飯島一孝ブログ「ゆうらしあ!」

ロシアを中心に旧ソ連・東欧に関するニュースや時事ネタを分かりやすく解説します。国際ニュースは意外と面白い!

サンクトペテルブルク市長代行にKGB出身でプーチン首相の友人!

2011年08月23日 10時45分32秒 | Weblog
 ロシアのメドベージェフ大統領は22日、マトビエンコ・サンクトペテルブルク市長の代行にプーチン首相の友人、ゲオルギー・ポルタフチェンコ氏(58)を任命した。インタファクス通信によると、マトビエンコ女史は上院議長に選出される見通しだ。

 ロシア第二の都市サンクトペテルブルクはメドベージェフ大統領とプーチン首相の出身地で、中央政府・議会の要人を多数輩出している。ポルタフチェンコ氏はアゼルバイジャンの首都バクー生まれだが、旧レニングラード(現サンクトペテルブルク)で育ち、KGB(旧ソ連の治安警察)に入ってプーチン首相と知り合った。93年から99年まで同市の税務警察署長を務め、00年から中央連邦管区の大統領全権代表だった。

 前任のマトビエンコ女史もプーチン首相の側近の一人で、上院への鞍替えのため選挙の洗礼を受けている。議員に当選後、上院議長に選出されることになっている。ポルタフチェンコ氏も近く正式の市長に任命されるのは確実視されている。

 これにより、プーチン首相の基盤は一層強化されるが、ロシア第二の都市の市長が大統領の任命によって決まることへの批判も多い。新生ロシア誕生当初は直接選挙で選出されたが、プーチン大統領時代に共和国大統領、州知事、大都市の市長は大統領の任命制に変更された。リベラル派政党「ヤブロコ」のレズニク・サンクトペテルブルク市代表は「市長を選ぶのに市民480万人の意見が反映されないのはおかしい」とインタファクス通信に語っている。

 プーチン首相が00年、大統領に当選して以来、2期8年の大統領の後、4年近く首相を務め、事実上12年間にわたって実権を握っている。こうした独裁に近い状態に国民の不満が蓄積されつつある。中東革命のような激しい反体制運動は起きないとしても、年末の下院選、来年3月の大統領選で大統領・首相による双頭体制(タンデム)が手痛いしっぺ返しを食わない保証はない。
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