ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『MAKOTO』

2005-01-12 22:11:00 | 新作映画
------これって監察医の話とか?
TVでやってた「きらきらひかる 浪速美人監察医物語」と
同じ原作者の漫画を元にしてるんだって?
「説明ありがとうフォーン。
その原作を『踊る大捜査線』『恋人はスナイパー』の
人気脚本家・君塚良一が監督したってわけ。
脚本を書いている間、クランクインに備えて
現場スタッフのスケジュールを押さえてたというから、
周囲の彼にかける期待は相当なものだということだね。
いや、大物脚本家の監督デビューだけに
単に気を使ったということかも知れないけど…」

------初監督か...どうだった?
「う~む。
ファーストカットが海に佇む東山紀之。
“あんたは平成の斎藤耕一か”という叙情的なショット。
ところが本筋に入ると、一転して、死体解剖を騒々しく描く」

------騒々しく?
「そうなんだね。監察医役がベッキーと室井滋。
このふたりの無駄話とも思える会話が必要以上に多い。
それによってリアリティを出そうとしてるんだろうけど、
映画のリアリズムってのはそんなんじゃないよね。
なんでもかんでも現実らしさを出せばいいというわけじゃない。
で、そのスタイルはその後の哀川翔を加えた食事のシーンの会話でも続き、
ベッキーがどうでもいいことをいろいろと喋るもんだから
本筋の会話が聞こえてこない」

------ちょっと待って。ストーリーを語ってよ。
「これは実に簡単。
主人公の監察医・白川真言には死者が見えるという<力>がある。
しかし彼の前に姿を現す死者はみんなこの世に未練を残している者ばかり。
で、彼に何かを訴えようとするんだ。
ところが彼ら死者は言葉は発することができない。
そこで真言は彼の<力>を知っている四条刑事と組み、
彼らの死因を明らかにし、事件を次々と解決していくわけだ。
さて、死因がハッキリと分かると、そこで初めて死者は実体化。
他の人にも姿が見えるようになるんだね。
で、彼ら死者は生者と言葉を交わしてからあの世へ。
成仏したというわけだね。
ところが、真言は死者の願いを次々と聞こうとし、
そのあまりの忙しさに、結婚して数年の奥さんが彼に不満を抱く----」

------分かった。ところがその奥さんもすでに死んでた。
あちゃ、こんなこと言っていいのかな。
「大丈夫。その事実はすぐ明らかにされるから。
ネタバレでもなんでもない。
問題は、この奥さんが死んだ後、ずっと真言の側にいること。
彼女の死因は普通の交通事故なのに、なぜ?
ジャジャーン!
やがて、この奥さんのとんでもない秘密が明らかになる」

------でも、この映画の法則でいくと、
奥さんは、最後は真言と言葉を交わしてあの世に消えていくんだよね...。
「そう。ハイライトはここ。
さあ、彼女はいつどこで実体化して真言の前に現れるか?
ここだけは、なかなかうまい映像処理だったよ。
でも演出が平板であまり盛り上がらなかったな。
そこが『いま、愛』との大きな違いだね」


(byえいwithフォーン)

※めいる度



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