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toboketaG の春夏秋冬 

雑文、雑感、懐古話そして少しだけ自己主張。
土曜日をベースに週1~2回の更新が続けられればと思っています。

183-260830「エイエンのゼロ」

2014年08月30日 | 小説・映画・など

 

 

P8016485 深大寺境内で見かけた夏の花

 

 

私も感動を持って読了したので、Sさんと会って話をしたくなった。まだ滞在されてい

たので部屋を訪ね、ちょうど居合わせた介護の若い女性職員も含めて3人で話し

た。 

Sさん     「ゼロ戦の格闘戦の部分はともかくとして、小説全体を貫く戦争のむな

        しさ共感でました。最後の部分は泣けて仕方がありませんでし

        た。戦争はません。」 

私        「ゼロ戦の空中戦の場面は男なので興味深く読みました。 でも反戦

        が内ることはそのとおりですね。 泣くまでには至りませんでし

        たが最後の一章が著者の主張のようですね。」 

女性職員  「私は映画で見ました。いい映画でした。泣けました。でも本は読ん

        いん。」

Sさん    「逆に映画は見ていません。」

女性職員 「岡田准一が主人公を演じていました。格好良かったです。」

私       「映画は想像が含まらないので本のほうが数倍面白いよ。」

Sさん    「私もそう思います」

50年の年代差がはっきりと露呈した。 映像では今黒田官兵衛を演じる俳優岡田准

一のイメージで主人が固定化されてしまう。 本を読んだ後に映画を見るのはいい

が、逆の接し方を私はしないでしょう。

身体の自由が利かずに大変な身ながら、こうして本を味わう利用者がいることに

動する。 そしてSさんの回復を願う。

 

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182-260823終戦関係の本を何冊か読む

2014年08月23日 | 小説・映画・など

 

 

Img_1043 藤岡市平井地区を走っていて時代物のレンガ倉庫を見つける。 富岡製糸場の世界遺産登録で古いレンガ作りの建物は見直されている。

 

 

 

我が家は神葬祭なので本は新盆という儀式は無い。しかし日本人の多数は盆

法要を身近に感じており、私もこの時期に彼岸から現世に故人を迎え、そして送っ

ていく仏教的行事に奥ゆくかしさを感じているので、お盆行事まがいの事はやっ

た。神棚を掃除し、普段よりも賑やに整え、心を込めて拍手を打ち、家人と酒を 

酌み交わしながら、故人を偲んだ。 母親に縁のあった何人かの方が訪れ、お線

を手向けてくれた。来客が途えればやることも無いので、太平洋戦争に関す

本を3冊読んで過ごす。

 

    「尖閣喪失」           大石英司    著

 

    「日本のいちばん長い日」  半藤一利     著

 

    「永遠のゼロ」          百田尚樹     著

 

