飯島一孝ブログ「ゆうらしあ!」

ロシアを中心に旧ソ連・東欧に関するニュースや時事ネタを分かりやすく解説します。国際ニュースは意外と面白い!

ロシアの隕石落下を信じていない住民が2割もいる!?

2013年03月06日 11時35分35秒 | Weblog
国際政治・外交 ブログランキングへ

 ロシア中部ウラル地方のチェリャビンスク州を襲った2月15日の隕石落下は、建物の窓ガラスなどの破損で1500人近い負傷者を出したが、未だに隕石落下を信じていない住民が2割もいるとの世論調査結果が明らかになった。

 全ロシア世論調査センターがこのほど、チェリャビンスク州の住民を対象に調査し、その結果が6日付けのコメルサント紙(電子版)に掲載された。それによると、被害の原因を隕石の落下と考えている人は73%にとどまり、「わからない」と答えた人が13%、兵器の実験が行われたと思う人が3%、ロケット発射失敗と見る人が2%、UHO(未確認飛行物体)の破壊という人が1%いた。

 このように被害の原因が割れた大きな理由は、当局が事実を隠していると見る人が半数近い46%に上っていることがあげられよう。また、隕石落下は予測不能で自衛できないと考えている人は64%に上ったが、その一方で、落下を阻止できないとしても、被害を最小化することはできたはずだとみている人が29%いた。

 また、隕石落下でどんな被害を受けたかとの質問に対し、最も多かったのは「びっくりした」などの心理的被害を受けた人で、32%いた。次いで、ガラスの破片などでケガをした人が3%、経済的損害を受けた人は14%だった。

 州当局が隕石落下から3日後に発表した被害のまとめによると、ガラスが割れるなどの被害を受けた建物が4715棟で、このうち3724棟が住居だった。負傷者は1491人にのぼり、このうち子供は311人いた。ケガをした人はともかく、そうでない人にとっては、とにかく驚いたというのが本音だろう。

 それにしても、隕石落下から3週間近く経つのに、未だにそれを信じていない人が2割もいるということに驚く。ロシア国民はこれまで、政府や行政側にウソをつかれていた、あるいは事実を知らされなかったことが多く、すっかりトラウマになっているに違いない。旧ソ連崩壊から20年以上たっても、全体主義国家の負の遺産から逃れられないということだろうか。(この項終わり)