toboketaG の春夏秋冬 

雑文、雑感、懐古話そして少しだけ自己主張。
土曜日をベースに週1~2回の更新が続けられればと思っています。

309-281224ここにもこだわりの趣味人、その作品を見る

2016年12月24日 | もろもろ

  市内循環の電気自動車

 

本年はこだわりの趣味人に何人もお逢いできてお話を伺った。どの方

も趣味とはいえその道を究めようと少年のように目を輝かせて思いを

熱く話してくれた。こうしたお気持ちは肉体を若く維持する特効薬だ

と思い知らされている。

さて今週は世界産業遺産に登録されて大きな注目を集めた富岡市製糸

場にでかけた。目的はここで蒸気の力で実際に動いている蒸気エンジ

ン(ブリュナエンジンという)を見るため。1週間前に行ったのだが

運転時間を終了していて動態は見ることができなかった。

 

その時の話で、お好きなら始動時を是非見てほしいと言われ、今回は

9時半には現地に着いた。さすがまだ火は入っておらず、警備員が一

人見守っていた。製糸場内を一巡して戻る。このお二人が始動の準備

をしていた。ブリュナエンジンはSLとは違った原理で動く蒸気機関と

思っていたが、原理的にはSLと変わらず。創業時のフランスの技術

の名前と知った。展示場外のプレハブ小屋に現代の家庭用小型のボ

ラーで灯油を燃やして蒸気を作る。できた蒸気を導管でここに繋げる。

お二人で各部に注油している。始動点検だ。回転部分にボールベアリ

ングは使われておらず、すべてメタル軸受となっているので潤滑油は

かせない。やがて蒸気も所定圧力に近づき始動開始だ。

クランクの先には直径が3m近いフライホイール(重量3t)が付く。

自力では始動しない。お二人がかなりの力を込めてホイールにぶら下

るように初期回転を助ける。周りはじめは実にゆっくりした感じで

何か心細い。 

5分くらいで回転が滑らかになってきた。お二人はホイールから手を

放す。機関は自力で回転するようになった。 

そうなるとお二人に話かける時間ができたので、快調に回る機関の横

で詳しい説明を受ける。迫力ある回転の模様を動画で紹介したいとあ

れこれいじってみたが、わが才能では無理と思い断念します。要はピ

ストンの往復運動がクランクを押して回転運動に変わるだけです。

 

自動車のエンジンには詳しいので、専門的なことも聞いてみた。まず

問したのは出力。17馬力ということ。 馬力は回転力(トルク)

と回転数の関数。回転数は一秒一回転程度なのでトルクは意外に大き

いようだ。道産子馬のような鈍重だが力持ちといった感じか。更にし

つこい質問に誠実に答えていただいた。今年お逢いした趣味人の皆さ

ん同様に質問されることが嬉しくてしかたないようだった。

 

製糸場創業時のエンジンは愛知県の明治村に保管されていて、今見て

るのは完全なレプリカだとの説明。退職後の技術者が可能な限りの

原型に忠実に作り上げた。したがって各構成部品は新品。潤滑油で磨

き上げられた鉄塊は私の感覚では銀色に鈍く光り輝き得も言われぬ雰

囲気を醸し出していた。この鉄の存在感がたまらない。いずれの日に

か、この動力を使用して一部で構わないので、紡績機械が動くことを

念じる。そうると世界遺産も一層価値あるものになるのではないか、

などと思いながら帰途につく。

 

次の土曜日は大晦日となりなにかとあわただしいで、更新はこれが本

年最後とします。1年間ご覧いただき感謝申しあげます。どちら様も

良いお年を迎えられることを祈念申し上げます。  toboketaG 拝

 

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308-281217toyota発展のスタートになり、私の人生にも関係した初代クラウンに再会。

2016年12月17日 | 車・自転車・機械

 

正統的というか伝統的との表現が良いのか、多くのファンがあった喫茶店「あすなろ」が復活していた。


午後4時からの1時間ほどの散歩コースにトヨタの販売店がある。

先日ここを通りかかったらショールームに懐かしい車が他の新車を圧する

感で鎮座していた。

 

