toboketaG の春夏秋冬 

雑文、雑感、懐古話そして少しだけ自己主張。
土曜日をベースに週1~2回の更新が続けられればと思っています。

386-300526榛名山群天狗山南面ルートは私の山歩きレベルを超えていた

2018年05月26日 | 山登りというより山歩き

 

榛名山群の天狗山に登る。頂上は巨石累々。 

 

歩行軌跡が見られるアプリ(geographica)で現在地を確認しながら登る。

下の林道から北に向かって登り、左の林道から下山する予定だった。

登山口の案内板。これを見る限りこれから先に待ち構えていた少し過激な

コースには見えない。私の技量、体力からすれば看板に偽りあり、きつい

登山だった。少なくともハイキングというレベルではない。

軽トラが走れる林道から山道に分け入る。爺氏の数年前にブログには方向

板は欠損していない写真が載っていた。

30分も歩いたところの休憩所。この辺りは登山道としては整備されている。

次第に傾斜きつくなる。傾斜の程度を写真に収めるために登山道から横向き

に撮る。高度を上げるにつれて更に傾斜を増す。当然に道は不明瞭ならがも

小刻みな稲妻形に踏まれている。

大規模に岩が露出した高さ20mほどの岩場基部に祭られた石宮。ここを右

に回り込むようにして尾根に登りあげる沢に添って道が続いている。

トラロープは藪山には結構見られるが、確認しないと危ないものも多い。

ここのは違った。15mmはあると思われる太い非常に安心感のあるものが

延々と尾根に出るまで張られている。私のリュックに常備の登山用ザイルが

8㎜、本格的な岩登り用だと10mmか11mm。それらに比しても二回り

も太い。こんな安心感たっぷりのロープは使わせてもらわなければ設置者に

申し訳ない。

天狗山に東から続く尾根にたどり着く。登り始めて1時間半ほど要した。

ここから西に向かうやせ尾根を暫く西進する。あちこちに石碑がある。信

仰の山なんだろう。昭和7年建立というのもあったのでそれほど古くはな

さそうだ。そして天狗山東峰と呼ばれるピークに到着。

累々と重なった巨石だらけの頂上からは関東平野が一望に。見える辺りが

高崎市街地か。何故この山上に巨石が? タモリ氏ならずとも不思議に思

う。もちろん運び上げたものではあり得ない。とすれば造山活動で高みに

なった場所の柔らかな部分が風雨で流れ落ち長年の周囲の浸食もあり、固

い部分が残ったということだろう。それにしてもでかい。

南西方向を見る。 

 

中央が裏妙義山塊、その左上に荒船山そして頭が雲にかくれたあたりが八

ヶ岳連峰さらにその左遠くに南アルプス駒ケ岳らしい雪を纏った山。この

季節にしては澄んだ空気の中で見渡すと西上州の山々は緑のじゅうたんを

下からこぶしで持ち上がたかのように見える。

お行儀よく一列に並んだ小さな鳥居は何を意味するものだろう?

そして簡単に西峰に到着。暫く休んでから地図では左下に引かれた林道に

向かって尾根を下り始める。山中では頼りになる赤テープ等は全くない。

GPSで現在地を確認しながら下り始める。いつもそうだが降りる尾根にう

まく乗ったと思えるまでは不安。100m近く下ったところでその尾根が

下降不能な角度で落ちこんでいるような場所の手前に出てしまった。もは

や先に進むことは出来なくなった。少し焦ったのかその状況を写真に撮る

のを忘れてしまった。GPSで確認するも、先ほど確認できた地点からpoint

は動いていない。スマホがGPSの電波を捉えられないのだ。安全な樹に身

体を保持してもらいながら再度確認するもダメ。こうなると一人歩きの高

齢者登山の限界。これは引き返すしかない。この判断は間違っていなかっ

たが、昇り返しはきつかった。西峰まで戻り、リュックを下ろしてスマホ

の画面を確認する。GPSは正常に現在位置を指している。考えるに頭上に

覆いかぶさる深緑になってきた広葉樹の葉が上空からの電波をさえぎって

いたようだ。降りた尾根は予定の尾根よりも僅かに東の地図には現れない

ような小尾根だったかもしれない。 GPSには往々にして発生する現象だと

聞いていたので納得。ここからは安全第一で往路を忠実に出発地点まで戻

った。                     5月20日の山歩き

 

