-----これはタイトルですぐ分かる。コリアン・ホラーだね。
おや、顔色がすぐれないけど...。
「ふぅ~っ、怖かったあ。
途中で3人も退席者が出たほど。
うん、あれはこのまま観ていられなかったに違いない」
-----おやおや、『コックリさん』のときとは正反対だ。
ということは、演出が相当にうまかったんだね。
「そういうこと。あの映画の時、
なぜ怖くないか、その理由をいくつか挙げたけど、
これはそれをすべてクリアしている。
まず、霊は動かないで“そこにいる”。
さらに霊のアップも見せすぎたりしない。
長い髪の奥の目をチラリ見せるだけ」
-----ニャんだ。それじゃ『リング』じゃない。
「結局はそうなんだけどね。
心霊現象が起こる前に、
不安感を煽るシンプルな音を流すところまで似ている。
ただそれで思い出したのがダリオ・アルジェントの『サスペリア』。
これはさらにそれを一歩進めた演出法だったけどね」
-----どういう意味?
「戦慄と恐怖の前に決まって流れるのがゴブリンの旋律。
その手法が何度も繰り返され、
観客も慣れてきて、くるぞくるぞと身構えていると、
何も起こらず肩すかしを食らわせる。
そこでホッとしたところに、突然超弩級の恐怖が舞い降りるというわけだ。
まさしく観客との心理合戦----」
-----ちょちょっと。遠い目になってるけど、話がそれてません。
「あっ、ごめんごめん。
さてこの映画では、
現像室のように狭い密室的空間で呪い殺される恐怖を出すかと思えば、
人気のない邸宅=広い空間における恐怖も見せきる。
いやあ、この監督キム・テギョンはとても新人とは思えない。
ホラー映画のツボをよく知ってるよ」
-----でも、物語はありふれてるんでしょ。
すぐに、因縁話の<奥>が分かりそう。
「そうでもないよ。じゃあ、少し話を整理してみよう。
ヒロインのジウォンは記憶喪失の女子大生。
その彼女の周りで高校時代の友人たちが次々と変死したり、
精神に異常をきたしたりする。
ジウォンを演じているのは『彼女を信じないでください』が
今年公開されたキム・ハヌル。
その明るく愛くるしい顔の裏に実は....というのがまずうまい」
-----あれっ、ネタバレにならない?
「いや。これは大丈夫。
だって観ているうちにすぐ分かるからね。
さて、実は彼女は、かつてイジメっ子のリーダー格。
この欠落した過去がジウォンの記憶の甦りとともに、
観る方にも徐々に明らかになっていく。
やがてジウォンと友人たちに起こる奇怪現象は、
彼女らがいじめていたスインという女性の行方不明に関係あることが分かる。
そこで、その決定的なことが起こった場所へ、
ジウォンは自分の過去を求めて向かうわけだ」
-----なるほど分かった。それでチラシに
『あなたの恐怖を涙に変える』なんて書いてあるわけだ。
(※若干のネタバレありかも)
「確かに、クライマックスは感涙モノ。
ところが真の恐怖は、一件落着と見えたその後から始まってゆく。
しかも、全ての真実が明らかになった後でさえも、
製作サイドは観客に挑戦してるかのような演出法を見せる。
『果たしてこの話の恐怖の<着地点>はどこなのか?』
それこそネタバレになるから詳しくは話せないけど、
後で考えてみると、けっこうこの映画が抱えているものは深い。
人が持って生まれた本質=心は、たとえ死んでも変わらないのか?
ある体に、体を失った人の魂が入った場合、それはだれなのか?
