(原題:Seraphine)
----セラフィーヌって、女性の名前だよね。
何をした人ニャの?
「実は、ぼくも映画を観るまでは知らなかったんだけど、
彼女は20世紀初頭、フランスに生きた素朴派の画家。
つまり、これは実話を基にしているんだ。
フランス映画界の祭典セザール賞では
最優秀作品賞など最多7部門を独占。
なかでもタイトルロールのセラフィーヌを演じた
ヨランダ・モローの演技に世界中が釘付けに。
ぼくも観ていて、これが演技ということをしばし忘れてしまっていた。
まさに乗り移ったとしか思えない素晴らしさだったね」
----ということは、
見どころは彼女の演技ということ?
「そうだね。
ストーリーの方は実話を基にしているわけだから、
それを知らない自分が脚色についてなど語れるわけもない。
ただ、監督たちが映画にしたくなるのも分かる。
そうとうにドラマチックな生涯ではあるね」
----じゃあ、その生涯というのを簡単に…。
「セラフィーヌは家政婦として働き、
食べることもままならない生活を送っていた。
彼女の孤独な日々を支えたのは、
草木に話かけ、聖歌を歌い、
そして手作りの絵の具で花や葉、果実の絵を描くことだった。
そんなある日、素朴派の画家アンリ・ルソーを発見し、
ピカソをいち早く評価したドイツ人画商ヴィルヘルム・ウーデ(ウルリッヒ・トゥクール)が
彼女の絵に目を留め、援助を申し出るようになる。
ところが…」
----ゴクッ。ニャ二が起こるんだろう?
「第一次世界大戦が激化し、ウーデはドイツに帰らなくてはならなくなる。
しかし、そんな社会情勢とは無縁に生きているセラフィーヌは、
自分がいいように弄ばれ、見捨てられたと思いこむ。
実は、映画はこのあたりからトーンが変わってくる。
それまで淡々としたセラフィーヌの日常を静かに見つめていたキャメラ。
ところが、彼女の絵を我々の前に提示したのをきっかけに、
それを生みだしているセラフィーヌの内なる魂の秘密にでも触れたかのように、
内面からほとばしる感情をスクリーンいっぱいに映し出していく。
その感情のうねりが映画にもダイナミズムをもたらしていくんだ」
----魂の秘密?
「うん。
やはり、稀なる才能を天から与えられた人は、
どこか常人とは違う。
もとよりセラフィーヌが絵を描き始めたきっかけは、
天使のお告げがあったから…」
----そんな!ありえニャい。
「もちろん、これは彼女自身がそう言っているだけであって、
周囲はだれもそんなこと信じちゃいない。
でも、その強い思い込みがセラフィーヌに筆をとらせる。
だからスランプだの、描きたくなくなるなどということは
全くありえない。
彼女は神に選ばれた“花嫁”となることを願っている。
それが最後には、ある悲劇をもたらすわけだけど、
この一種の狂気こそがセラフィーヌの絵の魅力という気がぼくはしたね。
おそらく、他の人の時空とは違うところにいる。
同じものを観ても違って見えているのではないか?」
----そんなことってあるのかニャ?
「セラフィーヌの遺した絵を見たらフォーンも納得すると思うよ。
自然、絵、そして神。
それ以外についての常識、
たとえば社会情勢の認識、金銭感覚等に欠けている。
だからウーデからの援助を前に、笑いながらこう言う。
『私も有名になったら、きれいな車がいるわね』。
事実、セラフィーヌは以後、とんでもない散財を始めるんだ。
高価なものを次々に購入。
その中には、なんと屋敷までも…。
しかし、そこに世界恐慌が訪れたことからウーデのビジネスにも陰りが…。、
彼はセラフィーヌに対して
これまでのような援助ができなくなる」
----うわあっ。まるで今の時代みたいだね。
どうニャるんだろう?
「ね。ドラマチックでしょ。
なんて、軽い言い方したらいけないのかもしれないけど、
世の中には、ぼくの知らない天才の話が
まだまだあるんだろうなと、改めて思ったね。
そういえば数学者のガロアとか
その生涯は映画化されているのかなあ」
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「普通の感動作とは違うんだニャ」
※ヨランダ・モローに尽きる度
お花屋さんもよろしく。
噂のtwitterを始めてみました。
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(他のタイトルはこちらをクリック→)
※画像はフランス版ポスターより。
----セラフィーヌって、女性の名前だよね。
何をした人ニャの?
