうする?」と考えて、「そうだ、お茶にしよう」と閃いたから。家に帰ってパソコン作業(ガジ丸記事書きなど)している時、「うっちん茶、前に紹介したかも」と思い出して調べたら、紹介していた。

 前に紹介した「うっちん茶」の文の中に「根茎を薄くスライス、または刻み、それをそのまま煎じて飲むか、スライス、または刻んだものを乾燥させ、それを煎じて飲む」と書いてあって、その時は「刻んだものを乾燥させ」て作っている。なので、今回は「根茎を薄くスライス、または刻み、それをそのまま煎じて」みようと思い立った。
 前回の記事には自作うっちん茶を飲んだ感想が書かれていない。今、思い返してもどんな味だったか思い出せない。特に感想もなく、思い出せもしないということは、おそらく自作うっちん茶、市販のうっちん茶とほとんど変わらなかったものと思われる。

 今回はちゃんと感想を書こう。今回の「そのまま煎じ」たうっちん茶、煎じたものそのままは市販のものと比べて色が濃い。飲むと味も匂いも濃い。元々漢方薬のような「いかにも薬」みたいな味と匂いなので少々飲み辛い。それを水で薄めて飲んだらいくらか飲みやすくなって、市販のものと味も匂いもそう変わらないようになった。
 ウコンの味と匂いは独特で、私としてはちょっと苦手な部類に入る。これを日常の飲物にするについてはちょっと抵抗があるのだが、緑茶にしたって独特の味と匂いだ、うっちん茶も慣れてしまえば普通に飲めるようになるかもしれない。取り敢えず、当分の間は水をたっぷり加えて、ごく薄いうっちん茶にして利用しようと考えている。
 ちなみに、ウッチンはウコンの沖縄語読み。
      

     
     
     

 記:2015.10.5 ガジ丸 →沖縄の飲食目次


穀物酒-キャッサバ酒

2015年10月02日 | 飲食:飲物・嗜好品

 自給自足芋生活を目指している私は、基本の主食として芋(甘藷)を植えているが、その他、主食になりうる澱粉質としてサトイモ、キクイモ、キャッサバなども植えている。サトイモは小さくて主食とするには量が足りないが、美味いので酒の肴には最高。キクイモはさらに小さく、薬効はあるらしいが、これも主食とするには量が足りない。
 キャッサバは良い。蒸したり茹でたりして食えばまあまあ美味いし、澱粉を製粉すれば長持ちするし、それをタピオカとして食えばなお美味い。そして、挿し木で簡単に増え、1株からの収獲量も多い。芋(甘藷)の代わりの主食として十分成り立つ。
 そのキャッサバ、「1株からの収獲量も多い」と判ったのはつい最近のこと。西原の畑ナッピバルに十数株あり、過日、その1株を掘り採ってみたら思いの外、予想していた4倍位の収獲量があった。主食として食ったとして10食分は余裕の量であった。キャッサバは、宜野湾の畑ナツヤにはナッピバルのそれの倍以上の量がある。

 「過日、掘り採ったキャッサバの1株」は、主食の用途にするつもりで掘り採ったのではない。自家醸造果実酒グヮバ酒を作っている時に閃いた。「果実からも酒はできるが、米、芋などの澱粉質からも酒ができる。キャッサバ芋は澱粉の塊みたいなものだ、当然、酒の材になるはず、作ってみよう」と思い立って掘ってみたわけ。
 当初は、「4~5株掘れば1升の酒ができるかな」と予想していたのだが、1株掘り採ってみると、私が予想していた4~5株の量が1株で十分あった。
     
 掘り採ったその日(9月16日)に早速、酒造りにとりかかる。皮を剥いて、細かく切って、蒸して、潰す。潰している時、餅のように粘りがあることを知る。「澱粉質が豊富なんだ」と判断し、良い酒になるはずと期待が膨らむ。
 潰したキャッサバは良い香りもした。美味しそうな匂いだ、ちょっと食べてみた。微かに甘みもあって美味い。で、閃いた。フライパンに油を引き、潰したキャッサバをお好み焼きのように焼いてみた。焼きあがったものはそのまま美味しく、醤油をつけて美味しかった。「こういう食べ方もできる、主食として飽きないな」とほくそ笑む。
     
     
     
