ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『巴里の恋愛協奏曲』(byえいwithフォーン)

2004-09-15 19:30:37 | 新作映画
----このミュージカル、オドレイ・トトゥら
フランスの俳優がそのまま歌ってるんだって?
「そうなんだ。ただ、厳密にはオペレッタになるらしい」。
----その違いって?
「ミュージカルが多くの場合マイクを使うのに対して、
オペレッタはオペラと同じく自然な生の声(ベルカント)。
もちろん、これは元となった舞台での話。
で、オペラはアン・ハッピーエンド、オペレッタはハッピーエンド、
ミュージカルはそのどちらもありらしい。
この映画『巴里の恋愛協奏曲』もハッピーエンドの典型。
恋の火遊びを楽しんでいるかに見える人妻を中心に、
彼の夫、彼女に言い寄る男二人、その一人に恋する乙女、
さらには昔の夫、そして妹が協奏曲ならぬ狂騒曲を演じる。
それらは複雑に絡み合い、決してほどけないように見えて、
最後にはすべてパッと解決してしまう。
こんなに調子いい話はないけど、
そもそもがオペレッタという現実ばなれした手法だから
ニコニコしながら観られるんだ」。

----監督のアラン・レネって?
「かつては『去年マリエンバートで』などの
難解な映画を撮っていた人。
ゴダールやトリュフォーと同じ頃に出てきた人で、
ヌーヴェル・ヴァーグのセーヌ左岸派の旗頭のように言われていたはずだけど、
いつしかこんなオシャレな映画を撮るようになっていたんだね。
年取って丸くなったと言うべきか?」

----年取って枯れるよりいいんじゃにゃいの。