トヨタ自動車初代クラウン(正確にはその後期モデル)。昭和37年頃

製造なのでもう50年以上経っている。まだ車検を取って公道を立派に走

れるようだ。

私はある事情で、高校卒業とともにこの会社に就職し、そこで整備士と

て4年間働いた。今では考えられない劣悪な作業環境の中でこのトラ

ックの修理をしていた。どちらかといえば非力な若者だったが、仕事に

従事したことで頑丈体質に変わった。職業としての整備士は4終わっ

たが、その後に就いたいくつかのではこの体力でかなりの無理もこな

してられた。そういう意味でこの車との出会いは私の人生に影響した

ろ大である。そして車の構造を熟知することでその後所有することが当

たり前になった分の車を長く乗り続けるとができた。(何台かの車

20万km以上走った)

この形式のトヨペットクラウンは隅から隅までの構造やそこかしこに使

されるボルトやナットの形や種類を思い出すことができる。工具とジャッ

キ、バイス付の作業台があればでも殆どの部分を分解してまた組み立て

ることできるだろう。

当時の車はよく壊れた。修理してその機能を元に戻すのが当たり前だった。

アッセンブリーで交換ということはいくつかの例外を除けばった。殆

どのアッセンブリーはボルト1本に至るまで分解洗浄し、不良部分のパー

ツを交換ないしは修理して組み立て車に戻した。必然的に車の造を熟知

することができた。

 

中でも国産初の自動変速機トヨグライドの修理は面白かった。ダブルク

ッチという運転技術が残っていた時代に自動変速機は驚異の技術だった。

プラネタリュームギヤとかハイポイドギヤという特殊な歯車も知った。ま

トヨタよりも日産の方が元気があった時代であった。修理工場に持ち込

まれるトヨタ車ばかり見ていたので日産は壊れない車という先入観が植え

付けられた。

改めて運転席周りを見てみる。初期モデルに比較すると随分と洗練され

いる。初期ではフロント一枚ガラスでなく2枚で真ん中に枠があった。

暖房装置はオプション、冬場に使うチョークがあった。寒冷時これを引い

てエンジンをかけたことを私世代は経験している。暖房機のない車の寒さ

は尋常ではなかった。後期モデルではオートチョークのキブレータが装

備されて冬の朝にエンジン始動で失敗することが少なくなった。(失敗す

るとガソリン吸い込み過ぎになり点火プラグが濡れてしまうと暫くエンジ

がかからなかった。)それほど深くこの車の整備に携わっていた。4気筒

1990ccのエンジンも見たいのでボンネットを開けてと申し出たが受

付の孫世代の嬢さんにやんわりと断られた。座席に乗り込むこともドア

に触ることも止なのだそうだ。半世紀の歳月がこの車をレガシーにして

いる

 

こんな思い出を語っていると、いつの間にやら歴史の証人という年代に

ていることに気付き呆然とする。

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307-281210西郷隆盛は実際どんな容貌だったのか?

2016年12月10日 | 小説・映画・など

 クリスマスを間近にして出荷準備に忙しい近郊の園芸農家。

 

大して広くもない築50年を越える家が我等老夫婦の住処。一時は

親と二人の息子と共に住んでいたが御多分に漏れずに老夫婦二人

の住まいとなってしまって数年が経つ。

特に2階は息子たちが住んでいたのだが、故郷を離れてそれぞれが

を持つと殆ど使われることもなく、不用品や夫婦それぞれの趣味の

材料やら作品の置き場となってしまっていた。用事もないのでしばら

く入ったこともなかった。初冬のよく晴れた日、様子を見に2階へ上

て驚いた。南側に2階屋が新築されて以降この時期になると太陽の

恵みをあまり受けなくなった1階と異なり日差しがサンサンと入り込

みなんと暖かいこと。壁の温度計は25℃を指していた。

これは倉庫代わりしておいたのではもったいない。不用品やら亡母の

遺品やらをすこし片付けて畳2枚分の空間を確保した。

物置にあった古いこたつ板を適当の大きさに裁断し、これも適当な足

を見つけてコーナー机風にしてみた。中国製の安価な椅子を買い求め

る。階下の光回線のルーターからはWiFi電波が出ているのでネット環

境は問題ない。スマホでyou tubeに接続しさらにbluetoothでコンポ

に繋げ私の好きなジャズをはじめとする曲を有線放送のBGMのように

流しておく。晴れてさえいれば冬至に近い低い角度の太陽光で温めら

れ10には16℃、正午には20℃を楽に越える。午後は更に室温

が上昇こんな状態が夕方4時ころまで続く。快適な読書空間がコス

トをけずに手に入った。冬だけは恵まれた場所に住んでいると感謝

する。

 