 潰したキャッサバ、そのまま水を加えてもアルコール発酵は期待できない。日本酒造りに使った米麹が少し残っていたので、十分冷めてから米麹を加え、混ぜる。
 麹菌は「アミラーゼを生産し澱粉を糖に変える」(広辞苑)でアルコール発酵はしてくれない。アルコール発酵は酵母菌だ、酵母菌は「アルコール発酵を営む」(広辞苑)で、パン作りに用いるイースト菌は酵母菌の一種。家にイースト菌はある。が、今回それは使わなかった。日本酒造りでもイースト菌は使っていない。部屋の中に酵母菌があると期待し、その期待通り日本酒造りは成功した。キャッサバ酒もそれと同じ期待をする。
     
     
     
     
 米麹を混ぜたキャッサバに約2リットルの水(水道水)を加え寝かす。2日後から沸々と泡が立ち始め、3日後には強いアルコール臭がするようになった。期待通り部屋の中に酵母菌が存在していたわけだ。5日後に搾って、その夜飲む。
 米麹の匂いも少しするが、ヨーグルトの匂いもする。乳酸菌発酵もしているようだ。なので、甘みもあるが酸味も強い。酒造りの参考書には確か、アルコール発酵の後に乳酸菌発酵が来るとあった。もう1日早く搾れば酸味は弱かったかもしれない。
 キャッサバ酒、少々残念な結果になったが、不味くは無いのでほぼ毎日飲んでいる。アルコールも入っているアミノ酸たっぷりの酢を飲んでいると思えば、健康には良いに違いない。キャッサバ、何はともあれ、酒になると判っただけでもめでたしめでたし。
     

 記:2015.9.29 ガジ丸 →沖縄の飲食目次


燻製

2015年09月25日 | 飲食:飲物・嗜好品

 残り少ない人生を貧乏なりに楽しんでやろうとあれこれ画策している。ホームページを作り、どうでもいいような話を毎週ブログしているのも楽しみの1つ。畑仕事も、肉体的にはとても疲れるのだが、作物の収穫は楽しみで、食べるのはもっと楽しみ。
 私は毎日の食事をほとんど自分で料理する。料理は高校生の頃からやっていて、自分で言うのも何だが、まあまあ上手。最近は煮物中心だが、中でも酒の肴は大得意。自分で作る肴が美味いものだから酒も美味い。毎日の晩酌が楽しくてしょうがない。

 酒の肴の楽しみをもっと増やすために今年の夏、燻製箱を作った。燻製箱はだいぶ前、25年ほども前に1度作って、何度か使っている。作った燻製が旨かったかどうかはよく覚えていない。茹で玉子を薫製にしたことをおぼろげに覚えている。
 「燻製とは何だ?」と改めて広辞苑で確認すると、「魚介・獣肉などを塩漬にし、ナラ・カシなどの樹脂の少ない木材の煙でいぶした食品。特有の香味があり、保存性が増す」とのこと。漢字表記は燻製の他に薫製ともあった。薫は「かおる」と読み「かおる」という意味だが「いぶす」という意味も持つ。燻は「いぶす」と読み、その通りの意味。
 「樹脂の少ない木材」というのはおそらくヤニが出ない→ヤニ臭くならないからであろう。「特有の香味」はナラやカシなどのチップに良い香りがあるのだろう。燻製チップと言えばサクラがすぐ浮かぶ。サクラのチップで思い出した。十数年前、その頃住んでいたアパートのサクラの枝が台風だったかでいくつも折れて、それを鉈でコツコツとチップにして、それを使ってダッチオーブンで燻製を作ったことがある。作った燻製が旨かったかどうかはよく覚えていない。茹で玉子を薫製にしたのはこの時だったかもしれない。

 近所の先輩農夫Nさんの情報によると、畑でものを燃やすと役場の人が来て、止めるよう注意されるそうだ。ダイオキシンがどうのこうのらしい。役場が休みの日は大丈夫ということなので、畑で枯れ木枯れ草などを燃やすのは日曜日と決めている。
 25年ぶりの燻製箱、完成したのは8月5日、9日の日曜日に試運転することにして前日には薫製用の桜チップ、燻製材料の鮭や鶏肉も購入し、鮭と鶏肉の下拵えも済ませ、準備万端整う。が、9日は雨(予報では曇りだったのに)となり、燻製作りは延期。準備した材料はフライパンで焼いてその夜の酒の肴となった。
 その後、日曜日は雨が続いて燻製作りはできず、9月に入って2週目の日曜(13日)になってやっと挑戦することができた。もしも失敗したら勿体無いと思い、先ずは試作として価格の安い鶏手羽元だけの燻製作りとした。結果は、燻製ができたかどうかという意味では成功。味も不味くは無い。が、燻製にした手羽元は硬かった。肉質が燻製に向かなかったのかもしれない。ササミが良かろうとこの時判断した。
     
