飯島一孝ブログ「ゆうらしあ!」

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プーチン首相、三大テレビとの会見でブレジネフ政権当時の「停滞の時代」再現を否定!

2011年10月19日 09時33分26秒 | Weblog
 ロシアのプーチン首相は先週末、与党の大会で来年3月の大統領選への立候補が決まって以来、初の合同テレビ会見に臨んだ。今後プーチン大統領による長期政権が予想され、ブレジネフ政権の“停滞の時代”が再現されるとの懸念が出ているが、「根拠のない批判だ」と強く否定した。

 テレビ会見はロシアの三大全国ネットワークが合同で行ったもので、約1時間半の会見の模様は17日夜に放映された。与党「統一ロシア」の党大会は9月下旬に開かれ、メドベージェフ大統領がプーチン首相を大統領候補に推薦、拍手で決定された。これを受けてプーチン氏は首相にメドベージェフ氏を指名すると約束、双頭政権が来年以降も続くことがほぼ確定した。

 次期大統領から任期が6年に延長され、憲法の規定で連続2期12年間、大統領を務めることができる。このためプーチン氏はこれまでの2期8年間に加え、さらに12年間最高指導者の地位に就くと、ソ連・ロシア時代を通じて最長の政権だったブレジネフ時代の18年間を越えることになる。このため国民の間から「ブレジネフ時代と同じような社会の停滞が続くのではないか」との懸念が起きている。

 この懸念について質問されると、プーチン首相は「第一に、(ブレジネフ政権は)旧ソ連の時代であり、根拠のない批判である」と述べ、停滞の時代再現を強く否定した。また、西側から「タカ派」とみられていることについても「いかなる決まり文句にも反対だ」と一蹴。「すべてのパートナーと善隣友好関係を持つことが国益を積極的に守ることにつながる」と、西側諸国との友好関係を強調した。

 また、メドベージェフ大統領との双頭政権を今後も維持することについて「新しい形で政権を維持することは4年前に話し合い、いろいろ経験を積めば可能だということで合意した。今後4年間、(役割の入れ替えが)うまくいけば正当性が認められるだろう」と述べ、国民に理解を求めた。

 さらに、プーチン首相はメドベージェフ大統領について「革命的なことは一切なかった。大統領にふさわしく是々非々で行動した」と語り、大統領の仕事ぶりを評価した。大統領としての業績がないため交代するとの見方を否定し、メドベージェフ氏を擁護する立場を示した。

 この会見では、国民や西側諸国からの懸念を打ち消す内容が多く、今後に向けての積極的な抱負や計画はきかれなかった。今後、12月の下院総選挙、そして来年3月の大統領選で国民の審判を仰ぐことになるが、プーチン氏の大統領復帰が国民にスンナリ受け入れられるかどうかは不透明だ。2度目のプーチン時代は国民が懸念する通り、「停滞の時代」を招きそうな予感がする。
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