折々の記

日常生活の中でのさりげない出来事、情景などを写真と五・七・五ないしは五・七・五・七・七で綴るブログ。

刀の『長さ』、『重さ』に四苦八苦~小学6年生、居合の体験学習

2010-12-10 | 武道

居合の体験授業風景。当日は、刀と帯が全員分調達できなかったので、授業は交代制で行うことに。


『みんな、テレビで「龍馬伝」見てたかな。龍馬は最後刀で斬られて殺されちゃったよね。今から、140年ぐらい前までは、武士は腰に大、小の刀を差して生活していたんだ。で、一旦、事あれば、刀を抜いて命のやり取りをしなければならないし、また、大きな失敗をすれば、その場で腹を切らなければならなかったんだ。武士はその日その日を死と背中合わせで生きていた訳だ。そう言う時代が、ほんの140年ぐらい前まで、あったんだよね。
今は、斬り合いなんてないから、居合や剣道などの武道は、修業を通じて人間形成をするという役割があるんだ。


ある小学校で6年生を対象に行われる『伝統文化を体験しよう!!』という特別授業で、生徒を前にしての居合仲間のAさんの話である。

数日前、Aさんから、『ちょっと手伝ってよ』と頼まれて、小生もこの催しにお手伝いとして参加したのだが、居合の他に『墨絵』、『茶道』、『華道』、『香道』、『能』、『大正琴』、『和太鼓』、『布ぞうり』、『折り紙』など、幅広い分野の日本の伝統文化が網羅されていて、その授業の講師は、地域の人たちがボランティアで勤めることになっているとのこと。その範囲の広さと内容の充実ぶりに、驚かされると同時に、このような特別授業を企画した学校の素晴らしい試みに心からの共感と敬意を覚えた次第である。

居合は今回が初参加である。

Aさんの話によれば、学校サイドから特別授業の話を聞いた時に、『居合で良かったらやらせていただきますよ』
と申し出た所、実現の運びとなったとのこと。

そして、いよいよ体験授業の始まりである。

居合の体験を希望した生徒は16人、全て男子生徒である。

授業の時間が10時半から正午までという限られた時間なので、教える内容にもおのずと限りがある。

そこで、先ずは帯の締め方、刀の差し方、下げ緒の結び方、刀の抜き方、納刀の仕方、刀の握り方、刀の抜きつけ、刀の斬り下ろしといった基本を教え、仕上げとして居合・古流の『虎乱刀』の技にチャレンジしてもらうことに。

以下、写真を中心に、その模様を紹介しよう。

 
『うわっ!刀だ』『これ、本物?』と興味津々、講師のAさんに群がる生徒たち(左)、全員を集めて刀の取り扱いについて入念に教える講師のAさん(右)

  
最初のうちは、刀の長さに戸惑い、刀を抜く時(左)、刀を鞘の中に入れる時(右)悪戦苦闘していた生徒たち。

 
授業も終わりに近づく頃は、抜きつけ、斬り下ろしも、みんなうまくできるようになった。


正午、体験授業終了。

刀は模擬刀とは言え、一つ取り扱いを間違えば怪我に直結する。

何事もなく体験授業を終え、Aさんと二人『無事終わって良かった』と胸をなでおろした次第である。