     
     

 翌週20日に第二回目の挑戦。ほぼ成功すると自信があったので材料をたくさん準備する。鶏のササミ、豚レバー、豚三枚肉、サーモン、マグロ、アジ、イカ、タコ、変わり種として魚肉ソーセージ、ニンジン、豆腐の以上11種を購入し、鶏のササミ、豚レバー、豚三枚肉、サーモンにはコショウ、ニンニクパウダーを振りかけ、その他は何も振らずに塩を溶かした泡盛に漬け込む、ニンジンは塩を軽く振っただけ。1晩置く。
 燻す時、ダッチオーブンの蓋に載せていた桜チップに火が点くというミスもあったが、あれこれ試行錯誤して、2時間ほど燻して出来上がり。
 結果、豆腐、ソーセージ、ニンジンの3種は「燻製にしなくても良い」という評価。ササミ、サーモン、マグロは旨い、レバー、イカ、タコは火が通り過ぎのせいか硬かったけれど、味はすごく良い。豚三枚肉はほとんど脂の塊みたいなもので、燻すだけでは脂は落ちない様であった。焼いて脂を落として食った。不味くは無かったが硬かった。
 自作燻製、一応成功と言える。作ったその日から酒の肴になり、お昼の弁当にもなっている。酒の肴としては申し分ない。自家醸造のグヮバ酒のアテにし、最近完成した自家醸造のキャッサバ酒にもよく合う。次回は野菜をもう少し試してみたい。
     
     
     
     
     

 記:2015.9.16 ガジ丸 →沖縄の飲食目次


果実酒5

2015年09月11日 | 飲食:飲物・嗜好品

 8月中旬から畑のバンジロウ、またの名をグヮバが多く収穫でき、それを使って果実酒を作っている。9月になると1本だけあるキミノバンジロウ、またの名をストロベリーグヮバも収穫でき、それも使っている。第1回醸造グヮバ酒は約6合、第2回醸造グヮバ酒は約9合、第3回醸造グヮバ酒は約1升の出来上がりとなり、それぞれ瓶詰めされ、冷蔵庫に保管されている。クワ酒1本を含め、冷蔵庫が一杯になった。
 搾った日は第1回が8月22日、第2回が8月26日、第3回が9月1日。今この記事を書いているのは9月9日だが、8月23日に第1回を飲んでから今日までの18日間、休肝日とした8月24日以外は自家醸造グヮバ酒を毎日飲んでいる。飲まないと冷蔵庫に空きができない。そして、9月5日になってやっと2本分の空きができた。
 2本分の空きはしかし、すぐに埋まった。グヮバはなおも収穫でき、第4回醸造グヮバ酒を8月27日に仕込んで、9月3日に搾って、約8合のグヮバ酒ができていた。これが4合瓶2本分となり、冷蔵庫の空きを「まだかまだか」と待っていたのだ。

 第4回醸造グヮバ酒はこれまでの3回と大きく違う点があった。それまでのグヮバ酒にはアルコール発酵を助長する糖類、オリゴ糖やキビ糖を加えていた。それらは市販のもので、当然、お金が必要となる。第4回は材料が全て畑で採れるものを使った。
 水も加えているが、水は、私は飲み水も料理に使う水も水道水、貧乏ということもあって市販の水はほとんど使わない。ということで、水はいつものように水道水を使用。つまり、第4回醸造グヮバ酒は水道水の何円かを除けばお金を使っていないということ。
 私の理想とする自家醸造酒は猿酒、猿酒とは「猿が木のうろまたは岩石のくぼみなどに貯えておいた木の実が、自然に発酵して酒に似た味となったもの」(広辞苑)であるが、金を使わずに酒ができればそれに近いものとなる。
     
     

