雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

扇動者

2017-08-13 21:00:00 | 

ジェフリー・ディーヴァー著"扇動者"を読みました。
この本の主人公はリンカーン・ライムではなく、
キャサリン・ダンスです。
ボデーランゲジーによって嘘を見抜くキネシクスの
専門家です。
ダンスは麻薬組織のことを知っているかもしれない
セラーノを取り調べました。
ダンスはセラーノは組織と関係ないと判断しました。
部屋を出た直後に彼が組織の殺し屋だと連絡が
入りました。
セラーノに逃げられました。
ダンスは責任を取らされて民事部に移動になりました。
捜査をすることはできなくなりました。

ナイトクラブのソリチュード・クリークで火事騒ぎが
あり、人々が一斉に非常口へ向かったため死者、怪我人が
多数でました。
事故と思われましたが非常口をトレーラで塞いで
火事騒ぎを起こした犯罪であったことがわかります。
ダンスは民事部でありながら事件に関わっていきます。
セラーノを追う件にも内緒で関わっています。

作家の講演会が行われていたベイ・ビュー・センターで
銃撃されて人々が逃げまどい、窓を割って飛び出しました。
外は崖で下には冷たい海が広がっています。
崖で体を打ち怪我をする人、海にさらわれる人で残酷な状況です。
このパニックを引き起こした人物がいます。

一度は車で逃走する犯人を追い詰めたのですが人でいっぱいの
テーマパークのグローバル・アドベンチャー・ワールドへ
逃げ込みます。
ここでも犯人は人々を巧みに誘導してパニックを引き起こします。

ダンスの個人的な生活にもいろいろな問題があります。
恋人のボーリングとはいい関係です。
両親もサポートしてくれています。
娘のマギーは悩みを抱えています。
話してくれません。
ダンスは気づいていませんが息子のウェスにも問題があります。

パニックを起こさせているのは誰かに雇われている人物だと
わかります。
その理由を追います。

読み始めた最初から何か変だよね、ってもやもやした気分が
抜けませんでした。
ダンスが失敗したというけど、彼女だけの失敗だとは
いえないし、これだけで優秀な人材を閑職へ追いやるなんて
ありえない。
それなのに実際は事件に関わっていて叱責されることもない。
子供たちのこともいったいどうなるんだろうと心配になります。
もうダンスは警官でいられなくなるかもしれないという
気になります。

パニックになった人々の怖さを文章で味わいました。
文章上でも恐怖を感じます。
現実にこういう場面に出会ってしまったら安全に
逃れるにはどうするのがいいのでしょうか。
こう対処すべきというものがあったら知りたいです。

最後まで読んで、あぁこういうことだったのかと納得です。

ダンスの恋人のボーリング、本当に出来た人ですね。
こんないい人っているでしょうか。