先日、所用で嬬恋村まで行く。 その途中で建設、いや中止と大きな政治問題にな
り、この地の住民(特に川原湯温泉の関係者)が振り回された八ッ場ダムの付帯工事
の現状を見ることができた。
道の駅の人に、「建設続行の方針がひとまず決まったので良かったですね。」 と声
をかけた。 「半世紀だからね。 ひどい目にあったわ・・」
方針が決まらないというのは当事者にとっては、将来設計が決まらないことであり、こ
の間その不安感は大変だっただろうと思う。 個人的にはもうダムは要らないのでは
との主張に賛成なのだが、工事がここまで進行しているものを中止するのは人の気
持ちを踏みにじる無情な決定と思える。 仮に中止となったらこれまでにつぎ込んだ
巨額な税金が無駄になると同時に、建設途中の構造物が愚かな政策の象徴としてさ
らし物になってしまう。 原爆ドームの保存とは次元が異なる。
下の写真のような美しい自然がダム湖の底に沈んでしまうのは残念だが・・・
完成し通行可能な橋の一つ 橋から上流を見る。丸岩が目の高さに
右上の森の向こうが川原湯温泉街 JR長野原線の単線軌道と旧国道
完成した橋上から眺めると遥か下に川原湯温泉街が緑に覆われて見え隠れし、その
50mほどの高さにダム完成後には湖畔の宿が出来るであろう移転予定地の造成が
進んでいる。 JR長野原線の単線軌道が鉄道模型のように走る。 特に何があると
いうのでないが、深い緑に覆われた景色は心を癒してくれる。 日本固有の美の一つ
だろう。
気のせいか道の駅の関係者にもやっと方針が決定したことによる安堵感が漂い、明
るく振舞っているように見えた。
ところでダム本体の完成はまだまだ先の話。 付帯工事は先行してかなり完成して
いる。 その中でも完成した橋(ダムが完成すればダム湖の上を横切る)、その一部
は一般車両が通行できる。 それぞれの橋のデザインが実に個性的。
またここを通ることがあればそれらの橋を紹介できると思う。