 第4回醸造グヮバ酒、試飲したのは9月5日、冷蔵庫に入れて数時間後のこと。これはしかし、期待外れだった。匂いが強過ぎるし、酸味も強過ぎた。搾ってから丸二日間室温で保存したことが発酵を進め、アルコールが酢に変化したからだと思われる。しかし、丸っきり酢というわけでは無い。不味くも無いので飲んでいる。
 第4回醸造グヮバ酒、不味くは無いが、過去3回の経験を活かし切れていないことを考慮すると失敗作と言える。残念・・・ではまだ無い。何と私は第4回を試飲する前から第5回醸造グヮバ酒を仕込んでいた。第5回は過去4回の経験を活かした。
 第5回醸造グヮバ酒は9月2日に仕込み、9月7日に絞って、約1升2合の出来上がりとなった。冷蔵庫内を整理して、その全てをすぐに冷蔵庫へ収め、その日に試飲。私もバカでは無いのだ、5回も経験すれば猿知恵も働く。第5回醸造グヮバ酒は成功。匂いも柔らかで、酸味も柔らか。金を使わない酒、猿酒に近い酒ができたと言っていい。
     
     
     
     

 猿酒といえば、メインのクワ酒。8月、クワの実がたっぷり収穫できた。猿酒の中核と位置付けているクワの実だ、もちろん酒にする。クワの実は一遍にたくさんの熟果が収穫できたのでは無く、2日に1回収穫して、2週間近く費やして出来上がり約1リットルの量を仕込んだ。最初に仕込んだのは第1回醸造グヮバ酒と同じ8月15日だが、2週間ほど継ぎ足し継ぎ足しして、その後数日寝かせて、絞ったのは29日。試飲は30日。
 クワの実酒、収穫した果実の半分は真黒に完熟していたが、半分はまだ赤味が少し残っていた。なので、糖分が不足かなと思ってキビ糖を少し足したが、その他は水もイースト菌も使っていない。私の理想とする猿酒に近い。キビ糖の代わりに第4回醸造グヮバ酒や第5回醸造グヮバ酒のように畑のサトウキビを搾った汁を使えば、これはもう、理想とする猿酒と言っていい。一遍に大量に収穫できればサトウキビも要らなくなる。
 さて、その味だが、濃い。味も匂いも濃過ぎる。残念・・・と一瞬思ったが、すぐに閃いた。「濃ければ薄めりゃあ良かろう」と。で水割りにする、いける。炭酸割りにする、これもいける。水割りにしたものは、その味も香りも口当たりも、私がいつも飲んでいる安物ワインと比べても全く遜色ない。酒として大合格と私は判断する。
     

 私の猿酒、ということで、未来に明るい光が灯っている。めでたしめでたし。というだけでは無い。実は、畑のグヮバは、ストロベリーグヮバの方が多くなったが、まだあり、それを使って第6回グヮバ酒も仕込んでいる。仕込んだのは第5回醸造グヮバ酒を搾った日と同じ9月7日、グヮバをミキサーでトロトロにしたものに水とキビ糖(十分成長したサトウキビがもう畑に無いので市販のキビ糖となった)を加える。これを搾るのは明後日の予定だが、仕上がり量はだいたい1升2合と見込んでいる。
 第6回グヮバ酒についての報告はたぶんしない。仕上がりは良いと十分予測できる。何せ過去5回の経験があるのだ、私の小さな脳味噌もそれを活かしている。発酵途中の広口瓶の発酵具合を見ても、蓋を開けその匂いを嗅いでも成功疑い無し、と思う。

 記:2015.9.9 ガジ丸 →沖縄の飲食目次


果実酒4

2015年09月04日 | 飲食:飲物・嗜好品

 私が借りている300坪の畑、その北側境界にはバンジロウの木が30本ばかり生垣のように列植されている。バンジロウとは耳馴染みが無いだろうが、一般にはグヮバという名で良く知られた果物。この約30本のグヮバは、この畑の前の借主、友人のTが植えたもので、私が彼からバトンタッチした3年前から既に実を着ける成木であった。
 グヮバには品種がいろいろあって、Tの植えたグヮバはTによると「グヮバ茶用の品種で、葉をお茶にする」もの。だが、「だけど、実も美味しいよ」とTは言っていた。一昨年は台風にやられ食べることができず、去年も台風にやられほとんど収穫できなかったのだが、1個だけ台風の難を逃れた実を食うことができた。まあまあ美味かった。
 今年、そのグヮバは多くの実を着けていた。「今年は豊作だ、売れるかも」と新米農夫はほくそ笑んでいたのだが、またも台風。それでも「多く」の内の2割くらいは残った。残ったけれど、熟してくると何者か(カメムシの類か?)に齧られる。齧られると売り物にならない。ならばどうするか?と考えるまでも無く酒の材料にした。

