飯島一孝ブログ「ゆうらしあ!」

ロシアを中心に旧ソ連・東欧に関するニュースや時事ネタを分かりやすく解説します。国際ニュースは意外と面白い!

70年目の終戦の日に思うこと

2015年08月15日 15時08分58秒 | Weblog
今年の終戦の日は、安倍首相の「戦後70年談話」に振り回され過ぎた感じがする。日本のメディアも談話の中身をアレコレと詮索し、談話に期待を持たせ過ぎたのではないだろうか。結局、出てきたのは、これまでの村山談話、小泉談話の枠内にとどまり、内外に気を配った内容に過ぎないように感じる。
毎日新聞の識者談話の中でいうと、武村正義元官房長官の「まるで人ごとのよう」と言う談話が私には一番ピッタリする。「侵略」「お詫び」「反省」などのキーワードをちりばめているものの、解説調に触れただけで、国家の指導者として語った形になっていない。
我々の関心は現在審議が進んでいる安保法案がどうなるのか、与党はどうやって今の国際状況を切り拓いていくのか、という現実問題である。ところが、こういう問題には具体的に触れず、談話がまさに宙に浮いている感じがする。逆に言うと、談話と安倍政権が現在進めていることがシックリせず、談話が綺麗事にしか映らないのである。
作家の佐藤優さんに言わせると、「戦後レジームからの脱却」を主張していた人物が、戦後レジームそのものとも言える談話を出したことに「違和感を覚える」ということになる。同感である。所詮はこの程度のことしか考えていなかったということだろうか。
安倍談話が最後の部分で未来志向を提言している点については共感出来ないわけではない。だが、それが安倍首相の言う「積極的平和主義」では賛成出来ない。言葉の響きとは裏腹に、軍事力に対して軍事力で対応するという中身だからだ。あくまで専守防衛を貫き、外交で国際問題を解決することを最優先するべきだ。今のような安保法案は集団的自衛権をふりかざして相手を挑発するだけの効果しか感じられない。安倍政権は今こそ国民の声にじっくり耳を傾け、出直すべきではないだろうか。(この項おわり)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする