折々の記

日常生活の中でのさりげない出来事、情景などを写真と五・七・五ないしは五・七・五・七・七で綴るブログ。

ハトに餌をやる人

2010-02-13 | 雑感

日なったぼっこをしながら、餌をくれる人が来るのを待っているハトたち。

前回に続いて、黒目川を巡るエチケット、モラルの話である。

毎朝散歩する黒目川の遊歩道だが、歩くと言っても、たかだか桜並木が続く約400mと言った距離である。

この間に朝の散歩やジョギングを楽しむ人、犬を連れて歩いている人、釣り糸を垂れている人などなど色々な人たちを見かける。

そんな人たちに交じって、ビニールの袋を抱えてハトに餌付けをしている人がいる。

それも一人でなく、二人である。
一人は散歩のスタート地点の橋の下で、もう一人は散歩の終点の橋のたもとで、ほとんど毎日のようにハトに餌を与えているのである。

スタート地点では、水辺で餌をやっているせいもあって、ハトのほかカモまでが水から上がって来て、パンくずみたいな餌を夢中で食べている。

また、終点の橋のたもとでは、ハトのほかにスズメが一緒になって餌を漁っている。


ハトだけでなく、カモまでが餌を求めて水から上がって来る。


とにかく、この場所にはハトの数が半端でなく多いのである。

昨年、黒目川の河口から源流まで歩いたが、こんなにたくさんのハトがいたのはここだけで、他ではほとんど見かけなかった。

餌付けの場所にハトが集まった結果、ハトが異常に増えたのだろう。

そして、そこら中に排せつ物が。

そんな光景を目にするたびに、『全く非常識な困った人たちだ』と苦虫をかみつぶすような思いで眺めていたが、ある日、橋のたもとで餌付けをしている件の人のすぐそばを通り過ぎた時に、その表情をじっくり観察して小生なりに感じることがあった。

それは、餌をねだって集まって来るハトの可愛いしぐさ―手や肩に乗って餌をせがむ姿―にいかにも満たされたと言った風情なのである。

その姿からは、ハトは『食べ物』に飢えているが、ひょっとしたらこの人も何か心満たされぬもの=『鬱屈』を抱えていて、自分を慰めてくれるものに飢えているのではないか、『飢えている』と言う点では、ハトもこの人も『相身互い(あいみたがい)』なのではないかと思ったのである。

ハトへの餌付け行為、止めて欲しいと思っている人が多いと思うが、一つ対応を誤るとトラブルになることも十分考えられるだけに、内心忸怩たる思いはあるものの、見て見ぬふりをしてしまう。

そして、そうこうしているうちにも餌付けによってハトが増加し、たくさんの野鳥が生息する黒目川の生態系に影響を及ぼしかねない、なかなか厄介な問題である。