大雪で完璧に倒壊したガラスハウス。無情にもイチゴの甘い香りが周囲に漂っていた。 砕けたガラスの撤去は危険を伴う。(藤岡市内にて 3.18)
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前日の冬型の天候がおさまった翌朝は会社の屋上は周囲の山々の絶好の展望台。
今朝は100キロ離れた八ヶ岳連峰をズーム一杯に引き寄せてみた。 3倍ズームに
安物の望遠レンズで撮ったもの。 これ以上の倍率では山並みが画面に入りきら
ず。
昭和37年の大晦日から元旦にかけて、この山に登った。 強い冬型の天気で大晦
日は夏沢峠の東の谷間にある本沢温泉に泊まり、翌朝新雪が20cmほど積もった
峠への道を登っていった。 八ヶ岳連峰は南北に連なっているので北西の季節風が
まともに吹きつける。 しかし夏沢峠への道は連峰の東側の谷筋をたどるので、あま
り風に悩まされることはなかった。 その分峠に着いたときの強風には恐怖を覚え
た。 峠から南に進路を変え、硫黄岳に向かって登る。 強風の中、東側にあるであ
ろう雪庇に注意しながら少しずつ高度を上げていく。 右側面をはたく強風はおさま
る気配はない。
携行した温度計はマイナス13度を指している。 体感温度はマイナス20度ほどあっ
たのではないか。
3人のパーティーで登ったのだが、硫黄岳の中ほどまで登った地点でリーダーの判
断で退却する。 初めての冬山でいささか興奮していた私はこの判断に異を唱える
だけの技量がなく指示に従う。 パーティに初心者がいることを念頭に置いた適切な
判断だったと思う。
峠までは今度は左側面を強風にさらす。 しかし登りのトレースがあるので迷うこと
はなく戻れた。 下山して3日の新聞で各地の山で遭難者が続出した報道に接する。
八ヶ岳でも2名の遭難者があり、滑落死と凍死とあった。
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携帯電話等の普及で冬山登山者が安易に救助を要請する傾向が強まったいう。
登山は基本的には全て自己責任のスポーツ。 あの時われわれは3日分の食料を
携行し、テントや燃料も持っていた。 風の影響を少なくする岩影を見つけ、4日は凌
げたと思う。冬型が3日以上続くことはあまりない。 引き返さずに退却地点
付近で、ビバーク(露営)しても人気のあるルートなので遭難する事態にはならない
自信はあった。
3月29日例年より一週間ほど遅れて会社の庭の桜の一本が開花。
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