それにしても、このラストショットは強烈。
ちょっと読めないだろうなあ。
細かいこと言えば、突っ込みどころは多いんだけどもね」
(byえいwithフォーン)
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おや、顔色がすぐれないけど...。
「ふぅ~っ、怖かったあ。
途中で3人も退席者が出たほど。
うん、あれはこのまま観ていられなかったに違いない」
-----おやおや、『コックリさん』のときとは正反対だ。
ということは、演出が相当にうまかったんだね。
「そういうこと。あの映画の時、
なぜ怖くないか、その理由をいくつか挙げたけど、
これはそれをすべてクリアしている。
まず、霊は動かないで“そこにいる”。
さらに霊のアップも見せすぎたりしない。
長い髪の奥の目をチラリ見せるだけ」
-----ニャんだ。それじゃ『リング』じゃない。
「結局はそうなんだけどね。
心霊現象が起こる前に、
不安感を煽るシンプルな音を流すところまで似ている。
ただそれで思い出したのがダリオ・アルジェントの『サスペリア』。
これはさらにそれを一歩進めた演出法だったけどね」
-----どういう意味?
「戦慄と恐怖の前に決まって流れるのがゴブリンの旋律。
その手法が何度も繰り返され、
観客も慣れてきて、くるぞくるぞと身構えていると、
何も起こらず肩すかしを食らわせる。
そこでホッとしたところに、突然超弩級の恐怖が舞い降りるというわけだ。
まさしく観客との心理合戦----」
-----ちょちょっと。遠い目になってるけど、話がそれてません。
「あっ、ごめんごめん。
さてこの映画では、
現像室のように狭い密室的空間で呪い殺される恐怖を出すかと思えば、
人気のない邸宅=広い空間における恐怖も見せきる。
いやあ、この監督キム・テギョンはとても新人とは思えない。
ホラー映画のツボをよく知ってるよ」
-----でも、物語はありふれてるんでしょ。
すぐに、因縁話の<奥>が分かりそう。
「そうでもないよ。じゃあ、少し話を整理してみよう。
ヒロインのジウォンは記憶喪失の女子大生。
その彼女の周りで高校時代の友人たちが次々と変死したり、
精神に異常をきたしたりする。
ジウォンを演じているのは『彼女を信じないでください』が
今年公開されたキム・ハヌル。
その明るく愛くるしい顔の裏に実は....というのがまずうまい」
-----あれっ、ネタバレにならない?
「いや。これは大丈夫。
だって観ているうちにすぐ分かるからね。
さて、実は彼女は、かつてイジメっ子のリーダー格。
この欠落した過去がジウォンの記憶の甦りとともに、
観る方にも徐々に明らかになっていく。
やがてジウォンと友人たちに起こる奇怪現象は、
彼女らがいじめていたスインという女性の行方不明に関係あることが分かる。
そこで、その決定的なことが起こった場所へ、
ジウォンは自分の過去を求めて向かうわけだ」
-----なるほど分かった。それでチラシに
『あなたの恐怖を涙に変える』なんて書いてあるわけだ。
(※若干のネタバレありかも)
「確かに、クライマックスは感涙モノ。
ところが真の恐怖は、一件落着と見えたその後から始まってゆく。
しかも、全ての真実が明らかになった後でさえも、
製作サイドは観客に挑戦してるかのような演出法を見せる。
『果たしてこの話の恐怖の<着地点>はどこなのか?』
それこそネタバレになるから詳しくは話せないけど、
後で考えてみると、けっこうこの映画が抱えているものは深い。
人が持って生まれた本質=心は、たとえ死んでも変わらないのか?
ある体に、体を失った人の魂が入った場合、それはだれなのか?
それにしても、このラストショットは強烈。
ちょっと読めないだろうなあ。
細かいこと言えば、突っ込みどころは多いんだけどもね」
(byえいwithフォーン)
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ホラー大好きだし(爆)
公開劇場新宿ジョイシネマっていうのが微妙な理由なんですけどね(笑)
この映画に、この時期コメントがいただけるとは
思ってもいませんでした。
新宿ジョイシネマ。最新情報では8月下旬とか。
でも怖かった。
終わってから知人に、何度も「怖かった」と言ったら、
彼は「『人形霊』もいいですよ」と、さらりと言ってました。(笑)