糖尿病は不治の病であって、徐々に進行し、最後は合併症で苦しみながら、生涯を終える、という印象があって、事実、そのような経過をたどっている人を知っている。
事実はどうなのか。先日から話題にしている糖質制限は、糖尿病患者にとって、福音であり、希望の灯火となっている。糖質制限をすれば、すべての数値が良くなるというのだから、これは素晴らしい。
日本では、糖尿病患者、その予備軍が大勢いる。それだけでなく、一般的な食生活にも大きな影響のある話であり、根本からいわば生活を変えるものだから、そのインパクトは大きい。
さて、その効果について、エビデンス(証拠の意味だろう)がない、という話がある。夏井先生もまだ2年しか経験していないから、証拠不十分という。
ただ、著書を読んだ方はわかると思うが、単純な思いつきによる仮説ではない。それこそ、自然科学の成果を縦横に駆使しながら、まさに、広い視野からの提唱であり、理系科学者らしい説得力がある。
これに真っ向から反対するには、なかなかたいへんである。インターネットで見る限り、きちんとした反論ができていないように見える。
長い歴史習慣のうえに、日本人の食生活が続けられてきている。国際的な比較や、さらに、この問題は探求が続けられることだろうが、すべての分野において、こうした、従来の常識が破られて新しいステップへ、人類が進化していけばと思う。