ロシアが今年2月、ウクライナへ侵攻してから満8ヶ月たったが、いっこうに戦闘が終息する兆候は見えてこない。これから冬に向かって、さらに厳しい戦いが続きそうな状況だ。とりわけ、ウクライナが戦争の長期化に耐えられるかどうか心配される。
第二次世界大戦後、国家間の戦争が長期化したケースは少ない。大半は短期で終結しているが、戦争が半年以上続いたケースでは、そのうちの7割が1年以上の長期戦になっているという。ウクライナの場合、米国など欧米諸国の支援に頼っているので、長期化すると、今のまま支援が続くかどうかは不透明だ。
一方のロシアも、兵員の部分的動員が終了し、ミサイルなどの兵器も枯渇状態になっていて、戦闘は今後、小規模化していくとみられている。ロシアの世論もプーチン大統領を支持する熱狂派が減っていて、戦争が長期化することに否定的な雰囲気が強まっているようだ。
ロシア、ウクライナ双方とも、戦争の長期化は好ましくないとみていることは間違いない。特に戦争を売られた形のウクライナから見れば、ロシア軍が繰り出す作戦はウクライナ国民を意図的に痛めつけている印象が強く、ゼレンスキー大統領も直ちにロシアとの和平交渉のテーブルにつくことを拒否している。
では、厳しい冬を乗り切るには、どうしたらいいだろうか。まず、国連など中立的な機関が双方の意向を打診しながら、一致点を探っていくのが最良の方法ではないだろうか。さらに、米国など関係各国がこれに協力していけば、必ず打開策が見つかると思う。本格的な厳しい冬を前に、速やかに打開策を見出し、戦争終結に向かって欲しいと願わずにはいられない。(この項終わり)