-----なになに?まだ6月というのに、
アカデミー賞最有力候補だって?
「いくらなんでも気が早すぎるよね。
ロン・ハワード&ラッセル・クロウ、
そしてレニー・ゼルウィガーとくれば、
確かに何かやってくれそうだけど」
-----可能性あるの?
「まず難しいだろうね」
----そりゃまた、あまりにもあっさり(笑)。
「一番の理由が、主人公がボクサーと言うこと。
『ミリオンダラー・ベイビー』に続いてこれでオスカー取ったら、
『ハリウッドはそれしかないのか?』になっちゃう。
もちろんテーマはまったく違うけど...」
-----この映画の主人公って、どんな人なの?
実話とかも聞いたけど...。
「前途有望なボクサー,ジム・ブラドック。
彼はタイトル奪取を目前にして、右手の故障に見舞われてしまう。
時は1929年。折しも全米に吹き荒れた大恐慌の嵐により、
彼の生活はどん底に陥ってしまう。
そのため手の骨折も申告せず、ファイトを続けていたんだけど、
ついにそれを知られてしまい、
ボクサーのライセンスを取り上げられてしまう」
-----うわあ。立ち上がれないなあ。
でも『シンデレラマン』というからには、
彼、きっと再起するよね。
「うん。その前に、この貧窮生活の描き方が凄まじい。
自分のプライドを捨てて生活保護の列に並び、
さらにはボクシング委員会へ赴き、金銭的援助を乞う。
しかし、ある時、ランキング2位の選手の対戦相手が見つからず、
元マネージャーのジョー・グールドが彼に話を持ってくる。
一夜限りのカムバック。
ところがそれこそはアメリカ中を希望で包み込む、奇蹟の序章だった.......
という、お話さ」
-----えっ、ずっと困窮生活なのになぜそんなことが可能なの?
「それはね。骨折した右の利き腕をかばって肉体労働を続けるうちに、
左の腕に強烈な左パンチを与えていたと言うことなんだ」
-----う~ん。これってタイトルそのまま。
みんなが思ってた『ミリオンダラー・ベイビー』みたい。
「そういう先入観をもたれちゃうところが、
この映画の損している部分。
本当は彼のシンデレラ・ストーリーを取り巻く人間模様、
そして彼がずっと胸に抱いている信条が泣かせる」
-----たとえば?
(※少しネタバレ注)
「彼に復活をもたらす話を持ち込むジョー・グールド。
彼は、いつもきちっとした身なりをして、
自分では手を汚さない勝ち組のように見せているけど、
それは仕事のためで、実は彼の家の中は空っぽ。
このジョー・グールドを演じているのが『サイドウェイ』のポール・ジアマッティ。
今度こそ、彼にオスカーあげたいと誰もが思うほどの魅力的な演技だ。
また主人公のジム・ブラドックは何のために闘うのか問われて....」
----問われて?
「ただ一言『ミルク』と答えるんだ。
普通は、もっとカッコつけた言葉が出てきそうだよね。
でも彼にとって最も大事なのは<家族>。
その家族を苦しめたくないというのが、ジムが闘う最大の理由なんだ。
途中、彼がプライドを捨てた行為に出るのも、
風邪のためよそに預けた子供を取り戻すため、
まずはストップされた電気を再開させようというわけだ」
-----う~ん。確かに感動的なお話だけど、映画としてはどうなの。
「その軸に<家族愛>を置いたことで、
サクセス・ストーリーに深みが出たと思う。
自分の一番身近なモノを守ろうとした男ジム・ブラドック。
それがアメリカ中を感動させる結果を招き寄せた。
演じるラッセル・クロウも往年のハリウッドスター、
たとえばロバート・ミッチャムあたりを彷彿させる面構えになってきた。
レニー・ゼルウィガーもその強気なところが
昔ながらのハリウッド女優っぽい。
この映画は、観る前の印象とは異なり、
キャスティングの勝利の映画だと、そうぼくは思うな」
(byえいwithフォーン)
※いつかは人生を変える度人気blogランキングもよろしく
☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)
アカデミー賞最有力候補だって?
「いくらなんでも気が早すぎるよね。
ロン・ハワード&ラッセル・クロウ、
そしてレニー・ゼルウィガーとくれば、
確かに何かやってくれそうだけど」
-----可能性あるの?
「まず難しいだろうね」
----そりゃまた、あまりにもあっさり(笑)。
「一番の理由が、主人公がボクサーと言うこと。
『ミリオンダラー・ベイビー』に続いてこれでオスカー取ったら、
『ハリウッドはそれしかないのか?』になっちゃう。
もちろんテーマはまったく違うけど...」
-----この映画の主人公って、どんな人なの?
実話とかも聞いたけど...。
「前途有望なボクサー,ジム・ブラドック。
彼はタイトル奪取を目前にして、右手の故障に見舞われてしまう。
時は1929年。折しも全米に吹き荒れた大恐慌の嵐により、
彼の生活はどん底に陥ってしまう。
そのため手の骨折も申告せず、ファイトを続けていたんだけど、
ついにそれを知られてしまい、
ボクサーのライセンスを取り上げられてしまう」
-----うわあ。立ち上がれないなあ。
でも『シンデレラマン』というからには、
彼、きっと再起するよね。
「うん。その前に、この貧窮生活の描き方が凄まじい。
自分のプライドを捨てて生活保護の列に並び、
さらにはボクシング委員会へ赴き、金銭的援助を乞う。
しかし、ある時、ランキング2位の選手の対戦相手が見つからず、
元マネージャーのジョー・グールドが彼に話を持ってくる。
一夜限りのカムバック。
ところがそれこそはアメリカ中を希望で包み込む、奇蹟の序章だった.......
