ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『Dear Heart 震えて眠れ』

2009-10-25 16:37:02 | 新作映画
----ちょっと前、
イギリス映画には心臓移植を扱った『HEART』というのがあったよね。
これも外国映画かと思ったら日本の、それもホラーなんだね?
「うん。副題が示しているようにサスペンス。
それもエロチックな猟奇もの。
さて、この映画、話が実にシンプル。
美輪子(高島礼子)は夫でありミステリー作家の信二(榎本孝明)を連れて高原にある別荘に訪れた。
信二は心臓移植を受けて間もなく、その療養と執筆を兼ねてやってきたのだが、
彼は以前とはまったく異なる人格へと変貌していく。
そこが妙に生々しくエロチック。
彼の看護をする聡子(亀谷さやか)への迫り方とかね。
いやあ、あれはたまんないなあ」

----ちょ、ちょっと、目つき変だよ。
「ごめんごめん。
さて、話を戻して。
夫の変化の原因を探ろうと、
美輪子は別荘管理人の甥・武(加藤和樹)とともに東京へ。
そこでふたりは、信二の担当医である三田(島田陽子)、
そして連続殺人を追っている河野刑事(西村雅彦 )と接触。
その証言の中から、浮かび上がってきた思いもかけない事実とは?」

----その心臓が連続殺人犯のものだったってことなのかニャ?
「ね。分かりやすいでしょ。
つまり、そのDNAが移植先に転移した…こういうことだね。
ということでミステリー的な興味はすぐ消える。
となると、あとはその描写。
どれだけ、観る者を怖がらせるかというところがポイントとなる。
さあ、ここで問題。
この設定で気づく映画って何だろう?」

----別荘、作家、狂っていく人格…。
分かった。『シャイニング』だ。
「正解。
つまり、ここで要求されるのは、
榎本孝明の狂った演技。
彼がジャック・ニコルソンにどこまで迫れるか?
そして、その恐怖を引き出す監督の演出。
このふたつがポイントだね」

----監督はだれニャの?
井坂聡
ぼくは彼の『[FOCUS]』というのが好きでね。
もしかしてぼくが浅野忠信に注目した最初の作品かも。
ふつうの通りすがりの男かと思ったら、そいつが…。
あの映画は、全編カメラ目線という実験的作品。
一見、ドキュメンタリー風な、ざらついたあの映画に比べて、
こちらはくっきり、血糊もベタ~っ。
ひとりの監督がこんなにも違う作風の映画を撮る。
それが一番の驚きだったね」


         (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「森の中の別荘は、やはり怖いのニャ」もう寝る


※ロバート・アルドリッチは『ふるえて眠れ』、『変身』は脳移植だ度

コトリ・ロゴお花屋さん ブーケ、アレンジメントetc…

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