toboketaG の春夏秋冬 

雑文、雑感、懐古話そして少しだけ自己主張。
土曜日をベースに週1~2回の更新が続けられればと思っています。

170-260531歴史小説好きにとり信長は・・その1

2014年05月31日 | 旅行

 

 

P5186052 兼六園の根上がり松

世に歴史小説好きは大勢いる。 私もその一人。 時代の波に翻弄され、人を使う

ことの難しさ、業績を上げることに疲れ、振り返って何であの時に・・と思う。 そ

が人生さと悟り済ましたようなことをブツブツ言いながら納得させる。 それでも

何とかやってきた人間が現役と別れを告げ、ゆっくりと本読む時間を手にした。 

日本史を彩る人物に自分の生き様を重ね合わせ振り返ってみる。 こんな時間

が持てることが幸せなんだよ、と言い聞かせる。

このあたりで鉾を収めるのが人間の持って生まれた器の限界でしょう。

いろいろと歴史上の出来事を頭に叩き込むと、次に彼らの舞台を訪ねてみたい

いう気持ちが強くなる。 まとまった5日間ができたのでその旅に出かけた。

の一番の目的は織田信長が中世の倫理観を越えて、新しい時代の到来を誇示

すべく築城した安土城の跡地を訪れてみることだった。

下3回に分けて旅行記というほどのこともないが書いてみる。

初日は日本海に沿い北陸地方を西に進む。 親不知の険。 北国街道、北陸本線

そして北陸が急峻な地形を避け、トンネルでここを通過する。 これほどの地形

は知らなかった。 その昔旅人は潮が引いた僅かな時間に急いで渚を通過して

いったという。 そんな瞬間があるとは到底思えない程の急傾斜と波。

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親不知のSAから眺めた日本海(左)。 かすかではあるが佐渡や能登半島の山

みが見渡せる。 日本中どこにでもある平凡な海岸は間もなく様相が一変する。

不知の全景を見渡せる場所から眺める(右)。 陸地は日本海から垂直に近い

角度でいきなり立ち上がる。それはそのまま長大な県境尾根を形成し、尾根を登

りに登ればやがて北アルプス北端の白馬岳(2932m)に立つことができる。 途中に

平地はく無い。僅かな地形をくり抜いて3本の幹線が通過する。

 このSAの食堂のたら汁は絶品でした。

P5186008

その一つ。 北陸本線の旧線路が走っていたトンネル跡。明治末期の建造とあ

り、東京オリンピックの頃まで使用されたと書いてある。

P5186017 P5186018

海岸線まで急な崖を降りると、豪快に打ち寄せる波が砕け散る。 冬の日本海は演

にも歌われているが、もっと壮絶な光景だろう。 こんなきわどい海岸べりを京

都から奥州に向かう義経、弁慶の一行が800年の昔、通過していったのか。また

謙信が織田方が占拠する越中へ派遣した軍勢がこの隘路をどうやって通過した

のか? 少人数ならばまだしも、軍勢というからには少なくとも千人を越える規模

だったと考えられるが・・・

上杉謙信が越中に軍を進めた際つくった漢詩。

    九月十三夜陣中作

    霜軍営満秋気清    (シモはグンエイにミちてシューキキヨし)

    数行過雁月三更    (スーコーのカガンツキサンコー)

    越山併得能州景      (エツザンアワせエたりノーシューのケイ)

    遮莫家郷遠征憶     (さもあらばあれカキョーエンセイをオモう)

30年前、社命(???)で詩吟を習った。 その時この詩は吟じていてとても

良い気持になったのを覚えている。

 

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更にトンネルばかりの北陸道を西に進み、砺波平野に出る。 蜃気楼を期待して

魚津の海岸に出てみた。 沢山の見物客がその現象を待ったいた。 しかし地元

のボランティアガイドは天気が良すぎて今日は出ないだろうという(左)。

1時間粘ってみたがそのとおりだった。あきらめて先を急ぐ。振り返れば立

山、剣岳の前山が豊富な残雪をまとって連なる様が目に飛び込んでくる(右)。

木曽義仲がツノにたいまつを結んだ多数の牛で平家の軍勢を蹴散らしたという倶

利伽羅峠を過ぎると金沢は間もなく。

P5186045

加賀百万石前田氏が作ったご存知兼六園。 4回目だがいつきても絵葉書で

ね。 年齢からいって、もう次はないだろうと思うと見るほうも真剣になる。

 

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169-260524奇抜なミニバイクを見かける

2014年05月24日 | 車・自転車・機械

 

P5165974 今夜の酒のつまみは色鮮やかなぬか漬け。 炊き立てのご飯に見事にマッチする。

P4055796 今日紹介するものは左側のミニ電動バイクです。

右は今までのミニバイク。

今日紹介するのはミニバイク。 初めて見たバイクです。 通常エンジンがあって、後

輪を駆動するチェーンがあるはず。どこから見てもそれらしきものが見当たらない。

足を乗せる部分の裏側を見たが何もない。フレームがあるだけ。

エンジンあるいは電気モーターはどこに付いているのだ?

