鮎川上流の氷柱
当市郊外の市民に観音山という名で親しまれている山中に昭和初期からその温泉宿はあった。
鉱泉を沸かした湯だが、湯船に浸かりながら市街が一望できる展望が売りだった。我が家から
20分程度で着く立地の良さもあり、年に数回利用していた。しかし数年前に何が理由か知ら
ないが惜しまれながら廃業してしまった。後継者がいなかったのか。
県内各地に日帰り入浴施設はある。私が利用するジムにも大きな湯船を持った入浴施設はある。
何れものんびりとというわけにはいかない。急かれるように入り、目的を達したらすぐに出ざ
るを得ない。
日常に飽いたとき、大きな湯船にゆったりと浸かりたいな、という気持ちになる。当県は有名な
温泉は特に県の北部に集中しているが、2時間近くかけて行くには少々気合を入れねばならない。
こんなとき、タオルと着替えの下着だけ持って20分足らずで非日常的なゆったりした湯船に浸か
れるのは有難い存在だった。しかし今はない。
さすがに20分でという近場ではないが、お隣の市の鮎川渓谷のとば口の猪之田というひなびた山
村に一軒宿があった。車で45分で到達、近場といって良いだろう。
その谷間の一軒宿に夕暮れが訪れる。
広くはないが、4,5人が心ゆくまで浸かるには相応しい。熱からず、温からず。心ゆくまで湯船に
浸かっていることができる。入浴札が5枚ある、ということは湯船に入れるのは最大5人までだ。
帳場で尋ねてみると宿泊客半分、日帰り客半分程度らしい。情緒ある場所を見つけた。
偵察を兼ねて今回は一泊したが、次回からは気楽に日帰り入浴といこう。翌朝鮎川渓谷を30分ほど
上流へ走ってみた。上平というところにシミ出た地下水が氷柱を形作っていると聞いたので。
晴天続きで地下水の量が少なく、冷え込みは十分だが昔ほど横に拡がらなくなったらしい。案内板も
ないので通りかかった地元の方に聞いてみる。場所はすぐにわかった。冒頭の写真がこの朝の様子。
次の一枚が中央部の氷柱に焦点を当ててた撮った一枚。原版を少し修正したのはいいが、透明感が欠
けてしまったのは残念。
九州から四国をとおり、和歌山県は紀の川筋を経て伊勢湾に。知多半島辺りから陸地に上がる中央構造
線が地下に潜り再び顔出すのが下仁田町付近。この鮎川渓谷もその延長上。地質的には珍しい露頭した
片麻岩の上に2mもあるつららが垂れている。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます