折々の記

日常生活の中でのさりげない出来事、情景などを写真と五・七・五ないしは五・七・五・七・七で綴るブログ。

居合の師、逝く

2010-12-17 | 武道
3年ほど前に病に倒れ、加療中だった居合道錬士六段K先生がお亡くなりになった。

先生は、7年前、小生が会社を定年退職し、一念発起して居合を始めてから、今日に至るまで小生の居合の師であった。

居合を習い始めた当初、不器用で覚えの悪い小生に、嫌な顔一つせずに、懇切、丁寧に、根気よく居合の初歩から教えていただいた。

先生のご指導なくして、今日の小生の居合は在りえない、と言っても過言ではない。

また、先生は居合の試合や講習会がある時は、『乗って行けよ』と自ら運転手役を買って出てくださるなど、その気さくで、優しい人柄は誰からも慕われ、尊敬されていた。

『大黒柱』と言う言葉があるが、先生は、まさに、わが居合道支部の大黒柱的存在だった。


K先生がお元気だった2007年1月の『稽古始め』
右列、右から二人目がK先生。


その先生が、病に倒れ、再起が絶望視された時は、わが居合道支部はこれからどうなるのだろうと、一同、暗澹たる思いに打ちひしがれたが、全員が気持ちを一つに、力を合わせて活動を続けて行くことが、先生のこれまでの労苦に唯一報いる道とみんなで話し合い、新しい体制を作って、頑張って来た。

幸い、その後、毎年、昇段者を出すなど、順調に支部運営がなされているのが、先生へのせめてもの恩返しと言えるのではなかろうか。

何回かお見舞いに上がり、病状からして最早や刀を握ることは叶うまいと思われたが、せめて稽古場に顔を出されるくらいに回復し、みんなの稽古を見守って欲しかった。

そして、

『Kさん、しばらく見ないうちに、上達したね』

と、一言、先生に誉めてもらいたかった。

それも、今は叶わなくなった。それが、無性に悲しくて、残念である。

先生、安らかにお休み下さい。

そして、天上からわが居合道支部の活動を見守って下さい。

合掌