飯島一孝ブログ「ゆうらしあ!」

ロシアを中心に旧ソ連・東欧に関するニュースや時事ネタを分かりやすく解説します。国際ニュースは意外と面白い!

トランプ次期米大統領、対露関係の改善問題でトーンダウンか

2017年01月13日 10時16分10秒 | Weblog

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ツイッターで世界に言葉の爆弾を投げ続けてきたトランプ次期米大統領が当選後、初めて記者会見に応じた。予想通り、大手メディアを罵倒したり、対メキシコ強硬策を繰り返したり、相変わらず言いたい放題の「トランプ流」会見だったが、対露関係では選挙中のロシアのサーバー攻撃を認めるなど、トーンダウンした印象だ。一方で、親露的な人物を政府などに登用しており、今後どういう政策を進めるのか、注目したい。

会見では、のっけからロシアが握ったとされるトランプ氏のスキャンダルに絡む質問が出され、トランプ節が爆発した。スキャンダルとは、トランプ氏が2013年に訪露した際、売春婦と関係したことを示すメモに関するものだが、トランプ氏は「情報はフェイクニュース(ニセのニュース)だ。インチキだ。病的な人々がクズのような情報をつなぎ合わせたものだ」と言い切った。その上、質問しようとしたCNN記者に対し、「フェイクニュースを流した」として質問を封じた。

民主主義国家を標榜する米国ではありえない対応だが、その後の選挙中のサーバー攻撃についてはこれまでの発言を撤回し「ロシアの仕業だったと思う」と容認。さらに、今後の米露関係について「プーチンがトランプを好きならそれは負債ではなく、財産だ。プーチンと気が合うかはわからない。そうあってほしいが、そうでないかもしれない」と答えた。これまでの発言に比べるとトーンダウンした感じがする。周辺の人々から吹き込まれたのかどうかわからないが、今後の政策で判断する必要がある。

対外関係では、中国に対し「経済的にも、南シナ海の巨大な要塞建設によっても我々に完全につけ込んでいる」と敵意をむき出しにしている。続けてトランプ氏は日本、メキシコを名指しして「私が国を率いれば、過去の米政権下より、はるかに我々を尊敬するようになる」と暗に脅している。日本もオバマ政権時代の「蜜月気分」でいると、飛んだとばっちりを受けないとも限らない。

以前、トランプ氏はツイッターでロシアでのスキャンダル絡みで「私たちはネチス・ドイツに住んでいるのか」とつぶやいたが、メディアに対する対応や記者会見をせずにツイッターで一方的に相手を攻撃するような手法は、かつてのナチスそのものと言っても言い過ぎではない。今後、日本もこういう大統領を相手に付き合っていかなければならないだけに、よほど腹をくくって対応しないととんでもないことになりかねない。世界に先駆けて、わざわざ自宅にまで会いに行ったどこかの首相で本当に大丈夫なのだろうか。(この項終わり)
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