ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『南の島のフリムン』

2009-08-06 22:13:09 | 新作映画
-----フリムンって、聞いたことのない言葉。
どういう意味ニャの。
「沖縄の言葉で“愛すべきバカ”。
この映画は、監督がガレッジセールゴリ。主人公はもちろん彼自身。
それ以外のキャストも日本人はすべて沖縄出身者で固めているんだ」

----へぇ~っ。外国人俳優も出ているんだ。
「と言ってもボビー・オロゴン(笑)。
この映画は、その沖縄に住む愛すべきおバカたちが繰り広げる
なんくるないさ~(使い方間違ってるかも)なお話。
ゴリ扮する主人公、栄昇は、幼いころに両親と死別。
育ての親代わりの三線が得意な60歳のマサル(照屋政雄)、
やたらと滑舌の悪いタコス屋の息子のヒトシ(諸見里大介)という、
愉快な友だちと毎日、仕事そっちのけでバカなことばかりし楽しく遊んでいる。
そんなある日、栄昇はコザにあるポールバーで、
新人ダンサーのオレンジ(レイラ)に一目ぼれ。
ところがそこに超マッチョなアメリカへのマックス(ボビー・オロゴン)が現れる。
ふたりはオレンジを賭けた1対1の決闘で恋の勝負をつけることになる…
こういうお話だ」

----ニャんだか、嘘みたい。
のどかというか平和というか…。
「そう。そののどかさがこの映画の特徴。
しかも、これに加えて登場するのが
謎の占い師(夏川りみ)に、
伝説の空手家おばぁ(平良とみ)というんだから、
もう開いた口がふさがらなかったね。
たとえば、この占い師はサーターアンダーギーを使って占いをしながら、
いつしかパクパク食べることに夢中。
空手家おばぁの家には、ライオンと戦った写真が家に貼ってある」

----ニャるほど、これは脱力系のお笑いだニャ。
「そういうこと。
ゆるいゆるい。
マサルの息子はいつもおならしているし、
マサルの車はブレーキが壊れていて人にぶつかってばかり。
でも、本にっは気にしちゃいない。
そんな中で始まる『ベスト・キッド』顔負けの猛特訓。
それを心配そうに見守るマサルの娘りみ(AKINA)。
このりみが実は栄昇を好きというのも、
この手の映画のパターン。
そういう意味では、これは安心しながら観られる映画。
それだけに、映画に新しいものを求める人には向かないかもね。
そうそう。DA PUMP も特別出演。
KEN、ISSAが出ているよ」



フォーンの一言「栄昇、マサル、ヒトシ…どこかで聞いたことあるニャ。」
おっ、これは


※鋭い!それはBEGINだ度

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猫ニュー


『色即ぜねれいしょん』

2009-08-05 22:25:00 | 新作映画
----あれっ。この映画も観たのってずいぶん前だったよね。
確か、気に入っていたはずなのに、
お話するの、遅くニャい?
「うん。最初は
「シネマのすき間」で喋ろうかとも思ったんだけど、
ちょっと、下ネタが多いので自主規制」

----下ネタ?そこ外すして喋るわけにはいかニャいの?
「それは無理だね。
この映画のキモはそこにあるといってもいいくらいだもの。
原作はみうらじゅん、監督は田口トモロヲ
これは、あの快作『アイデン&ティティ』のゴールデンコンビ。
さてお話は、ざっとこういう感じ。
主人公の乾純(渡辺大知(黒猫チェルシー))は京都の仏教系男子校に通う高校一年生。
ボブ・ディランに憧れる彼は、ロックな生き方を目指している。
そんな彼が友だちから誘われる。
『フリーセックスの島行かへん?』。
かくして彼は仲間と3人で夜汽車とフェリーを乗り継いで隠岐島へ向かう」

----ニャるほど。ちょっと喋りにくいかも。
「でしょう?
この時代の高校生の頭の中って、アレしかないといっても過言じゃないものね。
ぼくらの頃にも、そんな噂に誘われて怪しげなセミナーに行った奴がいた。
それはオウムなどが出てくるより、はるか昔だけどね…」

----でも、そんな映画、どうやって
「シネマのすき間」の切り口を見つけようと思ったわけ?
「それは、ユースホステル。
これは懐かしかったなあ。
ぼくは行ったことなかったけど、
あのころ、旅と言えばそればかりを利用しているヤツいたからね」

----ユース?
「うん。これは本当に安い宿泊施設。
ただ、決まりが厳しくて男女別の相部屋が原則。
で、夜になるとミーティングと称されるものがあって、
みんなで歌ったり踊ったり語り合ったりする」

----あらあ、青春だニャ。
「その空気感が時代をよく出しているんだ。
ギターを抱えて歌うのは(峯田和伸(銀杏BOYS))。
その曲『旅に出てみよう』(※ここで聴けます)なんて、
吉田拓郎のファースト・アルバムだったかに、
歌い出しがまったく同じ歌詞の歌があった。
(※正しくは「街を出てみよう~」でした。
yama_eighさん、ご指摘ありがとうございました。
ほかにヒッピー役で岸田繁(くるり)も出ている。
このふたり、いまのミュージシャンなのに、
なぜか、“そういえばあの頃よくいたな、”って感じを見事に出している。
この映画は、それだけでもぼくにはフィット。
あと、オモシロかったのが主人公・乾純の両親。
これをリリー・フランキー&堀ちえみ
ふたりとも、やたらと物分かりがいいんだ。
だから、乾純は反抗する気も起きない。
歌を作れば『吉田拓郎みたいね』と言われる」