「実は、ぼくも映画を観るまでは知らなかったんだけど、
彼女は20世紀初頭、フランスに生きた素朴派の画家。
つまり、これは実話を基にしているんだ。
フランス映画界の祭典セザール賞では
最優秀作品賞など最多7部門を独占。
なかでもタイトルロールのセラフィーヌを演じた
ヨランダ・モローの演技に世界中が釘付けに。
ぼくも観ていて、これが演技ということをしばし忘れてしまっていた。
まさに乗り移ったとしか思えない素晴らしさだったね」
----ということは、
見どころは彼女の演技ということ?
「そうだね。
ストーリーの方は実話を基にしているわけだから、
それを知らない自分が脚色についてなど語れるわけもない。
ただ、監督たちが映画にしたくなるのも分かる。
そうとうにドラマチックな生涯ではあるね」
----じゃあ、その生涯というのを簡単に…。
「セラフィーヌは家政婦として働き、
食べることもままならない生活を送っていた。
彼女の孤独な日々を支えたのは、
草木に話かけ、聖歌を歌い、
そして手作りの絵の具で花や葉、果実の絵を描くことだった。
そんなある日、素朴派の画家アンリ・ルソーを発見し、
ピカソをいち早く評価したドイツ人画商ヴィルヘルム・ウーデ(ウルリッヒ・トゥクール)が
彼女の絵に目を留め、援助を申し出るようになる。
ところが…」
----ゴクッ。ニャ二が起こるんだろう?
「第一次世界大戦が激化し、ウーデはドイツに帰らなくてはならなくなる。
しかし、そんな社会情勢とは無縁に生きているセラフィーヌは、
自分がいいように弄ばれ、見捨てられたと思いこむ。
実は、映画はこのあたりからトーンが変わってくる。
それまで淡々としたセラフィーヌの日常を静かに見つめていたキャメラ。
ところが、彼女の絵を我々の前に提示したのをきっかけに、
それを生みだしているセラフィーヌの内なる魂の秘密にでも触れたかのように、
内面からほとばしる感情をスクリーンいっぱいに映し出していく。
その感情のうねりが映画にもダイナミズムをもたらしていくんだ」
----魂の秘密?
「うん。
やはり、稀なる才能を天から与えられた人は、
どこか常人とは違う。
もとよりセラフィーヌが絵を描き始めたきっかけは、
天使のお告げがあったから…」
----そんな!ありえニャい。
「もちろん、これは彼女自身がそう言っているだけであって、
周囲はだれもそんなこと信じちゃいない。
でも、その強い思い込みがセラフィーヌに筆をとらせる。
だからスランプだの、描きたくなくなるなどということは
全くありえない。
彼女は神に選ばれた“花嫁”となることを願っている。
それが最後には、ある悲劇をもたらすわけだけど、
この一種の狂気こそがセラフィーヌの絵の魅力という気がぼくはしたね。
おそらく、他の人の時空とは違うところにいる。
同じものを観ても違って見えているのではないか?」
----そんなことってあるのかニャ?
「セラフィーヌの遺した絵を見たらフォーンも納得すると思うよ。
自然、絵、そして神。
それ以外についての常識、
たとえば社会情勢の認識、金銭感覚等に欠けている。
だからウーデからの援助を前に、笑いながらこう言う。
『私も有名になったら、きれいな車がいるわね』。
事実、セラフィーヌは以後、とんでもない散財を始めるんだ。
高価なものを次々に購入。
その中には、なんと屋敷までも…。
しかし、そこに世界恐慌が訪れたことからウーデのビジネスにも陰りが…。、
彼はセラフィーヌに対して
これまでのような援助ができなくなる」
----うわあっ。まるで今の時代みたいだね。
どうニャるんだろう?
「ね。ドラマチックでしょ。
なんて、軽い言い方したらいけないのかもしれないけど、
世の中には、ぼくの知らない天才の話が
まだまだあるんだろうなと、改めて思ったね。
そういえば数学者のガロアとか
その生涯は映画化されているのかなあ」
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「普通の感動作とは違うんだニャ」
※ヨランダ・モローに尽きる度
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※画像はフランス版ポスターより。