映画であるが、オペラ風の演出。歌う台詞が中心だから、ペースがゆったりした雰囲気になる。ストーリーはシンプルだが、迷い、揺れる心理の葛藤もあり、登場人物の思いのすれ違いがあり、悲しみがあり、怒りがあり、そして、感動がある。
いい映画であった。神が何度も、台詞の中に登場するが、神は何もしていないといいたい。しかし、施設としての教会の有意性は、肯定するしかない。これがなければ主人公が生きていく手段がなかったのだから。
そして、貴族、富裕層に対する学生の反乱、抵抗、熱情、恋。介在する卑劣な、貪欲な人間達。信念に生きようとして、敗れる人間。悲劇的なジャンバルジャンの人生だが、救いがある。すべての人間に与えられる方法、結末。
最後の瞬間にどう思えるかが、ポイントにみえてくる。最後の瞬間をどう迎えるかは、そのプロセスにある。プロセスがいい加減では、ラストもしまるわけがない。
シンプルに人生を考え直す。原発についても、憲法9条にしても、国際間の揉め事についても、答えは簡単である。将来の子供達の姿を思いうかべるならば、取るべき道は自然に決まるといいたい。