さて有名な西郷隆盛の肖像画。右はキヨソネという人の作品らしい。

ともにどこか作為が感じられる。右の肖像は上半分は実弟の西郷従道、

下半分はいとこの大山巌とか。維新の傑物は殆ど写真が残っているが

西郷さんだけはないようで、実像が浮かんでこない。

先日あるテレビ番組で紹介された肖像画。これがその写真。

大分県日田市のあるお寺にしまわれていたものとか。この顔なら実際

に近いのではないかと思わせる。気品を併せ持つ。充分に存在し得る

容貌だ。西南戦争では日田市も戦場になったようだが、その前年にこ

こを訪れた西郷を当時の住職が描いたものらしい。とナレーターは解

説していた。写真の上部に番組名が入っていることで画像の無断借用

をお許し願いたい。

 

それやこれや快適な書斎(?)も手に入ったことだし、有り余る時間

持て余さないように本に向かっている。今熱中しているのは司馬

郎著「菜の花の沖」文句なしに面白い。なにがおもしろいか? 

氏の小説は主人公が生きた世の中の仕組みや習俗風習を丹念に描く。

それがあってか、高田屋嘉兵衛が本から飛び出し私の頭の中で躍動し

ている。

 

 

 

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306-281203今週はあまり身体を動かさなかったので・・

2016年12月03日 | もろもろ

 ある朝起きたら珍しい濃霧

 

この1週間は読書とテレビの映画鑑賞で身体をあまり動かさな

った。これはよろしくない。適度の運動は老体には必須のこと。

週末に林業試験場の構内を散策する。

 

本は開高健著「ロビンソンの末裔」を読みふける。主人公は妻と幼

い子を連れて北海道に向かう途中、終戦の報を青森から函館への船

中で聞く。東京を引き払ってきたので、戻る選択肢はなくそのまま

寄辺りの未開の原野に入植する。ここから数々の悲劇が展開し、

20所帯ほどの入植者5年後に残ったのはたったのは2家族。小

説の舞台とさほど離れていない良野や美瑛も今でこそ本州の観光

客を魅了する広大な畑も大変な犠牲があったと推察される。美瑛町

のパッチワークの丘の畑に一本そびえるポプラの木はこうした先人

の労苦の一部始終を眺めていたわけだ。志賀直哉や司馬遼太郎に代

表される短め文節でテンポよく形成された文章に慣れた頭に

者の長い文節に違和感をじたがすぐに慣れた。

 

映画鑑賞は専らNHKBS3の午後1時からの放送を録画しておいてコ

ーシャル中断なしの往年の名画2作。「知りすぎた男」ジェーム・

スチュアート、ドリス・デイ主演と「アラビアのローレンス」共に

何度目かの観賞。後者が今回の放映のために4Kテレビ用に編集し

なおしたのなので、鮮やかな映像で楽しめた。

 

そして今日は読書もほどほどにして完璧に澄んだ碧空と寒風の中、林

業試験場の構内を散策する。

榛名山の山腹に位置する。さほど広くはないがなかなか趣のある森が

拡がっていた。

葉を落とした樹間を通して見る赤城山。

    

県内の名木のDNAを後世に遺すべく接ぎ木で子孫を残す。

 

森の落ち葉の中に見慣れぬ足跡。多分イノシシのものだろう。

葉を落とした樹々に中にこんなみずみずしい緑が残っていた。

 

構内に野鳥病院と名付けた建物があり。いくつかの檻があった。

傷ついた野鳥を預かり治療して野生に返す施設らしい。一つの

ゲージの中にハヤブサがいた。近づくと経過して盛んに首を回

して警戒する。近くで見ると意外に大きい。

 

 

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