折々の記

日常生活の中でのさりげない出来事、情景などを写真と五・七・五ないしは五・七・五・七・七で綴るブログ。

写真&俳句VOL36~「老母の心境」

2012-01-04 | 写真&俳句



初春や     ひ孫と和(なご)む     老母かな


老母が暮らす実家で毎年お正月に行われる我がファミリーの新年会。

今年も5家族、18人が一堂に会して賑やかな催しとなった。

集まった18人の中に96歳を迎える老母を始め、72歳、60歳、48歳、12歳と5人も今年の干支である辰年生まれがいたのには一同びっくり。

まさに年男、歳女のオンパレードであり、昇龍の年となるようみんなで祈った次第である。

そんな中、今年96歳を迎える老母。

この1年で体が格段に小さくなり、口数も少なくなり、表情にも生気がなくなり、めっきりと衰えを感じさせるようになった。

「友だちや近所の親しい人がみんないなくなって、話し相手がいなくて寂しいよ。長生きするのも善し悪しだ」

と、この所めっきり弱気の言葉が多くなっている老母も、この日ばかりは息子たち、孫たち、ひ孫たちに囲まれて、うれしそう。

久しぶりに表情も生き生きと楽しげである。

特に、ひ孫たちが歓声を上げながら家の中を駆け回っている様子を、目を細めて見つめる顔は、束の間の一時、この一瞬を心に焼きつけているかのごとく見えた次第である。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