話は変わるが、ここへきて北朝鮮は首脳会談に応じないかもしれないと言

い始めた。会談を有利に持っていこうという彼等なりのブラフなのだと思

う。このことをしたたかさと表現して持ち上げる論評もある。外交にはこ

うした脅しも必要と言う。そうなのだろうか? 私には曲りなりも核を手

にした悪ガキの勝手な言動としか受け取れない。そんな手段でしか影響力

を行使できない自動車一台作ることのできない弱小国の悲しさではなかろ

うか。果たして24日にトランプ大統領は首脳会談には応じないと言明。

さて金正恩の次の一手は? 

 

もう一つ。

アメフトの試合でルール違反を承知で相手選手にタックルした選手の記者

会見を見て、彼、宮川泰介君が10年後にどんな風に成長しているか見て

みたい。私も多くの国民同様に彼の会見は立派のものだと感心した一人。

20才の若者に栄光あれ・・・

 

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385-300519かっての養蚕農家の2階に上がる

2018年05月19日 | もろもろ

その昔信越本線松井田駅はスウィッチバックの停車場だった。駅が本線よ

りも高台にあり、各駅停車は本線に停止後バックで駅まで戻りながら登っ

た。その駅も西松井田駅と名前を変え、平凡な田舎の駅の一つになってし

まった。軽井沢駅の先、御代田駅にもこの機構があったと記憶している。

その駅舎の近くで見かけたアヤメの群落。こんな光景は田舎ならでは。

 

富岡製糸場の施設や周辺の養蚕農家が世界産業遺産に登録されたのは数年

前。ここ中山道の道際の農家も少なくとも30年前までは盛んに養蚕をして

いた。それらの元農家の一軒に立ち寄り、2階に見る機会があった。

1,2階を貫くケヤキの通し柱を中心に養蚕の現場が残っていた。柱近く

の機械はマユのケバを落とす装置らしい。裸電球の先にカイコ棚が、奥に

回転まぶしと呼ばれていたカイコがマユを作る時利用されるちょっとした

道具が積んである。重力を利用してまんべんなくカイコがマユ作るように

した道具。道具といっても細い厚紙をマス目にした一辺が40cmほどの

正方形の枠。真ん中に太い針金を通し、縦にして隙間なく配置する。そこ

にマユ生成にまで成長したカイコをばらまく。各マス目をカイコ一匹が占

有するようにするための装置。片寄ると重みでくるりと半回転し上下が反

対になる。何とも簡単な仕組みだが革命的な方式と聞いた。重力を感じて

自分の位置を割り出すのは動植物を問わず生物共通の能力のようだ。

輪島、貴花とあるのは、亡くなった北の湖元理事長の前、今でもダンディ

ーな雰囲気を維持する相撲解説者元横綱北ノ富士の力が衰えてきた時代。

世代交代で力をつけてきた両力士だろう。貴花とあるのは横綱日馬富士の

愛弟子への暴行問題でマスコミを騒がせた貴ノ花親方の父親。黄金の右上

手と称された輪島は今どうしているだろうか? 亡くなったとは聞いてい

ない。

幾重にも張り重ねられた新聞紙に日付が見つかった。昭和63年5月7日

とある。調べてみると、このひと月前に瀬戸大橋が開通している。

隅っこにマユが数個落ちていた。よく見ると中のサナギが食い破った跡が

ある。もう30年近くこの状態にあったにしては白さが際立つ。

中山道から見た養蚕農家。屋根や窓枠は補修してあるようだが、家その

ものは明治中期の建築。100年は優に超えている。

 

私は農家に生まれてはいないが、当時の養蚕の風景はよく記憶している。

2階ばかりか、最盛期には庭先にも簡単な雨よけを設けその下で、足ら

なければ居住空間にまでカイコ棚が作られた。旺盛な食欲は一夜のうち

にクワの葉が食い尽くされる。葉を食べる音が夕立の雨音のように家中

に響いていた。木部だけになった枝は小屋の側に積み上げられて、乾燥

させてかまどや風呂の燃し木になった。実に巧みな循環形農業が繰り拡

げられた。高台の農地は桑畑が拡がっていたが、今は宅地にならないよ

うな畑はこんにゃく畑に変わってしまった。

 