----ヒロインは?
「これはふたり。
ぼくのおススメは隠岐島で出会うオリーブを演じた臼田あさ美
プレスなんかには、いかにもいま風の美人で写っているけど、
スクリーンの中の彼女はいい。
僕もあの頃知り合っていたらコロっといっただろうね」

----あらあら。向こうが相手にしてくれないに決まってるのニャ(笑)。

         (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「今もユースってあるのかニャ?」小首ニャ

その後にはペンションブームが起きた度

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猫ニュー

『HACHI 約束の犬』(@「シネマのすき間」)

2009-08-04 18:48:13 | 新作映画
-----あらあら。
えいが、またまた目を真っ赤に腫らして帰ってきたよ。
そうなることは、行く前から予想がついていたのに
やっぱりニャあ。
えっ、予想がつくような映画ってニャにかって…。
それは、この時期だもの決まっているよ。
『HACHI 約束の犬』
公開日がこれまたご丁寧に8(ハチ)月8(ハチ)日だって。
ちょっと笑っちゃうよね。
あっ、笑っちゃいけないか。
こんな主人思いの犬の話をしているのに。
でも、よ~く聞いたら、
秋田犬って、なにかをするとき、
それは、人間が喜ぶからではなくて、
自分が、そうしたいからするんだって。
まあ、それはフォーンも同じだけどね。
その気高き秋田犬が、
あるとき、初めて人間を喜ばせようとあることをする。
ここがこの映画の泣けるポイントらしい。
もちろん、それも突きつめると、自分がそうしたいからだとは思うけどね。
あれっ、ニャに言っているか、自分でも分からなくなっちゃった。
詳しくはいつものとおり「シネマのすき間」
を覗いてみてね。
そうそう、主演は日本映画のリメイクではおなじみ、リチャード・ギア
日本語吹替えは北大路欣也というのが話題になっているけど、
それはリチャード・ギアの吹替え。
ハチの声じゃないからね。
そこのところよろしく。
あれっ、キャラが違ってきた。

           (byフォーン)

「ハチの、あの眼が泣けるのニャ」2009.4.7フォーン


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猫ニュー

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『母なる証明』

2009-08-02 23:26:44 | 新作映画
(英題:mother)

----これも、プレスの中に
「ご紹介にあたりましてのお願い」が入っていた映画だよね。
そういのって逆に身構えるからやめてほしいって言ってなかった?
「そうだね。
できれば配るのは
映画が終わってからにしてほしいってところはあるけど、
まあ、そのことを自分もここで言っちゃっているわけだから、
ぼくも同罪か…。
さて、今回の“お願い”は大きく分けると次の3つ。
(1) ストーリーはここまでに。
(2) トジュンの役柄設定は、監督は詳細については言及していない。
(3) トジュンの母親の役名は、監督の意向によりつけられていない。
この3つだね」

----トジュンって、だれよ?
もしかしてウォンビンが演じている青年の名前?
「うん。お話というのは、これ以上ないほどにシンプル。
ある女子高生の殺人事件が発生。
事件の第一容疑者としてトジュンの身柄が拘束される。
無実を信じる母(キム・ヘジャ)は、
息子の疑惑を晴らすために、
たったひとりで真犯人を追っていく…」

----確かにシンプル。
でも監督が、あの『殺人の追憶』ポン・ジュノ
これは緊迫に富んだ映像が期待できそうだニャ。
「そういうこと。
ぼくは、あれこれストーリーをいじくり回したものよりも、
こういう、一言で内容を語れる映画の方が好き。
物語をシンプルにしている分、
映像や演技、そしてそれらを含めた演出によって
映画としての見せ場を作っていくわけだからね。
この映画なんて、冒頭、冬枯れたような草むらで
いきなり主人公の母親が奇妙な踊りを始めるところから始まる。
えっ、もしかしてこれってミュージカル?
と、あっけに取られているうちに舞台は一転。
悪友と遊ぶ息子を見守る母親のハラハラした目線と、
そちらに気を取られながら包丁を握る彼女の危なっかしい手のカットバック。
果たして次に何が起こるのか、
このシーンだけで傑作の予感が高まってゆく。
さてそこからはもう怒涛の展開。
ちょっとした小道具の使い方、
そしてそれを追う不自然なカメラの動き。
まさに、映像で語る映画とはこのことだね」

----ニャるほどね。
この母親に役名をつけないというのは、
特別な母親を指しているのではなく、
母親一般のことを言おうとしているわけだね。
英題もズバリ「mother」だし…。
犯人探しということはミステリー。
ストーリー制限が出るのも仕方なし…
と、これで「お願い」のふたつまでは分かったけど、
トジュンの役柄設定云々というのは?
「う~ん。これは言いにくいなあ。
プレス、チラシの言葉をそのまま引用すると、
『子供の心を持ったまま純粋無垢に育った“小鹿のような眼をした”青年』」

----やっぱり意味分かんないニャあ。
でも、ウォンビンが5年ぶりの映画出演。
それだけでも、観に行く価値ありそうだニャ。


         (byえいwithフォーン)

フォーンの一言
「これは『グエムル/漢江の怪物』に続いて家族を守る話なのだニャ」
身を乗り出す



最後は「ほほ~っ」と声をあげた度

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