P4055797 P4055798

左はエンジンと駆動部分が見えるが、右の写真にはそれらしきものがない。

 

電気のコードのようなものが後輪のシャフトに差し込まれている。 そう後輪の中に

電気モーターが組み込まれているのだ。

P3275748 P3275752

ママチャリのようなスタンドが付いているのはご愛嬌。

P3275753 会社のお嬢さんに乗ってもらった。 少々窮屈そうな感じ。 普通にスリムな女性なんですが。

電気モーターは回転を得るには構造も簡単で熱効率も他のエンジンよりも優れてい

る。しかも動き出す時に最大の力を出すことができ、いいこと尽くめ。 その制御方

式もコンピューターの進歩で改良がなされており、 今後機械的にエネルギーを取り

出すものに替わっていくと思う。

それはそれで良いことなのだが、こと車となると内燃機関に引き付けられる。 なんと

いっても人間らしさがある。 スバルの水平対抗エンジン(ボクサーエンジンという)な

んかたまらなく人間臭さがある。

今夜もジェット戦闘機の爆音が聞こえる。 厚木の米海軍艦載機の訓練だろう。 私

は全く苦にはならないが、「市役所には何とかしろ」 との苦情が持ち込まれている

と思う。 地方の市役所で解決できる問題ではないでしょう・・・   といつも思う。

「善処します」というお役所独自の返事でなあなあになるのが関の山。 徹底した取

締りでひところよりも減ったが深夜に改造マフラーからの爆音を発して傍若無人に

走り回るバイクのほうがずっと腹が立つ。

 

 

 

 

 

 

 

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168-260517天寿を全うした人

2014年05月17日 | もろもろ

P5095970 弱い生き物は沢山の種(卵)を作り、その何千個にひとつが命をつなぐ。強い生物は数少ないものを大事に育てて代を重ねる。

先日親戚筋の老人が天寿を全うされた。 享年98歳。 1月の母親の死の際も感じ

たが、世界一の長寿社会の日本といわれているが、元気で100歳という壁は相当に

厚い。 この壁を乗り越えた方々は驚異的な生命力といわざるを得ない。 親からも

らった素質、普段からの節制そして何事にも前向きな気持ちの強さ。 こういった諸

条件が揃って初めてこの壁の向こうを覗ける資格を持つとしか言いようがない。

さてこの方の葬儀で、故人が生前に楽しまれた俳句について親族代表の方が触れ

た。 

           青あらし

             村一番の  大けやき

  故人のふるさとの光景でしょう。 May Storm の強風にゆすられる若葉が眼前に迫ってくる。

そして棺を覆う前に残された妻がそっと中に忍ばせた短冊に書かれた俳句。

           散水に

             虹一瞬に 消えにけり

  暑さにうだった夏の夕暮れ、水を欲しがる庭の鉢にやさしく水遣りをする際に経験がある。

  打ち水により、どこからか静かに忍び寄る涼やかさが表現されている。

この二つの俳句に込められた故人の気持ちを胸に秘めて出棺を見送る。 ご立派な

人生だったと思います。

俳句に触発されて、ご子息にそのけやきの場所はどこでしょう? と問う。 故人の

生まれた旧M村であり、W川の近くと説明される。 式場からの帰途、時間があった

ので駄目だろうと思いながら現地に寄ってみる。 多分神社かお寺の境内と見当を

つけて探し回る。

神社にはそれらしきケヤキは見当たらない。 通りかかった地元の方に尋ねるが知

らないとの返事。 あきらめて国道に戻り、左右を見ながら暫く走ると左手の民家の

家並みの上に夕焼けの空を背景にこんもりした森が見える。 国道を離れて脇道に

ると、これだという高い樹が目に飛び込んできた。 

こじんまりした公園の中にその樹はあった。 樹齢は300年位か。 けやき独特の枝

を大きく広げて存在感を保持している。 

P5015952 P5015960

村の鎮守の森                           村一番のケヤキに相違あるまい。

P5015964 整然とした枝分かれ。 樹盛きわめて良好、200年後には天然記念物指定間違いなし。

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167-260510急に思い立って漱石を読む

2014年05月10日 | 小説・映画・など

P4225933 家の前を流れる用水に沿って満開のはなみずき

朝日新聞朝刊に夏目漱石の「こころ」の連載が100年ぶりに始まる。 中篇小説で完

了までに半年はかかるだろう。 

P4295947 朝日新聞4月29日付け。連載8回目

愛用している Kindle を開くと、この本は電子版で無料で読むことができる。 著

作権が終了した作品ゆえの特典。 これを利用すれば1週間で読了するだろう。早

速にダウンロードしてみる。

 