悲惨な戦争を題材にしているが体験者の心理状況まで克明に描かれていて、各

書とも興味深い内容であった。

太平洋戦争を主題にした戦後間もなく発刊された本に「連合艦隊の最後」伊藤正

著がある。 これは戦争自体の記録であり、それを戦った人間の心理までは触

れていない。 「戦艦大和の最後」吉田満著は壮烈なる戦闘記録であり、全文が漢

文調のきわて格調の高い文章であり感動した。しかしこれとて戦闘そのものの

描写である。

「尖閣喪失」→ 過去の戦争でなく現代を描く。日中間で問題になっている尖閣諸

島に中軍が上陸する。しかし発砲は厳重に禁じられている。 これを撃退すべく

海上自衛隊が出動する。 こちらも砲が禁止されるが隊員1名が戦死する。暫く

にらみ合いが続く。 米国は安保条約にも関わらず事態を静観るだけ。 日本の

総理(なぜか石破幹事長がモデルみたい)は問題をこじらせるのを避け、自衛

にたいし一旦撤収する命令を出して辞任する。 尖閣は事実上中国の占拠状態と

る。

弱腰の日本政府の対応国民は苛立ち、自衛隊による武力奪回を強く求める

論が沸き上がる。本はそ先に触れぬまま終る。

不法占拠されたままでいいのか。なんのために世界有数の武力を持つ自衛隊な

だ。 岩だらけの無人島だがれっきとした日本領土を守れなくて何が自衛隊

だ。マスコミの報道がそれをあおる。尖閣の武力奪回を熱狂的に支持する国民の

姿が想像される。 太平洋戦争緒戦の勝利に沸いた70年前の日本国民の姿が

現される。

集団的自衛権論議などとうに踏み越えた近未来の日本の姿がそこに見える。 深

宗教対立もなく単一民族の日本人は一旦火がつけば世論は一つ方向に走り

す。真珠湾攻撃が米国民に火をつけたように。 その後の展開を読者の判断に

任せている。私はその後の展開を上のように推理してみた。

 

「日本のいちばん長い日」→ は終戦前夜の1日を1時間ごとに変わっていく緊迫

状況を丁寧に描き、読む者をその時間の渦中に取り込んでいく。 天皇の終

の詔書を無視して徹底的抗戦を主張する厚木航空隊、その影響を強く受けた埼

県の陸軍児玉飛行場。 

260818

埼玉県上里町、児玉町付近。 丸で囲った部分が旧日本陸軍児玉飛行場のあっ

た場所。 工業団地に変わっているが、若干の遺構が残る。

 

暑い日であったがその遺構を見るために自転車を走らせる。1辺が1.6kmほど

の正方形の土地が飛行場跡地。 左から工業団地のいちばん南の角。 次は

軍が落とした焼夷弾の破片、そしてここに飛行場ありと表示した記念碑。 さらに

図上の中央あたりを左下に伸びる道路、ここに滑走路があった模様。

 

 

 

 

 

Img_1057 Img_1059 Img_1060 Img_1063

現在工業団地に変わっているが、当時の滑走路が団地の中央を貫いている。 記

碑にも出会えた。 1.5km四方の広大な飛行場。当時の軍用機はこのくらいの

広さがあれば楽に離着陸できただろう。そしてあの日の前日まで飛行技術に未熟

な特攻隊員が南の空に向かって離陸していった。

Img_1068

     この地をば  南へ飛び立つ若者の  生死を知らず  夏草茂る

「永遠のゼロ」→ ご存知のベストセラー。 卓越した技量のゼロ戦パイロットだが

な飛行兵を取り上げる。 無理はするな、命を大切にしろ。 命があればまた

闘の機会がある。 無理して死んでしまえばそれまでではないか。 当時の禁句

堂々と述べ上官に疎まれる兵士の物語。 臆病というより当時の水準を抜く用

深いイロットなのだが。 

この本を読むきっかけはひょんなことにあった。 今私が従事している仕事に関係

るが、長くなるのでその説明は次回としたい。今年はいい小説にたくさんめぐり

合って幸せです。

   

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181-260816プライバシーより価値あるものもあるようだ

2014年08月16日 | 小説・映画・など

 

P8142914 ハゼの葉は早くも紅葉が始まった。

「北大恵迪寮の男たち」を読む。(向井承子著)

恵迪寮(ケイテキリョウ)と読む。 北海道大学の学生寮である。 昭和35年の安保

闘争の前後にこの寮で青春を謳歌した学生たちが、社会に出てどう生きてきたかを

何人かの人たちにインタヴューした内容。 ドキュメンタリーの部類に属するのだろう

か。

 

今70代後半に至った人達であるが、高度成長の中で立派に一家をなした人々が取

り上げられている。 そしてその人格形成に大きな役割を果たしたのが、この寮での

仲間との生活であったと結んでいる。

P8102837_2 えび???という花だそうです。

 

 

 

バンカラの気風がまだ少しばかり残っている私には以下の寮内の暮らしは興味

深々。しかし時代はバンカラという言葉を死語同然に押しやってまっている。 寮

部屋の配置は現代風に個室となっていてプライバシーは保たれる構造になって

るらしい。 しかし男子寮生はそのようには使用しない。 

 

毎年部屋替えがある。 そのとき上級生だろうが、「おれはこういう寮生活を送りた

い」と各棟毎にアドバルーンを揚げる。 その趣旨に賛同する寮生がそのフラッグの

に集まる。 一つの棟は廊下を挟んで10の部屋は個室としてではなく、目的毎に

使用されるのだそうだ。

 

