面白いだろうなと思いながら追い抜いていく。
はやりの表現を使えばアラセブン(ティー)とでも言おうか、こ
のメンバーで自転車を走り始めて10年が経過する。決まった曜
日の決まった時間に集まり、10年1日のごとく同じコースを走
る。変わるのは季節と年齢だけ。
秋間川に沿い緩やかな登りが続くがいつも最後尾となる。
今の時期は走るには一番の季節。コースが変わらずともそれぞれの
年齢は加わっていく。最近気が付くのは平均スピードが5年前に比
べて明らかに低下している。タイムを競うわけではないので低下し
ても苦にすることはない。冬を除く四季折々の花をめでながら走る。
普段必ずしも健康に良いことばかりしているわけではないが、この
定例秋間走行が体の状態を見つめるのに役立っている。
休憩所で近況報告会
走り始めて1時間弱で途中休憩の交差点に到着。走りながらの会話は
危険が伴うので、この休憩地点がお互いの近況を語り合う絶好の場所。
競輪の選手だろう、プロの集団が軽快に通過していくのを見かける時
もある。速い、一陣の風のように走り抜けていく。
自分で撮影したのでここに私はいないが、このメンバーの中では私の
走力が一番劣る。年齢はメンバーの中の真ん中なのだが、他の仲間よ
り自転車一台分体重があるので仕方がないと諦めている。
向こうの橋を通過して一頑張りで峠に到着。
この場所から秋間梅林のある峠を越えていく。峠の頂上までに相当離
されるが、峠からはご褒美が待っている。車の通りも少ない快適なダ
ウンヒルが汗ばんだ体に気持ちが良い。体重過多は下りには威力を発
揮する。ペダルを軽く踏めば勝手にスピードが乗り、先頭に立つこと
もしばしば。後は緩やかな下り坂が続くのでありがたい。このコース
を選定してくれたのは写真では黄色で決めたA氏。一歳年上だが脚力
はいつまでたっても追いつかない。
先日の夜、しばらくぶりに市内の酒場で飲み語る。最高年齢のB氏の
怪気炎(?)を聞く。乗鞍の自転車レースに参加するというB氏の心
意気を絵の達者なC氏が画帳に書き記してくれた。女性像は自転車に
は関係ない。C氏は画帳を持ち歩きちょっとした時間にさらさらと書
き上げてしまう。羨ましい才能。
仲間には先に旅立ってしまったD氏がいた。息子が自転車店を引継ぎ
活気ある店に発展させた。店を任せて自由な立場で一緒に走れるはず
だった。気配り豊かなお人柄だった。この仲間を紹介してくれたのも
D氏。まもなく没後6年か・・・
人生の晩年でこんな友人を持てたことに感謝、感謝。