上信電鉄のキハ型電気機関車です。1924年のドイツシーメンス社製の年代物が
いまだ現役で活躍。年表で調べるとナチスが台頭する前のドイツで第一次世界大戦
に敗れ天文学的な賠償金にあえいでいた頃です。電車で下仁田駅まで行き、みんな
でサイクリングしてきました。
本を読みながら各地を旅しています。この年齢になると興味ある各地をく
まなく見て歩くことは体力的にも経済的にも不可能になります。私はパソ
コンを使ってこんな疑似日本漫遊を楽しんでいます。
カシミールというソフトを使用します。日本の全土(北は知床から南は与
那国島までの20万分の1と5万分の1の両方の地図を手軽に見ることが
できます。この地図ソフトをいつでも参照できるようにパソコン上にスタ
ンバイしておきます。
「狗賓童子の島」という本を図書館から借りて読みました。舞台は島根県
隠岐の島です。
残りの人生でこの島に旅することは99%ないでしょう。でも後醍醐天皇
や後鳥羽上皇が流罪で流された歴史がある島です。旅情を誘います。
対馬暖流に洗われて新鮮な魚が食べられる魅力的な島というイメージです。
本の内容は天保年8年に大阪で起きた大塩平八郎の乱で平八郎の門下生だ
た河内の豪農の息子が15歳で隠岐の島に流罪となり、その地で医者とし
て活躍し天然痘やコレラの脅威から島民を救う物語です。文中の出てくる
地名を地図で確認しながら読んでいきます。
若いころから地図を見ていれば時間の経つのを忘れた経験を持ちます。
5万分の1の地形図だと大まかな山や川、田畑の様子が頭に浮かびます。
作中の人物になった疑似体験ができるのです。
本の舞台となった隠岐の島西郷町の5万分の1を画面に表示するとこん
な地図が表示されます。
更に素晴らしいのは、Google map です。数年前にこのソフトにstreet
view という機能が追加されました。当初は大都会周辺だけでしたが今で
は日本の津々浦々までカメラで情報を伝えてくれます。
こんな使い方をして私は各地を旅しています。もちろん現地に足を運んで
その場の空気を吸ったり、そこの名物を食べるわけではありませんが雰囲
気は十分に味わうことができます。上は隠岐島島後の西郷湾を北側から眺
めたところです。
隠岐の島、名前は承知していましたが、港の様子やどんなホテルがあるのか
海岸線からの景色、道路の状況等よく頭に刻みこまれ、観光案内では知るこ
とのできない島の全体像が理解できました。