 

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384-300512パソコンの初期化に挑戦して成功

2018年05月12日 | パソコン・IT

再訪した上信国境余地峠の馬頭観音。往時の旅人にならい無事を祈って

手を合わす。

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峠から県境に沿って1337mの三等三角点に至る。そこから目指す地点

(海から一番遠い地点、左上の赤のマーキング)に行くには、地形図で

の予想よりもきつそうな斜面を降りなけれならない。見下ろした感じで

は手がかりとなる樹の枝は充分にあるし、いざとなれば30mのザイル

もあるのでゆっくり降りれば問題はなさそうだが、帰りにここを登ぼる

のか、と考えると足が先に進まない。未知のコースに不安がつのり、こ

の地点で引き返す。3度目の訪問は多分ないだろう。    30.5.6

 

使用中のパソコンの動きがギクシャクしてきた。先月末からおかしいぞ、

こんな状況が続くと、近いうちに動かなくなりそうな予感。月曜日その

日がやってきた。何をどういじってもインターネットに繋がらないし、

エクセルもワードも動かない。普段から頼りにしているので、これが一

番困る。

幸いタブレット端末やスマホがあるので、たいがいのことはそちらでで

きるので当座は困らない。が見るだけならともかく入力や写真編集そし

てブログの更新などはやはりパソコンでないと能率が悪い。

このパソコンはDELL製で5年ほど前にW7で手に入れ、3年前にW10

への無償バージョンアップを経て、半月前まで調子良く動いていた。多

くの場合がそうであるように原因なんか判りようがない。

さてどうするか?

ダメもとでやっちまえ! かなりいい加減な気合で過去2回ほどこんな

状況を乗り越えた。初期化してしまうか。以前と違い昨年までのデータ

は外付けHDDにコピーと同時にSugarsyncという優れモノとも同期し

てある。今年に入ってからのものはDropboxでクラウドと同期している

から、作成したドキュメントの復元はまず問題はないはずだ。

 

こんな本を購入し、見ながら初期化に挑んだ。

ちょっとだけおかしいぞ、という際によく開く画面から入る。

けっこう親切にガイドしてくれる。

中止するなら、今しかない。リセットをクリックすれば後戻りできない。

エイや!

待つことしばし。コーヒーを飲みながら読みかけの本を読んで待つ。

 

家庭内の朝の私の役割を済ませ10時から取り掛かった。正午に初期化

が完了。この状態だと作動するのはマイクロソフトとのか細いラインだ

け。どういった仕組みで繋がっているかは知らない。文書入力、写真編

集、ブログ作成等日常当たり前のように動いてきた作業はできない。焦

らずにゆっくりお昼を済ませる。午後1時から初期化に伴い消えたソフ

トを一つずつダウンロードを始める。最初はネットとの接続だ。いくつ

かのミスはあったが、16時までに今まで使用していたソフトの大半が

復元ができた。払った犠牲もあったが、基本ソフトWindows10の最

新版をインストールしなおしたということだと判った。 

 

なにかと動きが鈍かったいパソコンがほぼ真っ新な状態で蘇った。サク

サク感が嬉しい。有難いことに個人用のファイルは消えてなかったので、

外付けHDDの出番はなかった。ソロバンのゴハサンと同じでさっぱりし

た。人も過去をこんな感じで清算できれば悩むこともないのだが・・・

自己責任の最たるもの。自分のパソコンだから指南書を見ながらならこ

んなことができるが、不調になった人様のパソコンに手出しするほどの

男気はない。

 

 

 

 

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383-300505山歩きと二本の映画、一冊の本で過ごしたGW

2018年05月05日 | 小説・映画・など

 ゴールデンウイークは現役諸兄にとっては貴重な豪華連休。申し分ない

季節、家族サービスに励んでおられると思う。私にはそんな時期も遥か

昔の思い出となってしまった。ほぼ毎日がお休みである身には特別な意

味はない。それでも現役諸兄がそろってお休みを楽しんでいると思うと、

やはり普段とは違う。

 