 

P4295946_2 P4295948 Kindle版

 

明治の文豪の小説にして漱石の代表作ともいえる本書は20代で一度目を通した記

憶がある。しかしただ暗い内容だなといった印象。 というより理解できなかったとい

ほうが適切か・・・

最近読む本は現代作家のテンポの良い、かなり刺激的な本が多い。 たまには文豪

の作品を読むのもいいのかな。 1/3位まではやはり現代本に比べるとテンポが遅く

若干いらだつ。 しかし中盤の「先生」の遺書以降のテンポは速い。

登場人物は 「私」 「先生」 「K] の3人が中心で3人を取り巻く人々が若干登場す

る。 その3人の心理描写が素晴らしい。 若い頃には理解できないことが今私の年

齢になると、非常に素直に受け入れられる。 文豪といわれるだけのことがあると感

銘する。

これだけの作品は私ごときに、書評がかけるわけが無い。 ご興味のある方は是非

本書を呼んでいただきたいと思う。 最もこの作品の真価が解かるのは文学部の学

生は別にして、軽いものがお好みの今の20代では無理かな。

中学校以来の友人で読書好きな友人、今は再起不能な状態で病床にあるT君が

言っていた。「同じ本でも読む年齢により、読後感は違うもんだよ。」 まさにその通り

でした。 20代では理解できない内容も40代では半分理解できる。 70代になると

心にしみわたるように理解できる。 また作品の印象がまるで異なってくる。 今日

「こころ」を読み終わってそのとおりだなと思う。本の読み方を教えてくれたT君に感謝

しなけらばならない。

 

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166-260503「予科練」という言葉を知る世代と知らない世代

2014年05月03日 | 介護・医療・健康

P4195930 仕事で疲れた目を休めるために会社のデスクから左後方に目を転じると、線路を越えた向こうに芝桜で見事に彩られた家が目に飛び込む。

以前に少し触れた記憶があるが、デイサービスを利用するS氏は愛用の予科練の制帽

をかぶって通ってくる。 Sさんと呼びかけると、きりっと口を結び、海軍式の敬礼で挨

拶を返しててくれる。 骨太な印象を受ける顔。 制帽の徽章が少し曲がっているの

が現代の平和を象徴している。

P4245934

いろいろな話をしてくれた。 氏のように15歳くらいの年齢で予科練に入校して訓練

に明け暮れているうちに終戦になり、ご苦労もあっただろうが戦闘を経験せずに戦後

を過ごした方々は青春の一時期を同じ世代の仲間と共同生活をしながら、厳しい訓

練を続けたことが今になっては良き思い出になっているのだと思う。 

パソコンで予科練の訓練の模様を動画で見せてあげたら本当に喜んでくれた。 言

い過ぎかも知れないが氏にとり、はるかに過ぎ去った戦争は良かれ悪しかれ青春を

一杯かけた思い出なって頭の中に刻み込まれているようだ。

P4245936_2

式典や外出時にはかぶったと思われる制帽は70年の歳月を経て、一部は黄色く変

色してはいるが、手入れがいいのだろう、型崩れはしていない。終戦時に18歳だと

すれば少なくとも88歳にはなっているはず。 つい最近まで会の名前は聞き漏らし

たが、同期の会合を数年ごとに開催していたようだ。 さすがにまとめ役も年を重ね

会合はできなくなったと残念がっていた。

 

何度も書いたが沢山の個性的な人生の大先輩に接して、話を聞けることは大きな喜

び。 そして皆さんも昔話に付き合ってくれる存在が喜びであってくれればこんなに幸

せなことはない。

https://www.google.co.jp/search?q=%E4%BA%88%E7%A7%91%E7%B7%B4&tbm=isch&tbo=u&source=univ&sa=X&ei=k3JcU72JItTd8AWjj4GoBQ&sqi=2&ved=0CDsQsAQ&biw=1260&bih=851

お若い皆さんは↑ をクリックしてください。 予科練の様々の写真が見られます。

これらの写真に写っている中に若き日のS氏がいるかもしれないし、また神風特攻隊

散った隊員が何人もいると思う。 

専守防衛といっても現実に戦いが始まれば必ず死者は出る。 国を守るために命を

落としても死者の家族、友人は悲しみにくれる。 命を掛けて守るに値する国であり

国民でなければ死者も浮かばれない。

軍備というものは難しいものです。 また70年も平和が続くということも奇跡なのは歴

史の証明するところ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

P4245938

そのデイサービスの庭は枝垂桜は終わったが、芝桜の色彩が鮮やかな姿を見せて

いる。 今は平和そのものです。

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