折々の記

日常生活の中でのさりげない出来事、情景などを写真と五・七・五ないしは五・七・五・七・七で綴るブログ。

成人式をボイコットして見た映画「ウエスト・サイド物語」

2010-06-10 | 映画・テレビ
前回は二十数年前に読んだ本を、改めて読み返したことを話題にしたが、今回は本ではなく、47年ぶりに見た映画の話である。

先日、NHK衛星第2放送で『ウエスト・サイド物語』を見た。

この映画は、日本では1961年12月に封切られ1963年5月まで1年半という空前のロングランを続けた映画である。

小生がこの映画を見たのは、大学2年に在学中の1963年1月15日であった。

なぜ、そこまで正確に覚えているかと言うと、この日が小生にとって記念すべき成人式の日だったから。


今から思えば『若気の至り』としか言いようがないのだが、成人式には家に戻って、出席してという田舎の両親の期待を、成人式などつまらない、退屈だから出ないと粋がって、実家に戻らず、その日は秋葉原に出かけて予て欲しかったソニーのトランジスタラジオを20歳の記念として購入したのだった。

その帰りに映画館に立ち寄って見たのが、この『ウエスト・サイド物語』である。



有名なアリア「トゥナイト」を歌う、トニーとマリア
(NHK衛星第2放送より)



映画の冒頭、70ミリの大画面に上空から写し出されたニューヨークの摩天楼の景観を見て息をのみ、躍動的でエネルギュッシュな踊りにカルチャーショックを受けたことなどが走馬灯のように思い出されて感慨ひとしおであった。

気が付いて見ると2時間半があっという間に過ぎていた。

そして、半世紀たっても、なお、色あせることのない、この映画は時代を超越して受け継がれる名作、傑作の一つである、と改めて思った次第である。


同時に、確かに、成人式の時にこの映画を見たのは、それなりに意味、価値があったと思うが、今、改めてこの映画を見て、『あぁ、あれから、もう47年もたってしまったか』という感慨と、あの時、自分は成人式に帰らなかったが、両親は成人した我が子の姿をどんなに見たかったことだろう、成人になった姿をなぜ見せてやらなかったのか、という忸怩たる思いが湧いてきて、複雑な気分を味わった次第である。