連休の初日と最終日に同じ地域の日帰り山歩きを楽しむ。初日はブログ

でふれた上信国境の余地峠を訪ねた。概ねの地形は頭に入ったので、今

日あるいは明日はそこを起点として県境を北に辿り、「海からいちばん

遠い地点」を群馬県側からを踏むことを計画している。無事にをそこを

踏んできたら番外編として記してみたい

 

さて、

初日と終わりの山歩きの間、二本の映画と一冊の本で私なりには充実し

日々を過ごした。

 

先ずは映画。一本目は「ラーメン食いてえ!」当地に50年は続いたと

思われる清華軒というラーメン店の味を孫娘が引き継ぐお話。この店は

2年前に後継者がおらず、惜しまれながら店をたたんだ。店を知った40

年前から月に1度は通って伝統的なラーメンを味わってきた。跡継ぎを

期待された息子は漫画家なる。彼の手になる漫画が映画化された。何度

も暖簾をくぐった今は閉鎖された店の厨房や客席が登場し、懐かしい。

ストーリーも映画ならではの迫力場面が登場する。キルギスの荒涼とし

た平原、事故で怪我を負いながらも生き延びた料理評論家(彼はかって

ここのラーメンを食べ絶賛している)が、生還を目指して荒野を必死

さまよう。死を覚悟して叫ぶ「ラーメン食いてえ!」。そして力尽く。

上空にそれを狙う猛禽類が旋回する。その直後幸運にも遊牧民に救出さ

れる。この独白が題名となる。

 

そして、

一日おいての二本目の映画が「ウィンストン・チャーチル」。

ご存知大戦時の英国首相。映画の大画面いっぱいに英国議事堂の内部が

大写しになり、チェンバレン首相の後任者選びの場面。怒号が飛び交う。

立体音響でその迫力が凄い。議会制民主主義のお手本として英国議会は

各国が制度を模倣した。本家である英国議会の論戦をまじかに初めて見

た。我が国議会の激しい、時には品位のない言葉やヤジにの困ったもの

だと思っていたが、そんなレベルでない。栄光ある英国が国家存亡の危

機にある、どうこの難関を突破するのか、議員の真剣さが怒号のやり取

りとなって伝わってくる。攻勢を強めるドイツ軍に追われて30万の英

軍はドーバー海峡のフランス側の都市ダンケルクに追い詰められる。ヒ

トラーと和平交渉か徹底抗戦か、護衛もなく地下鉄に乗ったチャーチル

は乗客の生の声を聴く。

「 独裁者にひれ伏すよりも徹底抗戦だ。 Never !  Never! 」

リーダーの決断が下される。徹底抗戦だ。英国中の民間船が徴用されて、

英軍は海峡を渡ることができた。この攻防戦が1940年(昭和15年)

7月のこと。 その5年後ヒトラーのドイツは崩壊する。

 

そして読書。

冬至は一年で昼間の時間が一番短くなる。それは北にいくほどそれが顕

著になる。ノンフィクション作家角幡唯介は言う。地理的な探検はもう

地球上には残っていない。未知の大陸も、未知の部族も未知の山も海も

でに無くなっている。何か未知なる探検はないか。氏が行きついたの

が、闇。

北緯80度近くまで北極に近づくとそこは冬至を挟む前後一ヵ月近くは

太陽の光が届かない暗黒の世界が拡がる。満月の時期ならばかろうじて

月明かりが弱い光を落とすがすぐに月は欠けてゆく。そうなると24

間深い闇が支配する世界となる。地上の生命ある万物、少なくとも哺乳

類は光があることを前提に生命が維持されている。24時間闇が続くと

肉体も精神もいろいろな異常現象が起こる。デンマーク領のグリーンラ

ンドの最北部を一匹のエスキモー犬を連れて70日かけて歩き、その闇

を体験する。戦うのは闇だけでない。極寒や凶暴な暴風、シロクマや狼

の来襲、不足していく食糧そして孤独。危機を乗り越えて帰還する。

その旅で起こることを詳細に記したのがこの本。探検に相応しい未知の

領域だ。GPSや衛星電話は使わないはずだったが、最終局面ではこうし

た機器を受け入れざるを得ず。半分自嘲気味に語るが、その辺りは著者

の人間性が滲みでた場面だった。

 

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