ロシアで今夏、異常な猛暑から始まった天候異変は森林火災の拡大で、首都モスクワの環境汚染にまで及んできた。このため、モスクワから避難する外交官が急増し、ロシア政府内でも首都移転論が出始めている。
モスクワ周辺の環境汚染は日ごとに進んでいて、森林火災による煙が首都に充満、煙幕でかすむクレムリンの映像をメディアが連日伝えている。まるで19世紀の産業革命期に煤煙で曇ったロンドンのセピア色の写真を見るようだ。
11日付けの独立新聞(電子版)によると、外交官避難の直接のきっかけをつくったのは、ショイグ露非常事態相の「ブリャンスク州の火災で放射線値が上がっている」という発言だった。ブリャンスク州はモスクワの南にある州で、危険を察知した国々があわてて避難を始めたのだ。
最初にドイツ政府がロシア駐在の大使館一時閉鎖を決定、外交官を引き上げさせた。続いてブルガリア政府が避難を決めると、オーストリア、ポーランド、カナダなどが次々に外交官の妻子を本国に帰還させた。一方、米国政府は自国民のロシア渡航を自粛するよう警戒警報を出している。
こうした状況に、ロシア政府内でも「このままでは外交関係にも支障が出る」として首都移転論が出始めている。プーチン政権からメドベージェフ政権に移っても主流派を占めるサンクトペテルブルク人脈(略してピーテル人脈という)を中心に、サンクトペテルブルク移転論が出ているが、そのほか、シベリアの中心地ノボシビルスクやボルガ川支流のサマラなども移転候補地に上がっている。
今回の環境汚染は少なくともあと3週間くらい続くとみられている。9月に入ると、メドベージェフ大統領が世界各国の首脳を招いてヤロスラブリ・フォーラムを開催するなど、国際行事が目白押しだ。この状態がいつまでも続くと「大国ロシア」の沽券に関わる。夏休み返上どころか、飛んだところでメドベージェフ大統領に正念場がやってきた。
モスクワ周辺の環境汚染は日ごとに進んでいて、森林火災による煙が首都に充満、煙幕でかすむクレムリンの映像をメディアが連日伝えている。まるで19世紀の産業革命期に煤煙で曇ったロンドンのセピア色の写真を見るようだ。
11日付けの独立新聞(電子版)によると、外交官避難の直接のきっかけをつくったのは、ショイグ露非常事態相の「ブリャンスク州の火災で放射線値が上がっている」という発言だった。ブリャンスク州はモスクワの南にある州で、危険を察知した国々があわてて避難を始めたのだ。
最初にドイツ政府がロシア駐在の大使館一時閉鎖を決定、外交官を引き上げさせた。続いてブルガリア政府が避難を決めると、オーストリア、ポーランド、カナダなどが次々に外交官の妻子を本国に帰還させた。一方、米国政府は自国民のロシア渡航を自粛するよう警戒警報を出している。
こうした状況に、ロシア政府内でも「このままでは外交関係にも支障が出る」として首都移転論が出始めている。プーチン政権からメドベージェフ政権に移っても主流派を占めるサンクトペテルブルク人脈(略してピーテル人脈という)を中心に、サンクトペテルブルク移転論が出ているが、そのほか、シベリアの中心地ノボシビルスクやボルガ川支流のサマラなども移転候補地に上がっている。
今回の環境汚染は少なくともあと3週間くらい続くとみられている。9月に入ると、メドベージェフ大統領が世界各国の首脳を招いてヤロスラブリ・フォーラムを開催するなど、国際行事が目白押しだ。この状態がいつまでも続くと「大国ロシア」の沽券に関わる。夏休み返上どころか、飛んだところでメドベージェフ大統領に正念場がやってきた。