doironたちが乗った飛行機は、
うんうんと蒸気を吐きながら
どんどんと銀河鉄道に
向かっていきました。
途中、窓から外を見ていると
大きな雲海の上に山影が
ひとつ見えてきて、
「あれが富士山やなあ。
僕らはもう天の野原に来たんだ」
というと、
「なんぼ花巻に行くからって、
もう宮沢賢治ぶらんでよろしい」
とミセスに叱られてしまいました。
雲の上を飛んでいる分には
気候的には何の問題もなさそうですし、
どうやら花巻への着陸態勢に入るようです。
するとさっきまで見えていた
明るい空から、雲の中に突入です。
しばらくすると、
もう飛行機はかなり低いところを
飛んでいるようでした。
うわー、これくらいの高さだったら、
窓から飛び降りられるぞ~
と冗談言ってたらもうすぐに着陸です。
この時遠くを見ると白い雪が
積もっているのがちらりと見えましたね。
ああ~紅葉も見に行こうと思ってきたのに、
こちらはもう雪が降っているんですねえ。
とりあえずまあ何とか無事に
銀河鉄道は花巻空港に到着です。
旅の予定は何もくるっていません。
本当の天上に行くこともなく、
静かでよどみない空気の漂う
花巻空港に着きました。
ただし、飛行機の中で
開けて飲んだお茶の
ペットボトルはどうも
天上へといったようです。
さあ、ここからはJRの
空港駅まで行かねばなりません。
空港を出てバス停を見てみたら、
「花巻空港」駅までバスが出ているようです。
バス、JRを使ってとりあえず
「花巻」駅を目指しました。
たしか、ここにはセロ弾きの
ゴーシュの人形があったはず。
それが聞きたくてここに来たのですが・・・
あれ?ないぞ。
確かこの辺りにスペースが
あったはず。
あ、どうやらそれは「新花巻」でしたか。
仕方ないのであちこち
眺めておきましょう。
これは花巻駅への写真用看板ですね。
あとでふと思ったのですが、
東北方面て、こんな顔出し看板が
多かったような気がします。
おお~、福知山のマラソンの日には
こちらでは駅伝をやってるんですねえ。
タイトルは「絆をつなぐ」ですか。
そして駅の外にはこんな、
帽子とマットをかけた掲示板があります。
うまいことやってますねえ。
この掲示板で説明しているのが
「岩手軽便鉄道」ですね。
今の釜石線のもとになった鉄道ですね。
この軽便鉄道、社長が盛岡銀行頭取で
あの宮沢賢治の母型の祖母も
株主だったそうです。
JRに続いてここでは
そんな軽便鉄道の
勉強もしましたね。
他にも「カエルのベンチ」や
「フクロウのベンチ」もあり、
駅前のモニュメントの中から
宮沢賢治ものぞいているようでした。
さあ、電車のホームに戻りましょう。
そこにはこんな
「花巻鹿(しし)おどり」の
モニュメントがあります。
かつては賢治の小説にも
よく出てきた祭りなんですが、
実際にどんな祭りなのかは
知りませんので
一度見てみたい気がしますねえ。
さて、ここから次の目的地である
盛岡まで電車で向かっていきます。
かなりの駅数があるので、
じっくりと電車からの
景色を眺めつつ生きましょう。
ところがねえ、なぜか
この時間帯電車の中は
学生さんでいっぱいです。
時期的にテストの頃なのかなあ。
いっぱい乗ってるけど
結構みんな本とか読んでいます。
そうそう、そして気が付きました。
この日は遠くに雪が見えるほど
気温が低い状態でしたので、
doironはさっきの鹿踊りの時に
撮影したように超厚着だったのですが、
学生さんたちは薄着で
ズボンの裾からすねは除いている状態です。
うひゃー、雪国の人たちは
寒さに強いんですねえ。
若いだけじゃないでしょう。
結局遠くの景色や、
この地方の人たちの
暮らしぶりなんかを想像しながら、
doironたちの乗った電車(汽車?)は
盛岡へと入っていくわけです。
続く