都市部周辺では滅多に見ることがなくなった素朴な焚火。 11.21 自転車秋間定例走行の休憩所にて
平凡な地方都市だが本市には本格的な映画館がある。なかなか話題性の
高い映画を上映してくれる。今日はロシア映画と思われる「ヒトラーと
戦った22日間」というのを見に行った。
ユダヤ人の移送列車が多分今のポーランド領だと思われるとある駅に到
着するところから映画は始まる。機関車が吐き出す水蒸気、ダイナミッ
クな動輪と連結棒の動きが緩慢になり貯まった制動用の蒸気を一気に吐
き出すと停止する。列車から溢れ出るすユダヤ人の憔悴しきった表情・・
映画ならではの大型画面と立体音響で迫ってきて先を期待する。しかし
話が進むにつれ残酷な場面が頻出し、耐えられないので半分が過ぎたと
ころで退館してしまった。リアルに拘るあまりここまで残酷さを出さな
くとも思う。半世紀も前に見て今でも時々TV放映されるS.Mcqueenほ
か往年の人気俳優が出る「大脱走」を連想していたのだが。
甘くはなかった。
ドイツ軍の捕虜収容所からの連合軍兵士集団脱走は実際にあったと聞く。
「大脱走」はそれを題材にしての映画だが内容はほぼフィクション。
マクイーン演じる陽気で大胆なアメリカ軍兵士がドイツ軍のオートバイ
を奪って牧場を逃げまわり最後に鉄条網にからめとれれるシーン、同じ
く脱走に成功したジェームスコバーンが街角のカフェでコーヒーを飲んでいる。
そこにドイツ軍の捜索車両が乗り付ける。隠れ対独レジスタンスの店員
がその場を繕う。街角の自転車の鎖をペンチで切断し荷物を荷台に括り
付けて何食わ顔でその場を立ち去る。名場面が頭に浮かび何度見ても面
白い。
他にチャールスブロンソン、ロハートボーン、ジェームスガーナー等豪華キャストを英国俳優
リチャードアッテンボローが引き締める。珍しく女優が全く出てこない。
「ヒトラー・・・」はこれも史実らしいが、はるかにリアル、それが歴
史の真実により近いのかもしれないが、それゆえか残酷場面が多すぎる。
有名なアウグシュビッツのユダヤ人虐殺の惨劇があった収容所の近くで
も別の似たような事件が起きていた。違うのはその収容所のユダヤ人は
それに抵抗して脱走という行動に打って出たこと。成功したか悲劇に終
わったのかは最後まで見ていないのでわからない。成功したと信じたい。
本からだけの知識だが、旧日本軍も占領地で眉をひそめるような残虐行
為をやった聞く。それでもドイツ軍(というよりヒトラー軍)のやった
限界まで人間性を追い詰め最後には殺してしまう残虐な行為は草食系の
日本軍兵士にはできなかったのではないか。肉食系のゲルマン民族の狂
気としか言いようがない。実体験があるはずがない私の浅薄な知識では
判らない。戦後のドイツはそれを深く反省し、10年前くらいまでは収
容所に関係し指揮系統の上位にいた元兵士をどこまでも追い続け、死刑
を含むそれなりの処分をしていた。その執念はさすがドイツだなと思う。
そして
私事だが、クロスビーなる車の契約を済ます。いろいろな駆け引きを
楽しませてもらった。長くなるので次回に回します。
いずれ車が1台になる日がきて、その状態が数年間続きそして免許証返
納の時が訪れる。その判断を自分で出来るか、つれあいからの懇願か、
はたまた子供たちからの有無を言わさぬ命令になるのか? そうした体
力、認知力の衰えさへ理解できない状態にだけはなりたくないなと念じ、
その日が近づくまで車ならではの外出を楽しみたいと思う。