折々の記

日常生活の中でのさりげない出来事、情景などを写真と五・七・五ないしは五・七・五・七・七で綴るブログ。

「写真」と「俳句」で辿る、「同級会」宿泊旅行

2008-10-20 | 友達・仲間
<旅行1日目>

夜来の雨がすっかり上がり、雲一つないすっきりとした秋晴れ。
絶好の旅行日和である。

小学校・中学校の同級生たちとの、一泊二日の信濃路の旅が始まった。


小生の小学校・中学校のクラス会は、8年連続して開かれている。
最初の頃こそ、「あいつ、誰だっけ」ということもあったが、毎年顔を合わせていると、今ではお互い「やあ」、「よう」と幼なじみの気分で通じ合えるようになった。

そんな下地もあって、今年3月のクラス会で「今年は、泊りがけで、どこかに行こうよ」という声が上がり、この日の旅行となった。


参加者は15名。
この参加者を見て嬉しかったことが3つ。

その一、15名のうち6名が女性であったこと。

その二、先般、ガンの手術をしたばかりの親友のKくん、体調を崩して1週間前のゴルフコンペを欠席したTくん、心配していた二人がそれぞれ元気に参加してくれたこと。

その三、参加者15名のうち三分の一の5名を、わが幼なじみたちの集落が占めたこと。


観光バスが高速道路に入ると、早くも「酒盛り」ムードである。

幹事が缶ビールや焼酎といったアルコール類を配り、女性陣が競って準備してきた色々な「おつまみ」も次々と回ってくる。

「泊りがけの旅行なんて、中学校の修学旅行以来だね」と誰かが言うと、「そうだ、そういえば修学旅行は箱根だったよね」と遠い昔を懐かしむ声が、期せずしてあちこちで上がる。

バスの車内は、一気に小学校・中学校の修学旅行の頃へとタイム・スリップし、子供のようにワイ、ワイ、うき、うきとした雰囲気で、盛り上がる。


今回の旅は、

「燃える紅葉<松川>・<新・善光寺山門>・<湯田中温泉>の旅」

である。


そこで、今回は旅の途中で立ち寄った<一茶ゆかりの里>の俳人・小林一茶にあやかり、「俳句」と「短歌」で旅の様子をまとめてみた。
勿論、「俳句」も「短歌」も初挑戦である。


名前の由来通りに雷のような轟音を立てて流れ落ちる滝


<松川渓谷「雷滝」>にて


紅葉の   山に轟(とどろ)く   滝の音


落差30メートル。
松川渓谷の本流が雷鳴のように轟音を立てて落下している様は、まさに迫力満点。

一同、滝のしぶきに濡れながらも、滝と紅葉のコントラストを満喫する。



ちょっとモダンすぎる感もする「一茶館」の建物


<一茶ゆかりの里>にて


ともがきと   秋のよき日を   もみじがり


突然、着想が湧き、一句作って備え付けの投稿箱に投函した。
Sくん、Uくんも一緒に一句ひねりだす。

俳句を作るのは、この日が初めてであるが、その気になるとアイデアが湧いてきて結構面白い。

そして、ここで今回のブログ構成上のヒントを得た。
これも、俳人「一茶」のお導きか?



車座になり、肩を寄せ合って楽しく語り合った二次会は、夜遅くまで続いた


深夜、宿の<「露天風呂」>にて


露天風呂   深酒さます   冷気かな


初めての泊りがけの旅、みんなの楽しみは宴会。

一次会は「おしゃべり」と「カラオケ」。
二次会はもっぱら「おしゃべり」。車座に座って、肩を寄せ合うようにして、「○○ちゃん」、「××くん」と幼なじみの呼び名が飛び交い、それは、それは楽しい「おしゃべり」が続く。

時間が経つのも忘れ、気が付くと11時。

一次会と併せると実に5時間、いささか飲み疲れ、しゃべり疲れである。


宴会がお開きになった深夜、一人露天風呂へ。

夜空には煌々と地上を照らす満月。
そして、肌を刺す信濃の冷たい夜気。

そんな「ポエム」のような世界を満喫していて浮かんだのが、上掲の句である。



江戸時代天明年間に作られた池泉廻遊式庭園

<豪商の館>にて


豪商の   栄華伝える   四季の庭


<旅行2日目>


最初の見学は、江戸時代、須坂藩をしのぐ財力を有していたという田中家に代々伝わる「家宝」を見る。

そこに展示されている数々の衣装・調度品は、愛好家にとっては、垂涎の品々だろうが、この手のものには全く疎い小生にとっては「猫に小判」である。

しかし、女性陣にとっては興味津々のようで、おしゃべりしながら目の保養を楽しんでいる。

特に興味を引かれたのは、庭の風情である。

散策の途中立ち寄った茶屋に、四季折々の庭園の佇まいを写した美しい写真―「春のしだれ桜」、「秋の紅葉」、「冬の雪景色」―に触発されて詠んだのが上掲の句である。



善光寺山門にて記念写真


<善光寺山門>にて


ともがきと   平安祈る   善光寺


旅行二日目のメインは善光寺。

みんなで参拝した後、小生と「秩父札所めぐり」の先達役を勤めてくれた親友のKくんは「納経所」へ。

小生は、「敬老の日」に母のために書いた「般若心経」の写経を納めてきた。

善光寺は初めて。その「偉容」に打たれる。


<帰路のバス>にて


浅き秋  日がな一日  ともがきと  思い出刻む  信濃路の旅


今回の旅の心境を詠った短歌。


幼なじみとの初めての泊りがけの旅行は、天候にも恵まれ、和気藹々のうちにたくさんの思い出をそれぞれの胸に刻んで、終わった。


在学中の頃は勉強のできる仲間、悪がき仲間とそれぞれが「群れ」を作って、お互いが余り交わることがなかったし、また、クラスの女子とは余り口をきいたこともなかったが、何十年もたって再会すると、不思議なことにそんな垣根はどこへやら、悪がきも、優等生も、そして、口をきいたこともなかった女子も、分け隔てなく、みんな同じ「○○小・中学校の同級生」、すぐに溶け込んでしまう。まさに「同級生」とは、そういう特別な存在なのだ。

そんな仲間は、それこそかけがえのない存在である、とつくずくそう思う。

そして、これからも、これらともがきとの「友情」を大切にしていきたい、そういうことを改めて感じた今回の「旅」であった。

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