すなわち、寝る部屋、勉強部屋、物置部屋、炊事部屋ときには蛋白源の卵を入手す

るための鶏を飼う部屋なんてのもあった。そうなると廊下は本来の目的ではなく立派

な共有空間として寮生の飲み食い、議論空間に変質する。 各学部の試験情報やら

講義のスケジュールがもたらされ、興に乗れば議論は夜明けまで続く。 こんな雰囲

気が好きな男たちにとってはたまらない空間となる。一つの棟が機能的な一つの居

住空間となり10人が共同生活をおくる。 

もちろん大学当局に見つかれば即刻退寮を言い渡されるが、昔からの伝統で寮生

の自治精神が尊重され、むやみに監視人が入り込むことは無いのだそうだ。

食事当番がありグループ全体の食事を作る。 家から送られてきた食料品はグルー

プ全員に配分される。アルバイトで得た金銭で購入した食料は自分のものであり同

時に仲間のものでもあった。そんな仲間との共同生活から一生の宝である友人関係

が構されるのかもしれない。  

 ♪♪ 都ぞ弥生の花むらさきに・・♪♪ 有名な北大寮歌はここの寮生の手にな

ものい。

 

20前にこの寮は男女共用になり、雰囲気ががらりと変わって現代的なものに変質

した。 しかしまだバンカラを好む学生はいるようで、男女が棟毎に区分けされている

のを利用して一部の棟は昔にもどりつつあるようだ。 

 

P8102841 ごぞんじ、カラスウリの花、(花には見えないが)

私は男子校の出身だが、青春の一時期異性を意識することなく、同性だけの集団で

人間を磨くのも面白いものだと思うが、考えが古いだろうか・・・

 

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180-260809ケンダイ高崎高校の活躍を期待する

2014年08月09日 | スポーツや趣味

 

 

 

 

P8056586 暮れかかる赤城山と雷雲。 仕事を終え赤城山を方面を見やると発達途上の雷雲。日高遺跡から撮影。

 

 

 

 

健康福祉大学付属高崎高校が夏の甲子園大会の群馬県代表を射止めた。 サイク

 

 

 

リングで頻繁に利用する井野川の自転車専用道路のすぐ脇に彼らの野球練習場が

ある。 自転車を止めしばし練習試合を見ることも度々ある。 またおそらく一年生部

員だろう。 柵越えのボールを回収する彼らと話をする機会もある。 高校1年生だと

近くで見ると体は大きいが、まだまだあどけない顔をした生徒のことが多い。ところ

がユニフォーム姿に身を固めテレビに映る彼らの顔は堂々たるもの。その違いにた

まげることもしばしば。 今回活躍した選手諸君ともそんな機会に話を交わしたかもし

れない。

P5282223 野球部員の汗がしみこんだ練習場。部員諸君はみな甲子園へ。一般生徒が野球をやっていた。 野球部の練習がかもし出すあの熱気はない。

ところで私は県立高崎高校のOB。 母校は過去に総理大臣を2人輩出し、OBには

役の文部科学大臣もいる創立110年を越える今は少なくなった男子高校。 野球

部は選抜高校野球大会にも2度出場した強豪校である。 今回の出場校は高崎

の前に県立でなく、健福祉大学付属(略してケンダイ)と付くが高崎高校で

ことには違いない。

3年前ケンダイ高崎が甲子園初出場した際、同期の同窓生の一人が憤慨してNHK

に抗議したという話を聞いた。 いわく 『高崎に高崎高校は一つしかない。 ケンダ

イ高崎高校と言っても、県外の人はケンリツ高崎高校と区別がつかないではない

か。呼び方を変えろ』 と。 抗議が通ったのか最近は「ケンダイタカサキ」と呼ばれて

いる。

地元では 「高高(タカタカ)」 と呼ばれる母校を愛する気持ちは同じだが私にはそん

こだわりはない。 まして練習を頻繁に見、かつかれらと直に言葉を交わしている

で応援する気持ちは人一倍強い。 近年群馬県代表の活躍が続いているので、本

大会でも活躍を祈る。(大会3日目、初戦の相手は山口県代表岩国高校と決まる)

 

 

 

 

 

