ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『山猫』ヴィスコンティ(byえいwithフォーン)

2004-09-07 20:22:37 | 映画
----『山猫』ってスゴいタイトル。
「これはねイタリアの巨匠
ルキーノ・ヴィスコンティの初期の傑作。
主人公が貴族で『山猫』というのは
その紋章。
いままでに何度か上映されているけど、
今回のは“イタリア語・完全復元版”」。

----どういうこと?
「この映画はテクニカラーで撮られているんだけど、
時を経るに従って色褪せを起こしたんだね。
161分の英語国際版(オリジナルは187分)もあって、
こちらはデラックスカラーにプリントしてあり発色はいい。
でも、物語としては明らかに劣る。
そこで10年以上前から、
撮影のジュゼッペ・ロトゥンノ監修で
復元作業が行われたというわけ」。

----なるほどね。で、どうだったんにゃ?
「映画自体はぼくが語るのもおこがましい。
ただ作られた時代が時代のため直接的描写は抑えながらも
彼の性的嗜好がにじみ出ているのは面白かったな。
で、話を戻してその<色>のことにしぼって少しだけ。
前半のハイライトとなる赤シャツ隊の戦い。
この赤シャツのくすんだ色が目を見張ったね。
なんでも、その褪色感を出すため、
紅茶で煮てから太陽の下に何時間もさらし、
最後に土に埋めた後で仕立てられたのだとか…。
昨今のCG頼みの映画からは想像もつかないこと。
ニーノ・ロータの音楽も、
彼がナチス・ドイツ占領下に書いた
未発表の交響曲なんだってさ。
まさに伝説のオンパレードだね。
あっ、ラストカットには猫も出ていたよ。
町を歩いてた」。

---いいよ、無理にあわせにゃくても。