という、お話さ」
-----えっ、ずっと困窮生活なのになぜそんなことが可能なの?
「それはね。骨折した右の利き腕をかばって肉体労働を続けるうちに、
左の腕に強烈な左パンチを与えていたと言うことなんだ」
-----う~ん。これってタイトルそのまま。
みんなが思ってた『ミリオンダラー・ベイビー』みたい。
「そういう先入観をもたれちゃうところが、
この映画の損している部分。
本当は彼のシンデレラ・ストーリーを取り巻く人間模様、
そして彼がずっと胸に抱いている信条が泣かせる」
-----たとえば?
(※少しネタバレ注)
「彼に復活をもたらす話を持ち込むジョー・グールド。
彼は、いつもきちっとした身なりをして、
自分では手を汚さない勝ち組のように見せているけど、
それは仕事のためで、実は彼の家の中は空っぽ。
このジョー・グールドを演じているのが『サイドウェイ』のポール・ジアマッティ。
今度こそ、彼にオスカーあげたいと誰もが思うほどの魅力的な演技だ。
また主人公のジム・ブラドックは何のために闘うのか問われて....」
----問われて?
「ただ一言『ミルク』と答えるんだ。
普通は、もっとカッコつけた言葉が出てきそうだよね。
でも彼にとって最も大事なのは<家族>。
その家族を苦しめたくないというのが、ジムが闘う最大の理由なんだ。
途中、彼がプライドを捨てた行為に出るのも、
風邪のためよそに預けた子供を取り戻すため、
まずはストップされた電気を再開させようというわけだ」
-----う~ん。確かに感動的なお話だけど、映画としてはどうなの。
「その軸に<家族愛>を置いたことで、
サクセス・ストーリーに深みが出たと思う。
自分の一番身近なモノを守ろうとした男ジム・ブラドック。
それがアメリカ中を感動させる結果を招き寄せた。
演じるラッセル・クロウも往年のハリウッドスター、
たとえばロバート・ミッチャムあたりを彷彿させる面構えになってきた。
レニー・ゼルウィガーもその強気なところが
昔ながらのハリウッド女優っぽい。
この映画は、観る前の印象とは異なり、
キャスティングの勝利の映画だと、そうぼくは思うな」
(byえいwithフォーン)
※いつかは人生を変える度人気blogランキングもよろしく
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ラエエル・クロウ本人も、
この映画(『シンデレラマン』)に出ていながら恥ずかしい
と言う趣旨のコメントを出していたと記憶しています。
アメリカであまりヒットしてないのも、そのあたりかも。
なかなかの力作ではあると思うのですが、
なんとも残念です。
こんにちは。
そうですね。他の方からも
「感動した」という直メをいただきました。
私も見応えある映画だったと思います。
完成披露試写では、
拍手が起こるかと思ったのですが、
静かだったのが意外でした。
私もこういう“ハッピーエンドになるだろう”と、ある程度予測できる映画には期待しない方でしたが、よく考えればネタバレしていても良い作品は何度観ても良いわけで。
本当はラストシーンで私もおもわず立ち上がって拍手したかったんですが、さすがにそこが映画館だと思い出してしまったので…
でも心の中では、マディソン・SQGのあの観衆の中で一緒に大声をはりあげていましたよ。
PBではいろいろとやんちゃなラッセル君ですが、反対に役に徹しているときは別人だともいえますよね。
今回も見事な演技でした。
ということで早速トラバさせていただきました。興奮したぶん長文ですが、またご一読ください。
正直、この映画は力作だと思います。
石原裕次郎や赤城圭一郎など、
日本ではボクシング映画は、スターへの登竜門と言われますが、
こういう実力が認められた俳優がやることが多いようですね。
ラッセル・クロウはロバート・ミッチャムのような
シブさがありましたよね。
テレビでもあまり流れない時代の俳優さんを引き合いに出されるとは、さすが渋い!(そういえばラッセル君もちょっとアゴ割れてますわね。)
私は人のプロフには興味ない方ですが、えいさんは失礼ながら似たような世代なんでしょうか?いやいや、お応えには及びません。
あ。なんか『眼下の敵』でも観たくなったなあ。クルト・ユルゲンスが好きでして…
ただ、ラッセル・クロウの目尻の下がり具合と、
少し眠そうな感じ。
でも芯はしっかりしてるってところで、
そう感じただけです。
世代ですか?
よろ川長TOMさんがおいくつか、分からないのでなんとも。
このブログのタイトル、
それと私の他のページのタイトルから推定していただければ、
おそらく当たらずとも遠からずです。
決してつまらなくはないのだけれど、もっと多くを求めてしまうような、物足りなさも感じました。
ポール・ジアマッティは最高に素晴らしかったです!
なるほど、この映画は観る人の立場で感想が変わってくるかも知れませんね。
これまでボクシング映画と言えば、サクセス・ストーリーとして
描かれることが多く、
それはアメリカにおいては、アメリカン・ドリームの実現を意味していました。
そのため青春映画の側面もあったわけですが...。
しかし今回は、妻子を持った男の話。
ビッグになるという夢ではなく、生きるための糧。
主人公の「目標値」が違うため、人によっては物足りなさを感じるかも知れませんね。