ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

「エイプリルの 七面鳥」(byえいwithフォーン)

2004-09-10 23:54:38 | 新作映画
-----七面鳥って、感謝祭に食べるヤツだよにゃ。
だとしたら、11月の第4木曜日。エイプリルって...?
「うん。ぼくもそこがひっかかってたんだけど、
このエイプリルとは女の子の名前なんだ」。

-----ふうん、どんなお話なの?
「典型的な中流家庭の家に生まれたエイプリル。
彼女は家との折り合いが悪く家を飛び出したまま
長らく家族との交流が途絶えていたんだ。
ところが母親がガンだと知り、
感謝祭の日に、苦手なはずのお料理で
恋人と同棲中のアパートに家族を迎えようとする。
でも、子供の頃から悪いことを重ねているエイプリルだけに、
『食べられるはずない』と、なかなか信用してもらえない。
映画は、このエイプリルが七面鳥の料理を作ろうとしながら、
オーブンが壊れてしまい悪戦苦闘するさまと、
母親とその一行が娘の家に車で向かう道中の
小さないさかいとが交互に描かれていく」。

-----よさそうだにゃ。
「確かに。エンディングは読めるけど、
母親を演じるパトリシア・クラークソンの好演で
けっこうスリリングに展開していく。
よい母親とか悪い母親とかいう次元でなく、
難病も手伝ってすっかりシニカルになってしまったひとりの女性を
“まるごと”演じている。
不信や焦燥といった<負>の感情の吐露が実にうまいんだ。
でも何よりも嬉しかったのは、
“人生やり直しがきくんだよ”という前向きなメッセージ。
それまで野放図に生きていたエイプリルが
一生懸命、時計の針を戻し、失われた時間を埋めようとする。
人間関係の回復はありえるんだという作り手側の姿勢が
ほんとうに心を温めてくれる。
監督は『ギルバート・グレイプ』の
原作・脚本を書いたピーター・ヘッジズ」。

----そうか、あれも家族の物語だったよね。
「うん。1時間20分という時間の中に
あれこれエピソードを欲張ることなくきちんと収めている。
そのムダのなさも観ていて心地よかったな」。