 齧られた箇所、傷の着いた箇所、何かの原因で黒ずんだ箇所を削り採って細かく砕く。砕いたものを広口瓶に入れ、糖分が足りないと思い、加える。糖分・・・三温糖でもキビ糖でもなく今回はオリゴ糖。実家にあったもので賞味期限を確認すると2007年7月となっている。それでも、「アルコールになりゃ、腹を壊すこともあるまい」と使った。できあがり5合のグヮバ酒にオリゴ糖1000ミリグラム全部を加えた。酵母が着いていると思われる皮も半分は入っているので、イースト菌は入れない。
 仕込んだのは8月15日、絞ったのは22日、冷蔵庫に入れ寝かせて、25日に試飲。滓は瓶底に沈んでいたのだが、とろみがあった。アルコールは十分あるように感じた。不味くは無いが、やはりオリゴ糖の量が多かったのか、糖の全てがアルコールに変わったわけでは無いのか、私には甘すぎた。とろみも私には少々気になった。
     
     
     

 グヮバはまだあった。第1回醸造グヮバ酒を試飲した数日前には、前回の倍以上の量のグヮバが溜まっていた。生食でも不味くは無いが飽きる。で、やはり酒にする。
 前回、砕く作業が面倒で時間がかかったので、今回はスライサーで細かくスライスしたのだが、これもまた、面倒で時間がかかった。で、決心。電動機具を使うのは避けようと決めていたのだが、ミキサーを購入。貧乏人の財布の口は酒のためなら緩む。
 スライサーで細かくスライスしたのが入っている広口瓶に、ミキサーでとろとろにしたものをどんどん加えていく。たくさんのグヮバは3リットル入り広口瓶の8割方を占める量となった。今回はオリゴ糖では無くキビ糖を加え、軽く蓋をし、棚に安置。
 その翌朝、目覚めると部屋の中はグヮバの匂いで満ちていた。「まさか」と思いつつ棚を見ると、第2回醸造グヮバ酒は発酵して泡だって、蓋を押しのけて瓶から溢れ、流れ出ていた。戻せる分は瓶に戻したが、「あー、何てこと。1合は損した」だった。
 万が一溢れた場合を考えて、広口瓶は流しに置き、蓋は被せる程度とした。午後、家に帰ると、万が一のことが起きていた。「あー、これで2合は損だ」となった。広口瓶を流しに置いたまま1時間後に見たら、ブクブクと盛んに泡立っていた。
 8月26日に絞って、約9合のグヮバ酒ができた。翌日試飲。アルコール度数は第1回醸造グヮバ酒より低いように感じたが、甘ったるくは無い。香りはグヮバの香りで良いのだが、とろみが少々あって味はイマイチ。「何かもう一工夫必要だな」と感じた。
     
     

 グヮバはまだまだあった。三度(みたび)酒にした。ミキサーでトロトロにしてキビ糖を加えるまでは前回と一緒で、これに「一工夫」した。一工夫などと大げさに言うほどでは無いかもしれない。気になるとろみを薄めるために水を加えただけのこと。
 第3回醸造グヮバ酒は仕込んで数日後、蓋を開け匂いを嗅ぐとこれまでより強い刺激臭がした。臭いのでは無い、アルコールの刺激だ。「酒だ、酒に間違いない」と確信を持つ程の匂い。水を加えたことが「とろみを薄める」効果の他に、アルコール発酵を促進する効果となって現れたのかもしれない。化学は苦手だったので詳細は不明。
 第3回醸造グヮバ酒、仕込んだのは8月24日、絞ったのは9月1日、約1升のグヮバ酒ができた。冷蔵庫で冷やして翌日試飲、酸味が少々強い、苦味も少しある。そういったところが気になるが、前回のよりは飲みやすい。アルコールも十分。第1回より第2回、第2回より第3回が良くなった。まだまだ工夫すれば良くなるはずだ。
     

 グヮバはさらにあった。またも酒にした。第4回醸造グヮバ酒、仕込んだのは8月27日、これはこれまでと大きく違う点があったので、その報告は次回。

 記:2015.9.2 ガジ丸 →沖縄の飲食目次