ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『ゼロの焦点』

2009-10-23 22:02:15 | 新作映画
----このタイトルって、昔からよく聞くよね。
原作が有名ニャの?
「もちろん。推理小説の大家松本清張の原作だからね。
今年の東京国際映画祭では招待作品となっていて、
主演の広末涼子、中谷美紀のいずれもが
相手をほめたたえていたようだ」

----ふうん。でもキー・ビジュアルには、もうひとり女優がいたような…。
木村多江だね。
この映画、実を言うと、固有名詞がややこしくて…。
今回は、会社名などを省いて物語説明。
結婚式から7日後。
仕事の引き継ぎで以前の勤務地に戻った夫・憲一(西島秀俊)がなぜか戻ってこない。
お見合いゆえに、夫の過去をほとんど知らない新妻・禎子(広末涼子)は、
失踪の理由が皆目つかめず、憲一の足跡をたどるというもの」

----そこで禎子が出会う女性を演じているのが
中谷美紀と木村多江というわけだね。
「そう。
このふたりは、それぞれ憲一の得意先の会社の社長夫人・室田佐知子と、
受付嬢の田沼久子。
だれが見ても、ここに失踪の一因があることはすぐわかる。
そして同時に金沢で多発する殺人事件もね。
まあ、これは原作ものだし、その“謎” はそのくらいでいいとして、
やはり今回の見どころは、舞台となった昭和30年代の時代再現だろうね。
こういう物語は、安直に舞台を現代に置き換えたりして映画化しやすいところだけど、
やはり、清張文学ともなるとそれは厳しい。
特に、この物語の場合は舞台背景が謎解きそのものにも絡んでくるからね。
そう、考えるとCGの発展は、映画表現の領域を格段に広げたといえる。
もっとも、この映画の場合は、
当時の面影を残す街を徹底的にロケハン。
なんと、韓国にまで行っているらしいよ」

----えっ。でもスチールとか見ると、ポップだよね。
それぞれ黄色や赤といった原色の服を着ている。
「そう。それもこの映画のスタイルのひとつ。
途中までは、よくぞここまでというくらい
雪の降る曇天の金沢を時代色たっぷりに出していながら、
クライマックス近くになると、
急にヒッチコック、いやヒッチコックを意識していたころの
ブライアン・デ・パルマ調になってくる。
書割的な世界の中に目くるめく映像が展開。
まるで一本の映画の中にふたつの映画が入っているみたい。
この切り替えを好きになれるかどうかで、
本作への評価も違ってくるかもね」


         (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「広末涼子は絶対NGを出さなかったらしいのニャ」ぱっちり

※監督いわく、「広末=素」、「中谷=麗」、「木村=優」らしい度

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