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179-260802今でも天の川は肉眼で見えるんだ

2014年08月02日 | 旅行

P7226350 上野村楢原の戸数わずか2軒の神行の樹齢数百年の「さわら」

車の中で寝るというのでは、本来の野営が持つ野性味には欠けるところがある。

テントを張り(この季節ならテントも不要)、暗闇の中で焚き火を見つめ焼いたイ

ナを口にしながら持参の酒を飲む。やがて焚き火の火も心細くなり、それでは寝

袋に入るか。 こんなイメージを持っている。  こんな条件が揃う野営地はそうは

ない。 今回予定した場所も幕営、焚き火は禁止となっていた。

 

 

焚き火がないので夕飯を済ませるともはややることもない。 携帯電話もNETも圏

外、もちろんTVはなし、かろうじて地元のラジオ局から流れる語りに耳を傾けるだ

。 

早々に睡眠体制に入る。 しかし目は冴え渡る。 なにか不気味な感じは否め

い。何度も窓外を眺める。 いつしか浅い眠りに入り、そして目が覚める。何時?

まだ11時を過ぎたところ。夕飯のときは雲に覆われていた高原だったが、夜半の

夜空には雲が消え、なんと満天の星空ではないか。 カメラを手に車から出る。

見上げれば絶えて久しく見ることがなかった天の川が薄く見える。

プラネタリウムの世界がそこに拡がっていた。

P7236415 中央に上から下へかすかに天の川が写っている・・ はずです。 肉眼で見た光景を写真では再現できないのは残念。天頂から北を写す。中央下に写っているのはWを左に起こした形のカシオペア星座だろう。

そして日付が変わり周囲の山の輪郭が見え始め夜明けが近づく。 熟睡とはいえ

ないが行動には差し支えない程度の睡眠は取れた。車のガラスの内側は吐く息で

曇っている。車外に出ると寒い。セーターを羽織る。

P7236426 夜露にぬれみずみずしいレタス畑の朝

朝食を簡単に済ませて旅の一番の目的地大弛峠への林道に乗り入れる。 評判

の悪路、ダート道を覚悟するが乗り出し10分は心配したほどのことはない。沢を

危ない橋で対岸に移るととたんに舗装が切れ、岩くずや石ころだらけの道に変化

する。 これから1000m近くを登らなければならない。 道の状態は上に行くほど

悪くなり、落石注意の標識が頻繁に現れる。 ガードレールも無いところが多い。

奥秩父一帯は原生林の中、道を踏み外しても谷底に転落するという最悪の状況

はないと思う。 斜面の木に引っかかるだろう。 変速ギアをマニュアル2速に固定

し、タイヤを傷めないようにゆっくりと悪路を楽しみ(?)ながら峠を目指す。 4駆

はこんな条件下では実に頼もしい。(峠の標高は2360m) 

P7236431 P7236432 P7236434 P7236436_2

悪路最後のカーブを曲がると途端に世界が変わる。原生林の中の十文字峠の幽

な雰囲気とはほど遠い。 長野県側の悪路と対照的に山梨県側は興がそがれ

ほどの立派な道。 峠の駐車場も狭いがそれなりに整備されている。 好ましい

囲気というわけにはいかない。

P7236465 ダート道の行き着く先がこんな風景だとは予想していなかった。

このまま甲州側に下るのはもったいない。 往復で2時間とのことなので、国師岳

と北奥千丈岳の頂を目指そう。 人気ある山で登山道の半分は木組みの階段が

設置されている。 しかしこの高さの空気を吸っての登山は20年ぶりなので苦し

い。 奥秩最高峰の北奥千丈岳に立つ。標高2601m。 富士山は南の山塊に

妨げられが、南アルプスの各峰をはじめ百名山のいくつかが一望に眺められ

る。 双眼で覗けば金峰山頂の五丈岩に取り付く登山者がけし粒のように見え

る。 高山雰囲気は楽しめた。

P7236442 P7236443

しらびその樹林越しに南アルプス  

 

P7236461_2 P7236463

北奥千丈岳頂上                          百名山 金峰山

走るには快適な山梨県側の林道から金峰山の五丈岩に別れを告げる。

P7236468

 

 

 

 

 

 

 

 

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