ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

初期ティム・バートン短編(byえいwithフォーン)

2004-09-14 19:58:37 | 映画
----今日は『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』だったんだっけ。
確かビデオでしか観てなかったんだよね。どうだった?
あれっ、ムズかしい顔してるな。
「うん、やはりぼくにはこれは肌があわないな。
最初から最後まで音楽がずっとかかりっぱなしで落ち着けない。
で、それに乗せて彼のダークなイメージが延々と続くだけ。
だれに感情移入することもなく、ノレないまま終わったな」。

----でも、そのイメージというのが独創的なんでしょ?
「いや、それは観る人それぞれの価値観だからね。
ただ個人的には、ハロウィン・タウンの道が
どこもここも曲がりくねっているというのは
視覚的にオモシロかったけど」。

----だけど、お話はラブ・ファンタジーなんだよね?
「それはサリーにとっての話で、
ジャックが彼女を好きになったのも突然としか見えず、
なんだか、とってつけた感じだったね。
こういうストップモーション・アニメって作るの大変だし、
深い物語性や心理面までとても手が回らなかったんだろうな」。

----珍しくキビしいにゃ。ティム・バートン嫌いなの?
「いや、今回初めて観た『ヴィンセント』とかは
6分しかないけど、おそらく彼の少年時代の投影と思われる
怪奇好きで孤独な少年の心象風景が
『カリガリ博士』風の美術の中に展開していてスゴく楽しめたし、
30分の『フランケンウィニー』も
怪獣映画や怪奇映画へのオマージュがいっぱい。
交通事故でなくなった犬をフランケンシュタインのように甦らせる、
という話のオモシロさもさることながら、
少年の犬への愛情がきちんと描きこまれ、
しかもラストでは素晴らしい奇跡が起こる。
ありえないようなお話でも観た後は幸福な気持ちになれるんだ。
こんな映画なら大歓迎だな」。